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2008年3月19日 (水)

チベットはどうなるのか

今日は、シンガポール&マレーシアを離れ、チベットについて書きたいと思います。

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<ポタラ宮>Pentax P30/28mm/Fujichrome

今から16年前の1992年にチベットを訪れた。当時は秘境を中心に回っていて、はじめから個人旅行をするなんて考えはまったくない。ツアーに乗っかるのである。もちろん、チベットもツアーなのだが、以前シルクロードを訪れたときに知り合った人のつてで、中国関係のプロ添が主催するツアーの打診を受けて、参加することに決めたのである。

参加してみると、シルクロードの時にいた参加者がいて、この人とは同室になった。その後も、この手のツアーは数回主催されていて、計4回ほど参加したことになる。今でも、連絡を取り合うような仲間がこのツアーを通じてでき、ツアーに参加するたび、再会を祝すような間柄となった。

16年前であるから、デジタルカメラなんてものはなく、記録媒体はすべてフィルムのカメラ。すでにオートフォーカス一眼レフは出ていたものの、自分はまだ持ってなくて、同室になった人のEOSをうらやましく思った次第である。もちろん、カメラを複数台持って行くなんてことはなく、当時もっとも安かったPentaxのP30という、シンプルなマニュアル一眼レフと28mm/50mmの2本のレンズのみでメシ写真から記念撮影までまかなってきた。詰めたフィルムは忘れてしまったが、フジのリバーサルであった。ラサでフィルムが足りなくなり、買い足した覚えもある。余談だが、P30という機種は、いささか操作がしにくいもののの、シャッター優先AE/絞り優先AEが両方ともできた。ただし、フルオートAEはできなかったのだが。

ツアーは、いきなり空路でラサに入るのではなく、北京から青海省の西寧へ。ここからバスで西に向かい、ゴルムドを経て、青蔵公路と呼ばれる、チベット高原を縦断するルートでラサに向かった。近年、青蔵鉄道が開通したが、ほぼそれに近いルートをバスで向かったことになる。

ただし、バスだったため、ゴルムドからラサに至るのに、2泊必要であった。ラサまでは5,000mを越える峠を2ヶ所通過するし、宿泊するのも、4,000m以上の地点である。青海湖からすでに標高3,000mを越え、次第に高地馴化させるねらいもあったのだろう。当然高山病症状も現れたこともあったが、不思議と翌朝収まっていた。ただし、夏だというのに、スキージャケットが必要だったり(事実雪も高原ではちらついた)、人民トイレだったり、簡易食堂だったり、シャワーがなかったりもした。

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<冬虫夏草売り>P30/28mm

チベット高原のバス旅は辛いものだったが、途中チベットの村落なども現れ、楽しくもあった。そんな中、突然現れたのが、何年も風呂に入ったことのないような4人組であった。彼らは、冬虫夏草を売る人たちで、一族でこの商売をしているようだった。

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<五体投地>P30/28mm

チベット仏教では、身体を投げ出して、腹這いになる礼拝をする。これを五体投地と呼ぶ。五体投地を続け、尺取り虫のようにしか進めない巡礼をする人たちも多い。想像を絶する行為。聖地カイラス山の周りを五体投地で何ヶ月も巡礼する場合もあるのである。

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<寺の内部>P30/28mm

寺を訪れると、バターの匂いに包まれる。チベット仏教では、ヤクの乳から作ったバターを灯明にする。その匂いだ。当時も今もそうだと思うが、寺では、ダライ・ラマ14世の写真が貴重品であった。もちろん、当局に見つかると没収もので、その写真はヒマラヤを越えてネパールから運ばれた禁制品だったようである。

この寺でもダライ・ラマの写真はもちろんあった。

今、チベットで暴動が起きた。当時は文化大革命で破壊されたチベット仏教の寺が徐々にではあるが、再建中というところであった。その後も何度か軽い暴動があったが、そのたびに当局側は外国人旅行者の入境制限を行った。今回もそうだろう。しばらくすると回復するというのが、チベット旅行の決まりのようなものであったが、今回は、中国政府が北京オリンピックと結びつけて、ダライ・ラマの亡命政府の勢力が起こしたものと、断定しようとしている。

何となく、長引きそうな予感がする。今年の夏、チベットに16年ぶりで行ってもいいかと思っていたところだが、どうも無理かもしれない。でも、いつかまた行きたい。ラサやチベット高原は空の青さが尋常じゃない。また、たまに現れる雲もまるで手が届きそうなくらい低いのである。いわば、天上の世界。ここに行けば、人生観も変わる。

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コメント

1枚目のお写真美しいですね。
フィルムには眼デジにはない味があって良いです。
私は海外に縁遠い生活を送っていますが、いつかカメラを持ってゆっくり色々な場所を巡ってみたいな。
天上の世界、憧れます。

投稿: | 2008年3月20日 (木) 00時00分

ミャンマーに続き、情報統制されて何もなかったかのように国は振る舞うのでしょうかね。。。

>空の青さが尋常じゃない。また、たまに現れる雲もまるで手が届きそうなくらい低いのである。

いい言葉ですね。
空の青さも楽しめるところとは初めて知りました。

投稿: hanamizuki | 2008年3月20日 (木) 01時24分

チベットもしばらく行けない場所になるのではないかと思います。青蔵鉄道が開通し、漢人が多く訪れるようになって、衝突することも多くなったのでしょうね。

投稿: Gina | 2008年3月20日 (木) 11時00分

tulip姫さん、こんにちは。
ね、フィルムいいでしょ。
特にお気に入りが、リバーサルなんですが、この当時のストックはほとんどリバーサルです。
掘り出してきて、スキャンすれば、もっとアップできるんですけどね。
海外は、行く気になれば、いつでも行けますよ。
日本の日常にないものがあちこちに転がっています。
香港あたり、気軽に行けるから、どうですか。

投稿: ヒョウちゃん | 2008年3月20日 (木) 14時59分

cloverhanamizukiさん、こんにちは。
チベット情勢は見守っていきたいと思います。
どうなっていくかなあ。

チベットの空ですが、特に高原にはいると、PLフィルターがいらないくらい、真っ青なんです。
それだけ、大気汚染がないということなんですが、日焼けも尋常じゃなくなります。2枚目の冬虫夏草売りのように。
雲も低いと感じますが、日常世界よりも2,000~3,000m以上高いところにいるから、そう思えるのかもしれません。

投稿: ヒョウちゃん | 2008年3月20日 (木) 15時04分

airplaneGinaさん、こんにちは。
やはり、しばらくは無理ですよね。
でも、またいつか訪れたいところです。
そういえば、青蔵鉄道のドキュメンタリーは、ヤンゴンの日本食レストランで、NHK-BSで見たんですよね。

投稿: ヒョウちゃん | 2008年3月20日 (木) 15時07分

チベットは旅人の憧れの地のひとつですよね。
僕もあこがれのまま、未だ行けずにいます。
社会人になってから計画したこともあったのだけど、
パーミッションが必要だったり、バスで長時間の移動があったり不確定要素が多すぎる。
サラリーマンにはきついところですよね。
天上の世界のようなチベットに、早く平穏が戻ってくることを祈るばかりです。

投稿: HARU | 2008年3月22日 (土) 00時07分

sagittariusHARUさん、こんにちは。
やっぱりチベットは行ってみたいですよね。
ホント、個人で回るには制限多すぎますよね。
成都でツアーに参加って形なんだろうけど。
それでも行きたくなるところなんですよね。
安定した情勢になって、チベットに行けることになったとしても、チベット仏教の寺院などで無惨な爪痕だけは見たくないですよね。

投稿: ヒョウちゃん | 2008年3月22日 (土) 11時37分

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ネパール・アンナプルナヒマールの麓の小さな町ポカラ。ペワ湖から自転車で少し走ったところにたたずむチベット村。 [続きを読む]

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