褐色の聖母グアダルーペ
メキシコ市内は世界遺産に指定されている。しかし、市内全域が指定されているわけではなく、このグアダルーペ寺院のある地区も指定されていない。
行き方は、地下鉄を利用する。メキシコ市の地下鉄は1968年のメキシコオリンピックを契機に計画されたもので、路線は12あり、改札を出ない限り2ペソで利用できる均一運賃である。
ただし、地下鉄ではスリなどの犯罪が起こるといわれている。それも、数名でターゲットを取り囲み、強引な手段で強奪していく手口らしい。かなりの注意が必要である。自分の場合は、怪しいやつがいないか絶えず注意を払い、空いている車両に扉が閉まる直前に乗り込むようにした。地下鉄の構内には、かなりの数の警官が配置されている。警官が見える範囲であれば、安全なのかも知れない。
<メキシコのメトロ>by GR1s
話を本題に戻す。グアダルーペ寺院は、6号線のLa Villa Basilica下車。地下鉄を出ると宗教グッズの露店などもある、門前町の雰囲気。グアダルーペとは、メキシコにおけるカトリック教会の聖母なのである。
グアダルーペにまつわる奇跡とは、1531年12月9日この寺院のあるテペヤックの丘を通りかかった先住民フアン・ディエゴの前に、褐色の肌を持つ聖母が出現し、この地に教会堂を建てるように告げる。フアンはスペイン人司祭の元に伝えるが信じてもらえず、再びこの丘を通りかかったところ、再び聖母が出現し、バラの花を与える。フアンは花をマントで包み司祭の元を再び訪れ、マントを広げたところ、マントの上に褐色の聖母の絵が浮かび上がり、この教会が建てられたということである。
ちなみに、その伝説のマントは新教会堂に掲げられているが、これを科学的に分析したところ、聖母の目にフアン・ディエゴや司祭の驚く様子が焼き付いているという。また、布が1531年のものだとして、当時の保存状況から考えると、竜舌蘭の繊維で作られた布が未だに酸化しないことは奇跡的らしい。しかも、この絵を描いた染料は動物性でも植物性でも鉱物性でもなく、地球上に存在しない成分だとも。ホンマカイナ。
<奇跡のマント>by MZ-3/FA28-105mm F3.2-4.5(SRM)
そのマントは新教会堂の奥に掲げられていて、人々は動く歩道に乗って見ることになる。
<動く歩道>by MZ-3/FA28-105mm F3.2-4.5(SRM)
動く歩道は3基あり、流れる方向が交互になっている。
また、グアダルーペ寺院を訪れる人の中には、膝行参拝をする人がいる。これは、膝立ちのまま進むもので、特別な願をかけるものが行うらしい。チベット仏教の五体投地にも似てますね。
<膝行参拝>by MZ-3/FA28-105mm F3.2-4.5(SRM)
グアダルーペ寺院は、ローマ法王も訪れてミサを行ったところでもある。なんでも、グアダルーペの奇跡はキリスト教三大奇跡のひとつらしいですよ。正面にあるのが、旧聖堂で地盤沈下のために傾いていますが、中には入れます。旧聖堂のそばにあるちょっとモダンな円形の建物が、新聖堂。また、テペヤックの丘には古い礼拝堂もあります。広場にはからくり時計もあります。
異教徒のわたしでも何となく楽しめてしまうグアダルーペ寺院。メキシコ市に行ったら、訪れる価値はあるでしょう。
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