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2006年11月30日 (木)

メキシコ:死を賭けたゲーム

メキシコ最後の訪問地は、チチェン・イッザであった。もちろん世界遺産で、内部は新旧のエリアに別れる。チチェン・イッザは7世紀頃最盛期を迎え、いったん衰退する。しかし、10世紀に中央高原の覇権を握ったトルテカ人と手を組み、マヤ・トルテカ文明をおこし復活する。なかなかしぶといのである。

入場してしばらくは森の中を進むが、開けてきて最初に目に飛び込んでくるのは、エル・カスティージョと呼ばれる大ピラミッドである。意味は城とか城壁であるが、その通りかなりの迫力である。

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<エル・カスティージョ>by MZ-3/FA28-105mm F3.2-4.5(SRM)

画像で見るとあまり大したことないがこの石段を見上げるとなかなかの角度である。高さ、25メートルなので、小さなビルくらいはあるか。ちなみに、アンコールワットの中央祠堂に登ったことがある人ならば、大丈夫。こちらの方が条件的に楽である。

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<見下ろすと>by MZ-3/FA28-105mm F3.2-4.5(SRM)

このピラミッドは4面どこからでも登ることができる。さすがに眺望はいいです。

エル・カスティージョは新チチェン・イッザに属し、その一番奥にはセノーテという泉がある。ここは、生け贄が捧げられたといわれるが、後に水中を調べたところ、数体の人骨が見つかった。また、この窪みは人工的に作ったものではなく、氷河期のきっかけとなった地球にぶつかった隕石の跡らしい。これは世界最大といわれるが、カリブ海あたりに衝突したものの縁に当たるらしい。

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<セノーテ>by MZ-3/FA28-105mm F3.2-4.5(SRM)

このエリアを再びエル・カスティージョ方面に戻っていくと現れるのが、球戯場。球戯は楽しむものではなく、宗教儀式であった。2つのチームでゴムのボールを、壁に設けられた輪にくぐらせることを目的としたもの。ボールは、足やサポーターをつけた上腕で、打ったという。

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<球戯場>by MZ-3/FA28-105mm F3.2-4.5(SRM)

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<ゴールである輪>by MZ-3/FA28-105mm F3.2-4.5(SRM)

高さはおよそ3~4メートル。いったいどうやって入れていったのか。さて、この球戯で勝ったチームのキャプテンは、豊穣の神に捧げられる。つまり生け贄となるのであったという。やりたくないなあ、こんなゲーム。マヤ人は喜んで生け贄になったようだが、この説が本当だとすると、ゲームがだれてこないだろうか。敗者チームが生け贄になるのであれば、白熱した試合となりそうだけど。

さて、画像でもわかるように、次第に天気が悪くなってきた。カンクンの日本料理店のオーナーに、この時期のチチェン・イッザは必ずスコールがあるといわれた。そのスコールも半端じゃないとのこと。その通りで間もなく激しい雨となり、入口に避難。

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<チケット>

ウシュマルもそうだが、チチェン・イッザのチケットは腕に巻く。これがあれば、出入り自由。そうでなくては、遺跡内でずぶ濡れになってしまうので。

さて、メキシコ情報は一応これで終わりです。またネタがあったらたまに出すかも。そろそろ、ミャンマーの準備にもなってきたし。とはいえ、たまに別の地域の小ネタも出すこともあります。その時はよろしくです。

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コメント

降りるときアンコールワットより怖かったなぁ。歩きやすいけど、高いからかな。
スコール遭いましたよ。朝早くに到着するのがおすすめですね。
球技は、負けたほうが生贄説に一票。

投稿: とんび | 2006年12月 1日 (金) 06時46分

とんびさん、こんにちは。
見た目は凄いですけど、石段は欠損部分がないし、注意していけば大丈夫でした。手を使わなくても、立ったままで上り下りとも問題なしです。もちろん、アンコールワットでの経験が役立ちました。
ま、石段じたいは、アンコールワットよりも長いですよね。
マヤの遺跡を訪れると、いかにたくさんの血が流されたかがよくわかりますね。あの時代と地域に生まれなかったのが何よりです。

投稿: ヒョウちゃん | 2006年12月 1日 (金) 20時41分

ピラミッドの階段凄いですね〜。アンコールワットも高所恐怖症の自分には命がけでした。ミャンマーのバガン遺跡も急な階段だらけです。。。

投稿: ヤブ | 2006年12月 7日 (木) 23時17分

ヤブさんどうもです。
自分が訪れたメキシコの古代遺跡で登れるものの中では、このエル・カスティージョが一番急勾配だったと思います。
バガンの遺跡もそうなんですか。
気を引き締めていきますね。

投稿: ヒョウちゃん | 2006年12月 7日 (木) 23時33分

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