« 旅先購入の日本語本 | トップページ | メキシコ:野性の呼び声・ラ・ベンタ遺跡公園 »

2006年11月24日 (金)

かすてら音楽夜話Vol3:香港でたまたま耳にした王菲

たまに語る音楽話。これを「かすてら音楽夜話」と題して不定期で取り上げていきたいと思います。以前取り上げた、「日本シリーズと浜田省吾」と「2007年は達郎&まりや…かなあ」も、このカテゴリーに入れちゃいました。ということで、3回目。「音楽情報CASTELLA MOON」から来ている数少ない読者の皆さんも、是非とも参加してもらいたいです。

自分の出自を明らかにしておくと、その昔のパソコン通信時代、音楽フォーラムFBEATというものがあり、ここで主に日本のロック/ポップスについてやたらと書き込んでいました。ハンドルネームはヒョウタンツギ。(おわかりですね。現在ここで名乗っているヒョウちゃんというのは、パソコン通信の別フォーラムFWORLDでのハンドルネームです。まあ、どちらで呼ばれても全然構いませんけど。)それが高じて、あるミュージシャンのデビュー20周年特設会議室まで作ってもらって、そこのお世話係(板頭)まで仰せつかっていました。

FBEATが消えてしまって、書きたい欲求は渦巻いているというのに、その場所がなかった。なので、ここで語ってしまおうというのがコンセプトです。レスポンス大歓迎。マナーさえ守って頂ければ、一見さんでも構いません。

さて、そんなわたしですから、当然レコードコレクター。とはいえ、住んでいるのが東京都とは名ばかりの地方都市なので、自分の生活圏では欲しいCDなんかもない場合が多い。たまに行く都心のメガストアでは、当然買い漁っていたり。これは、旅行に行ってもついそうなります。アメリカには滞在したことはないけれど、あちらにはまだ出会っていない稀少盤があるんだろうなあ。

で、話は1994年の香港へ。これは、シーサンパンナと大理のツアーからの帰りで、香港に泊まる。帰りの便まで時間があり、たまたまホテル近くのCDショップを覗く。それまで中国人のミュージシャンにはまったく興味がなく、せいぜい日本の曲を広東語で歌う違和感を興味深く思っていた程度。

と、そのショップのバックに流れるなかなか小気味いい曲が耳につく。店員に、そのCDを出してもらう。ジャケットは漢字のタイポグラフィのみで、写真ひとつない。だが、これを購入する。

Muyu

『胡思亂想』王菲

CDウォークマンなどは持ち歩いていないし、これは自宅に帰ってから聴くこととなる。ショップで流れていたのは、「夢中人」という曲で、クランベリーズの「Dreams」という曲のカバーであることがわかった。それにしても、このシンガー王菲とは誰?CDを開けてみても、一切の写真なし。それから、調べてみると、この王菲とは北京出身で香港に移住したシンガーということがなんとかわかってきた。デビューは1989年で当初は王靖[雨/文](シャーリー・ウォン)という名前だったのだが、本名に近いFaye Wongと改名し、さらに中文名も本名の王菲(ウォン・フェイだが、一般的にフェイ・ウォンと呼ぶ)にあらためる。

そして、この1994年には映画「重慶森林(邦題:恋する惑星)」に出演していて、この「夢中人」が劇中曲として使われていることがわかったのであった。

さて、このアルバム、『胡思亂想』は、広東語のネイティブスピーカーではない王菲が広東語で歌うものだが、実によどみなく、曲も天界から降りてくるような感じ。あのやかましい広東語がこのようになってしまうマジックは、一聴の価値があると思う。

王菲はチェンマイで亡くなってしまったテレサ・テンのトリビュート・アルバムや香港在住ながら、北京語で歌う『天空』というアルバムもあるが、この『胡思亂想』がベストであるとわたしは思っている。最近の王菲は表だった活動をしていないようだが、90年代中頃から今世紀に入った頃の活動は飛ぶ鳥を落とす勢いがあった。いつカムバックしてくれるかなあ。

| |

« 旅先購入の日本語本 | トップページ | メキシコ:野性の呼び声・ラ・ベンタ遺跡公園 »

01a Hong Kong」カテゴリの記事

Music Talk」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: かすてら音楽夜話Vol3:香港でたまたま耳にした王菲:

« 旅先購入の日本語本 | トップページ | メキシコ:野性の呼び声・ラ・ベンタ遺跡公園 »