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2012年4月28日 (土)

旅行者の味方、チャオ

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<テルミニのチャオ>K7/DA21

沢木耕太郎も書いていることだが、ひとりで旅に出ていると問題があるのが、食事の時だという。美味しいものを食べようにも、話し相手がなく、感じのいい店に当たっても、ひとりでは躊躇することになり、結局は安くて簡易なものしか食べることができないというものである。

自分自身も初めて個人でイタリアに行くときなど、かなり心配になったものだが、少し高くてもまともなレストランに入って済ませてきた。イタリアに限らず、どこの国でもひとりだろうと、歓迎してくれるのである。

それはともかく、イタリアで安い食事となると普通のレストランでは無理がある。かといって、駅などで売っているパニーニ(サンドイッチ)ばかりではいやになってしまう。

そんなときに味方になってくれるのが、セルフサービスレストランである。

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<ペンネ・アラビアータ>GR DIGITAL

今回の旅ではテルミニ駅構内の「チャオ」に2回行った。さすがに食事時に当たる時間帯には、列ができているほどだが、中途半端な時間帯に行くと、ちょっと閑散としている。

パンは2個ぐらいのセットで1.0ユーロもしない。メインディッシュとなるパスタや肉料理は、いくつかのブースがあり、そこに見本の料理が並べられ、口頭でどれにするか選んでから、フライパンなどで調理してくれることになる。これは冷めてはいけないために、蓋なども用意されている念の入りようである。

サラダや調理の必要のない生ハムやマリネ類はそのまま並べてあるので、トレイにのせていけばよい。飲み物も各種あって、これもトレイにのせるだけ。あとはレジで精算。非常に簡単である。

ある日の実例ですが、パンを2個、ミネラルウォーター、赤ワイン250ml瓶、パスタ、サーモンサラダで16.5ユーロ。次回は、上の画像のペンネだけで、4.8ユーロ。

テルミニにはセルフサービスレストランがチャオだけでなくいくつかあるらしい。調べてはいませんが。また、テルミニ東側にも、セルフサービスレストランがあったと思います。でも、このあと、激安のリストランテを見つけてしまったんですね。それはまた後日。

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2012年4月22日 (日)

ローマと巨匠

深夜特急の足跡を追うVol.6

ローマでは特に見たいところはなかった。かといって、勝手気ままに歩けるほどローマに熟知しているわけでもなく、とりあえずバチカンに向かった。それ以降も適当に歩いたのだが、これらを重ね合わせると、沢木耕太郎がローマで歩いたところが見えてくる。…というのはこじつけですが。

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<テルミニ西側の安宿街>K7/DA21

 ローマに到着した私は、ひとまずテルミニ駅に行き、その周辺にあると聞いていた安宿を探すことにした。
(中略)

 何軒かのペンションで料金を訊ね、ローマの安宿の相場のおおよそのところを掴んだ私は、一泊二千リラ、千円くらいのところに泊まろうという腹づもりになっていた。
 歩いていくと、通りに「ペンショーネ」の看板が二つ並んでいる古い建物があった。石造りのアーチ型の門を入ると、左右に階段があり、それぞれの階上にペンションがあった。
(沢木耕太郎「深夜特急」より引用)

おそらくまったく違うと思いますが、二つ並んだ宿というだけでこのイメージを持ってきました。ちなみに、左のHotel Dinaですが、泊まったことあります。当時二つ星でしたが、今や三つ星。

また、沢木氏の時代には、ペンショーネもあったのだろうけども、今や軒並み、ホテルと称しているようです。あとはいくつかのユースホステル、B & Bと称しているところもあるようです。

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<スペイン階段>K7/DA21

 翌日、私は朝からローマの街を歩いた。
(中略)

 教会の前には下の広場に続く階段がある。踊り場から左右に別れた階段は中央でひとつになって下っている。その階段には、朝だというのに、しかも冬の朝だというのに、ヒッピー風の若者が何組も坐っていた。彼らのあいだをすり抜けるようにして降り、振り返って見上げると、その階段の様子にどことなく見覚えのあるような気がする。どうしてだろう。近くに標識を探して読むと、ピアッツァ・ディ・スパーニャとある。ここがスペイン広場ということは、なるほど、これがあのスペイン階段だったのだ。
(沢木耕太郎「深夜特急」より引用)

そう、冬のスペイン階段。しかも雨が降っている。しかも、中央の階段は修復のためか閉ざされている。「ローマの休日」での雰囲気とはまるで異なる風景。ま、自分の場合は沢木さんと逆にバチカンからメトロで戻ってきただけなのですが。

 対岸に円筒形の奇妙な建物が見える。そしてさらに向こうに大きな円屋根が見える。たぶん、サン・ピエトロ寺院だろう。どうやら私はヴァチカン市国まで歩いて来てしまったらしい。
(中略)

 広場を突っ切り、寺院の中に入ってみた。薄暗く、眼が慣れるまで少し時間がかかったが、やがて内部の様子がわかってきた。
 右手に白く光り輝くものがあり、観光客が取り囲んでいる。近づいてみると、マリアが死せるイエスを抱いている彫像だった。それがミケランジェロの「ピエタ」だということはすぐにわかった。しかし、その有名な「ピエタ」が、このように無造作に置かれているとは想像もしていなかった。まさに手を伸ばせば触れられるといった距離に置いてあるのだ。
(沢木耕太郎「深夜特急」より引用)

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<ピエタ>K7/FA50

沢木さんの時代は非常にのどかというか、このような作品が無造作に置かれていたらしいです。もちろん今ではガラスに隔たれ触ることもできません。

ただ、自分が初めて個人でイタリアを訪れたのはあの9.11の少し前で、サンピエトロ聖堂に入るのには服装チェックはあったものの、セキュリティチェックはありませんでした。その翌年来てみると、空港のゲートと同じようにX線のチェックがありましたけどね。

また、ここには、聖ペテロの像があります。この右ま足に触れると何かいいことがあるらしく、観光客が触り続けた結果、すり減ってしまったのですが。しかし、年末に訪れてみると、混雑緩和のためか、見つけられませんでした。年末年始仕様というか、ベルニーニの天蓋の下までも、いくことができないようになっていましたが。

まあ、この程度でしか、沢木氏の足跡を追うことができませんでした。「画家の未亡人」が住んでいたという、ピントュリッチョ45番地のアパートというのが、手がかりではありますが、これだけは、ガイドブックの地図からは見つけられませんでしたねえ。

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2012年4月16日 (月)

雨上がりのアッシジ

前日のアッシジは雲が低く覆い被さり、今にも雨が降ってきそうな天気だった。実際夜には降った模様である。

ほとんどのところを周り尽くしてしまい、もうアッシジには用はないのだが、最終目的地のローマに行く前にもう一度アッシジを回ってみることにした。

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<雨上がりの聖フランチェスコ聖堂>K7/DA21

9時頃のアッシジはまだ観光客がやってきていなくて、ほとんど人影がない。人物の入っていない写真が好きなように撮れる。こういうことは滅多にない。

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<ウンブリアの大地>K7/DA15

雨もすっかり上がり、陽が差してきた。昨日の重くたれ込んだ雰囲気も悪くないが、やはりお日様の元で写真は撮りたいものである。

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<やはりこうでなくちゃ>K7/DA15

雨がすっかり濁ったものを洗い流してくれたような感じである。今まで夏あるいは、季節にかかわらずよい天候の時期を選んで旅してきたが、冬の弱い日差しでも雨上がりの時にはこんな写真も撮れるんだ。新しい発見をしたような感じだった。

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<現代のフランチェスコ>K7/DA21

一通り歩き、宿に荷物を取りに行こうとし振り向くと、現代のフランチェスコがいた。やはり聖地はいるんですよね、こういう人が。

ある面日本よりも進んだ感のあるヨーロッパだが、未だに続く聖地巡礼。こういうところが、歴史のある地域なのだろう。サンティアゴ・デ・コンポステーラなどにもこんな人はいます。

アッシジの最後の最後でこういう場面を目撃することができてラッキーでした。旅はローマに続きます。

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2012年4月11日 (水)

トリュフとウンブリアのパスタ

アッシジは陽が暮れるとほとんど人影がなくなる。リストランテはあるんだろうが、ちょっと探すのに苦労しました。

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<いつもの定番>GR DIGITAL

それでも、宿の近くに店を見つけ、赤とミネラルウォーターをオーダー。ここのは、キャラフに入ったものではなく、ハーフボトル。

何を食べようか迷ったのですが、ストリンゴッツィというウンブリア州の伝統的パスタに心が動く。初めてだし。メインはメニューに英語でビーフシチューと記されているものを頼んだ。

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<ストリンゴッツィのトリュフソースがけ>GR DIGITAL

ウンブリアのパスタは濃厚なソースで味わうらしい。ウンブリア州はローマのあるラツィオ州とトスカーナ州に挟まれたところだが、地形は山がちで、イノシシが捕れて、ポルチーニも名産だという。

そしてまた、トリュフが名産なのだ。やはりここはトリュフとストリンゴッツィになびくというもの。ああ、これだったら、ワインもオルヴィエート・クラシコ(白が有名)でまとめてもよかったか。

ストリンゴッツィはやや太めの手打ち麺で、日本でいうとうどんに近い感じがした。久しぶりのトリュフで食べるとああこんなものかと思ったが、トリュフの他にクリーム状のソースがかかっていて、思ったよりも淡泊な感じである。

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<牛肉の煮込み>GR DIGITAL

ま、確かにシチューですわな。とはいえイタリアン。よく煮込んではあるものの、肉の形は崩さず、スープ状の液体はさほど多くない。

おそらく、この肉はステーキにするような部位ではなく、すね肉とかリブの間の堅い部分ではなかろうか。こうしてあるので、肉自体は柔らかかったです。文句なしに美味しかったです。

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<チョコレートケーキ>GR DIIGITAL

締めは、これですが、ラム酒の味がしました。ちょっと値段が高く、コーヒーを飛ばしてお勘定してもらいましたが、アッシジの町は夜が早いのか、庶民的なバールがまったく見あたらず、しょうがないのでぐるっと散歩し、ライトアップされた聖フランチェスコ聖堂をもう一度眺めて戻りました。

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<夜の聖フランチェスコ聖堂>K7/DA21

しかし、観光地でありながら、夜はほとんど人影のないところってどうなのよ。さすがは聖地です。

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2012年4月 8日 (日)

丘の上の聖地

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<サン・フランチェスコ聖堂>K7/DA21

フィレンツエからfsの普通列車に乗り、途中乗り換え1回。アッシジ駅からは市バスで丘の上にあるアッシジへとやってきました。乗り換えがやや面倒なのですが、途中のテロントラーナでは、同じ列車だったし、アッシジの駅では修道女がバスに導いてくれたし、まあ楽な道程でした。

アッシジは丘の上にあり、かなりきつい坂道もあるのですが、バス停から宿まではまあ近く、助かりました。その宿はこのサン・フランチェスコ聖堂に最も近いところ。WiFiはなかったものの、それくらい我慢しましょう。

サン・フランチェスコ聖堂前のジオラマですが、おそらく聖フランチェスコが説教をするため放浪生活をしていた頃の姿をあらわしたものだと思います。一応、これはクリスマス飾りらしく、以前訪れた夏にはこれはなかった。イタリア中のドゥオモや教会には、この時期、このような飾りがしつらえてありました。

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<聖フランチェスコのイラスト>K7/DA21

アッシジに生まれたフランチェスコは、ローマから承認を受けてカトリックの改革に取り組み、最終的にはカトリックの聖人にまでになった人。ここ、アッシジにフランチェスコ会を創立し、ドゥオモをしのぐ聖堂を作ってもらった。建物は世界遺産です。

聖フランチェスコ聖堂は上下二段の構造で、上の建物にはジョットによる28枚の「聖フランチェスコの生涯」のフレスコ画があり、これは素晴らしいものです。残念なことに、聖堂内は撮影禁止なので、写真はありません。

ともかく、フランチェスコは清貧を絵に描いたような生活をしていたようです。

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<土産物屋のイラスト>K7/DA21

これもまたフランチェスコ。World Peaceって、イタリア人の作じゃないのかも。

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<ヨハネ・パウロ2世>K7/DA21

アッシジのドゥオモである、サン・ルフィーノ大聖堂にはなぜか、前のローマ教皇、ヨハネ・パウロ2世の肖像画がある一室があった。今の教皇ベネディクト16世のものはない。やはり、在位期間が長かったから、人気あるんでしょうね。

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<サンタ・キアーラとフランチェスコ>K7/DA21

アッシジのフランチェスコ会には女子修道会があり、ここの創設者がサンタ・キアーラ(クララ)。この人も聖人に列せられていて、サンタ・キアーラ教会というものもあります。キアーラはやはりアッシジの生まれで、フランチェスコの説法に影響されて、フランチェスコ会に入った人物。

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<修道女たち>K7/DA15

アッシジに到着した列車には途中から制服に身を包んだ修道女がかなり乗り込んできます。彼女たちに尋ね、宿のあるところではどこで降りたらいいのか聞きました。バスが到着した広場で肩をたたかれ、「ここ」という風に教えてもらいました。

ともかく、アッシジには宗教関係者がかなりいます。イタリア人ばかりではなく中には、肌の黒い人もいたりしますね。

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<聖職者たち>K7/DA21

彼らも、フランチェスコ会の関係者だろうか。こんな人たちに出会えるのは、イタリアではバチカンくらいだろうか。あとは、パドヴァの聖アントニオ聖堂付近も、熱心な信者と聖職者が目立ちますね。

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<夕刻の聖フランチェスコ聖堂>K7/DA15

1泊だけでしたが、行ってよかったと思いました。

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2012年4月 3日 (火)

クロスティーニって何?

いやあ、すごい雨でした。這々の体で帰りましたけど、被害は最小ですみました。

さて、フィレンツェの記事もこれで最後。あまりまとまりはないのですが、フィレンツェで食べたものについて紹介しきれなかったものを一挙に出します。

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<珍しくヴィーノ・ビアンコ>GR DIGITAL

相変わらず、フィレンツェでの夕食は宿に近い中央市場付近のリストランテで済ませていた。ここはいつもと趣向を変えてTrattoria Za-Za。ガリバルディのほとんど隣だが、メニューを見ていると店の若い女性従業員から声をかけられたのである。

なんだかとてもカジュアルなな店で、テーブルクロスの代わりの紙のシートには日本語で「Za-ZaのCDを買ってください」などと印刷されている。客層もかなり若い。んなところに、ワタクシが紛れ込むのもなんだが、まあ日本人は若く見られるらしいから、あちらとしては違和感はないかもしれない。

この日頼んだのは、白ワイン500ml、生ハムとクロスティーニ、スパゲッティ・アラ・ボンゴレ、エスプレッソという組み合わせ。このクロスティーニとはなんだということで、頼んでみたのですが。

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<生ハムとクロスティーニ>GR DIGITAL

右上のパンのようなものがクロスティーニ。左上の小皿に入ったのは、何かのペーストTc0811

<切ってみました>GR DIGITAL

やはりパンですよねえ。よくわからないものの、ちょっと魚の味がしたような気がします。でも、気のせいかも。

ちょっと調べてみたのですが、クロスティーニとはほぼ、ブルスケッタと同じ意味らしいです。ブルスケッタは古くなったパンを焼いて(焼かないものもあり)、オリーブ油またはニンニクのすり身を付けた上に具をのせたものです。クロスティーニにはニンニクが付かないらしいです。

でも、よくわからないのは、まるで調理しないまま出てきたパン。ペーストも付いているから自分で作れということなのか。

まあ、白ワインは上質で料理も美味しかったので、なんの不満もないのですが。ただ、コペルト(席料)が5.0ユーロというのはちょっと高いんじゃないかと思います。ひとつひとつの料金は安く、ワインもかなり安いのですが、総額で30.5ユーロかかりました。

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<トスカーナ風スープ>GR DIGITAL

こちらは、ヴィンチで頼んだ、Zuppa alla Toscano。なんか見た目はぱっとしなくて、こりゃ失敗したかなと思いましたが、スプーンを運ぶうちにじわじわと美味しく感じてしまったという一品。具は、縮れたキャベツ(一見菜っ葉にしか見えない)、にんじん、ズッキーニ、白インゲンなど。具だくさんの野菜です。

白インゲンって、トスカーナではよく食べられるものらしく、シンプルに茹でたものにオリーブ油と塩だけをかけたものが、アンティパストのひとつであるらしいです。

トスカーナはルネッサンスが花咲いたところであるにもかかわらず、シンプルな料理が多いです。パンと野菜を煮込んだパンのスープ、野菜とほぐしたパンをパルサミコ酢で和えたパンのサラダなど、まあ素材がよいのでしょう。

さて、久しぶりに「続きを見る」を使ってみましょうか。文章だけですが(ヤムの会会員必読ですぞ)。

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