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2012年4月22日 (日)

ローマと巨匠

深夜特急の足跡を追うVol.6

ローマでは特に見たいところはなかった。かといって、勝手気ままに歩けるほどローマに熟知しているわけでもなく、とりあえずバチカンに向かった。それ以降も適当に歩いたのだが、これらを重ね合わせると、沢木耕太郎がローマで歩いたところが見えてくる。…というのはこじつけですが。

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<テルミニ西側の安宿街>K7/DA21

 ローマに到着した私は、ひとまずテルミニ駅に行き、その周辺にあると聞いていた安宿を探すことにした。
(中略)

 何軒かのペンションで料金を訊ね、ローマの安宿の相場のおおよそのところを掴んだ私は、一泊二千リラ、千円くらいのところに泊まろうという腹づもりになっていた。
 歩いていくと、通りに「ペンショーネ」の看板が二つ並んでいる古い建物があった。石造りのアーチ型の門を入ると、左右に階段があり、それぞれの階上にペンションがあった。
(沢木耕太郎「深夜特急」より引用)

おそらくまったく違うと思いますが、二つ並んだ宿というだけでこのイメージを持ってきました。ちなみに、左のHotel Dinaですが、泊まったことあります。当時二つ星でしたが、今や三つ星。

また、沢木氏の時代には、ペンショーネもあったのだろうけども、今や軒並み、ホテルと称しているようです。あとはいくつかのユースホステル、B & Bと称しているところもあるようです。

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<スペイン階段>K7/DA21

 翌日、私は朝からローマの街を歩いた。
(中略)

 教会の前には下の広場に続く階段がある。踊り場から左右に別れた階段は中央でひとつになって下っている。その階段には、朝だというのに、しかも冬の朝だというのに、ヒッピー風の若者が何組も坐っていた。彼らのあいだをすり抜けるようにして降り、振り返って見上げると、その階段の様子にどことなく見覚えのあるような気がする。どうしてだろう。近くに標識を探して読むと、ピアッツァ・ディ・スパーニャとある。ここがスペイン広場ということは、なるほど、これがあのスペイン階段だったのだ。
(沢木耕太郎「深夜特急」より引用)

そう、冬のスペイン階段。しかも雨が降っている。しかも、中央の階段は修復のためか閉ざされている。「ローマの休日」での雰囲気とはまるで異なる風景。ま、自分の場合は沢木さんと逆にバチカンからメトロで戻ってきただけなのですが。

 対岸に円筒形の奇妙な建物が見える。そしてさらに向こうに大きな円屋根が見える。たぶん、サン・ピエトロ寺院だろう。どうやら私はヴァチカン市国まで歩いて来てしまったらしい。
(中略)

 広場を突っ切り、寺院の中に入ってみた。薄暗く、眼が慣れるまで少し時間がかかったが、やがて内部の様子がわかってきた。
 右手に白く光り輝くものがあり、観光客が取り囲んでいる。近づいてみると、マリアが死せるイエスを抱いている彫像だった。それがミケランジェロの「ピエタ」だということはすぐにわかった。しかし、その有名な「ピエタ」が、このように無造作に置かれているとは想像もしていなかった。まさに手を伸ばせば触れられるといった距離に置いてあるのだ。
(沢木耕太郎「深夜特急」より引用)

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<ピエタ>K7/FA50

沢木さんの時代は非常にのどかというか、このような作品が無造作に置かれていたらしいです。もちろん今ではガラスに隔たれ触ることもできません。

ただ、自分が初めて個人でイタリアを訪れたのはあの9.11の少し前で、サンピエトロ聖堂に入るのには服装チェックはあったものの、セキュリティチェックはありませんでした。その翌年来てみると、空港のゲートと同じようにX線のチェックがありましたけどね。

また、ここには、聖ペテロの像があります。この右ま足に触れると何かいいことがあるらしく、観光客が触り続けた結果、すり減ってしまったのですが。しかし、年末に訪れてみると、混雑緩和のためか、見つけられませんでした。年末年始仕様というか、ベルニーニの天蓋の下までも、いくことができないようになっていましたが。

まあ、この程度でしか、沢木氏の足跡を追うことができませんでした。「画家の未亡人」が住んでいたという、ピントュリッチョ45番地のアパートというのが、手がかりではありますが、これだけは、ガイドブックの地図からは見つけられませんでしたねえ。

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コメント

バチカンの身体チェックは最近厳しくなりました。沢木さんが旅行した時代と比べると、世界情勢がだいぶ違いますからね。

でもそれ以外のローマの教会は、あっと驚く名画や彫刻が手の届く場所に無造作にかけられていて、ビックリしたり感動したりします。
あまりにも数が多いので、管理しきれないのかもしれませんし、また教会という立場上しないのかもしれません。

投稿: ろうま | 2012年4月22日 (日) 09時33分

ろうまさん、こんにちは。
バチカンでは2005年のことですが、超高感度フィルムを持って行ったため、サンピエトロ聖堂の入り口でフィルムを出して、だめにならないようにしたことがあります。
今となっては、デジカメばかりなので、昔話みたいですけど。

ローマの教会は、フィレンツェほどはよく訪れていませんが、サン・ジョバンニ・イン・ラテラーノ聖堂とか、サン・パオロ・フォーリ・レ・ムーラ大聖堂などを訪れました。
こちらは、サンピエトロ聖堂ほど厳重じゃありませんでしたが、素晴らしいものがあったと記憶しています。

投稿: ヒョウちゃん | 2012年4月23日 (月) 00時23分

ピエタきれいです!
素晴らしくきれいに映ってます!
ガラスの反射で光ってしまい無残にも
おっかさんの足だけが~><
最近ですがバチカンのオフィシャル新聞が
カラバッジオは病死ではなく殺害されていた
と報じたそうですね

ビーズの番組はBS3番で
世界の雑貨だったか旅と雑貨・・そんな番組でした
来週はベトナムのアオザイを「おひさま」に出ていた(主人公のお嬢様親友)女優さんが
アオザイを訪ねてましたよ
もう何にも覚えられなくてごめんなさい

投稿: trintrin | 2012年4月23日 (月) 10時31分

trintrinさん、こんにちは。
あのピエタは、少し離れた場所から撮りました。
何たって、すごい人だかりでしたから。
バチカンですが、普段は一般市民は入れないのですが、あるツアーに参加すると、庭園などを見学できるようです。ちょっと高いですが。

カラバッジオですが、かなりの素行不良だったようですね。
まあ、絵の才能は神をも凌ぐものですが、天才の誰もがダ・ヴィンチみたいにはいかず、そんなもんなんでしょうねえ。

テレビですが、うちはBS契約してなくて、地上波だけ。まあ、テレビは興味がわくもののみ録画して見るくらいですので、あきらめています。
でも、見逃したやつは多いだろうなあ。
大沢たかおの南極の番組、見たかったですが。

投稿: ヒョウちゃん | 2012年4月23日 (月) 23時34分

ヨーロッパの美術館や博物館では超有名な作品が結構無造作に展示してあることに驚くことがありますね。
もし日本にやってきたら警備員が付くようなものでもすぐ手で触れる所にあったり。
そういうのを見ると、何か豊かさが違うなあ(精神的、物質的に)と思うことがあります。

投稿: スクムビット | 2012年4月25日 (水) 00時55分

スクムビットさん、こんにちは。
イタリアでは、そんなものがごろごろとあるんですよね。
イタリアでなくても、ヨーロッパ中がほとんどそうですし、中南米でも数は少なくなりますが、そうしたものがありますね。
ないのはアジアくらいですが、ポルトガルやイエズス会が関わったところなどは、やはりありますね。

海外に出た日本人がにわかに、美術館通いをするようになるのも、そうした作品に日常レベルで触れていない反動なのかもしれません。
ま、ワタクシの場合は、時間を浪費するのがいやなので、美術館通いをせずに、教会内の絵画などで済ませています。
いちお、この旅でも美術館にひとつだけ入ったのですが、記事では紹介していませんが。

投稿: ヒョウちゃん | 2012年4月25日 (水) 22時27分

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