GRAPEVINEというグループ名の由来ですが、アメリカのヒット曲「I Heard It Throug The Grapevine」(邦題「悲しい噂」)からとられております。同シングルはGradis Knight & The Pips版がビルボード2位、Marvin Gay版が1位になっております。単語名自体は「ブドウのつる」という意味です。
しかし、J.D.サウザーは結構腰の重い人というか裏方に徹するようなタイプらしく、自分の名前を関したソロデビューアルバムをリリースした後は、Chris Hilman(クリス・ヒルマン、ex The Byirds)、Richie Furay(リッチー・フューレイ、ex Buffalo Springfield)とバンドを組み2枚アルバムをリリースした後は、またもや裏方に戻ってしまいます。
ですが、彼はやはりイーグルスとの縁が深く、イーグルスには楽曲提供をしたり、バックコーラスを務めました。そんな中で、共作ではあるものの、3曲のナンバーワンヒットを提供しました。すなわち、「Best Of My Love」(邦題「我が愛の至上」1974年)、「New Kid In Town」(1976年)、「Heartache Tonight」(1979年)です。
JD自身が歌う「New Kid In Town」。実は「隠れたイーグルス」などともいわれていました。グレン・フライの没後、まだJDが元気なうちにイーグルスに加わっていたならば…なんて想像もしてしまいます。
題名が『Starting Over』、1974年9月のリリースで前作『Side 3』から1年置いての作品となりました。Billboard Hot 200(アルバムチャート)では、143位。
2枚のシングルが含まれていて、「Overntight Sensetion(Hit Record) c/w Hands On You」がBillboard Hot 100(シングルチャート)で18位。これは、「I Wanna Be With You」以来となるTop 20入りしたスマッシュヒットになりました。次作の「Cruising Music c/w Party's Over」は残念ながらチャートインしませんでした。
あれ?でも、なんか違う。あ、メンバー変わってんじゃん!みたいな違和感もあったのかどうか。今回アップはしませんが、YouTube上にはこの最終メンバーで「Go All The Way」を演奏する映像が上がっていまして、エリックはギターを持たず、マイクをスタンドごと振り回すようにヴォーカルに専念するものでした。しかも、エリックの衣装はざっくりと胸のあたりを見せるようなジャンプスーツ風なもので、これに酷似するのは…フレディ・マーキュリーです。
リリースしたシングルは、「Tonight c/w Hard To Get Over A Heartbreak」がビルボードHot100(シングルチャート)で69位。「I'm A Rocker c/w Money Down」が94位。「Ecstasy c/w Don't Want To Say Goodbye」はチャートインしませんでした(Cash Boxでは116位)。
3枚のシングルをリリースしてますが、「Ecstasy」のB面にデビューシングルの「Don't Want To Say Goodbye」を持ってくるなど、ちょっとした迷いも感じられます。
そして、このアルバムは前の2枚と違って、とっつきにくいものだったのかもしれません。と、いうのは、「Tonight」や「Ecstasy」は「Go All The Way」~「I Wanna Be With You」の路線を踏襲してはいるものの、他の曲が明らかによりハードな曲調になっているのです。シングルとなった2曲も演奏がハード路線で、これまでの「ソフトロック」から本格的なロックへと転換したアルバムであるといえましょう。
この曲のカップリングがまた「Don't Want To Say Goodbye」になったのは、「Tonight」のB面が「Hard To Get Over A Heartbreak」がデイヴの曲であること。セカンドシングルの「I'm A Rocker」のB面、「Money Down」がウォリーの曲ということで、できるだけ均等に扱おうということではないかと推測します。
アルバムからは3枚のシングルがリリースされ、「I Wanna Be With You」(c/w「Goin' Nowhere Tonigt」)がビルボードHot100(シングルチャート)で16位。「Drivin' Around」(c/w「Might As Well」)はチャートインせず。「Let's Pretend」(c/w「Every Way I Can」)がシングルチャートで35位にチャートインしております。
個人的には「I Wanna Be With You c/w Goin' Nowhere Tonight」のシングルを少ないお小遣いで買ったので、特にこちらには思い入れがありますね。まあ、当時は再生装置(簡易型ステレオのレコードプレイヤー)がひどかったのと、耳がまったく肥えてなかったので、エリックとデイヴの声の違いがわからなかったのですけどね。
アルバム全体としては「I Wanna Be With You」は別格として、おとなしめの曲が多いです。当時少なくとも日本では「Power Pop」という言葉はなく、ラズベリーズは「ソフトロック」なんて分類のされ方をしていましたね。まさに、ソフトロックのアルバムです。とはいえ、息の合ったコーラスは健在。
シングルになっていない、「If You Change Your Mind」リマスター版でした。作者はエリックで、もちろんリードヴォーカルもエリックです。
こちら、エリックのソングライターとしての才能を知らしめる1曲なのではと思います。
歌詞の「♪ If you change your mind」から始まるサビのリフレイン、微妙に音を半音上げたり下げたりしておりますが、これがなんとも日本人(少なくともワタクシには)に響くメロディラインだと思います。なんつーか、心の琴線に触れるというか。いやあ、ホント、シングルにならなかったのが惜しいです。
「Drivin' Around」にはひとり低音のコーラスが入ります。実はこれより先にエリックのソロデビューアルバム『Eric Carmen』の中ジャケットの裏(輸入盤で未リマスター)に"This album is dedicated to Ricky and the Tooth"とあり、幼少期と思われるリッキーさんと通称「出っ歯」のモノクロ写真があるんです。
そして、この「Drivin' Around」のクレジットに小さく"That's teeth on bass vocal"とあるのを後日気が付きました。
2曲のシングルがこのアルバムからカットされました。すなわち、デビューシングル「Don't Want To Say Goodbye」(Eric Carmen/Wally Bryson)がビルボードHot100(以下シングルチャート)で86位。セカンドシングル「Go All The Way」(Carmen/Bryson)がシングルチャート5位。なお、Cash Boxでのシングルチャートは4位、Record Worldのシングルチャートは3位です。1972年の年間チャートが33位ということですので、相当なヒット曲であると思います。
最初の成功は1961年にThe Shirelles(シュレルズ)に提供した「Will You Love Me Tomorrow」とBobby Vee(ボビー・ヴィー)に提供した「Take Good Care Of My Baby」で、どちらもビルボードHot100(シングルチャート)の1位に輝いています。ちなみに、「Will You Love Me Tomorrow」はキング自身がセカンドアルバム『Tapestry』(邦題『つづれおり』)でセルフカバーしています。
しかし、ゴーフィン&キングの名前を世界的に知らしめたのは、この曲でしょう。
そう、Little Eva(リトル・エヴァ)に提供した「The Loco Motion」(1962年)ですね。この曲も当然、1位となり、そればかりか世界的にカバーされました。
先行シングル「It's Too Late」(作詞:Toni Stern)も5週、シングルチャート1位、カップリング曲の「I Feel The Earth Move」も両A面だったことから2曲がシングル1位として認定されています。
そして、James Taylor(ジェームス・テイラー)に提供した「You've Got A Friend」(邦題「きみの友達」)も『Tapestry』には収録され、テイラーのヴァージョンも1位を獲得しました。
翌年のグラミー賞では『Tapesty』が最優秀アルバム、「It's Too Late」が最優秀レコード(Record of the year、対象はアーティスト及びレコーディングにかかわった人物)、「You've Got A Friend」が最優秀楽曲(Song of the year、対象はソングライター)、キャロル・キングが最優秀女性ポップヴォーカルという4部門を受賞しました。
1978年のライヴアルバム『Weekend In L.A.』からのシングルカットで、ビルボード7位。リズム&ブルースのチャートでは2位を記録しました。ライヴのテイクがヒットしたというのはPeter Frampton(ピーター・フランプトン)の「Show Me The Way」(1976年、6位)以来でしょうかね。
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