« 続・大道芸人 | トップページ | モナコ »

2006年12月21日 (木)

厳窟王の島

フランス、マルセイユ沖に浮かぶ島、イフ島。ここは、フランスの文豪、アレクサンドル・デュマ・ペールの「モンテ・クリスト伯」の舞台となったところである。

マルセイユの旧港から船でおよそ30分。島からはマルセイユ市街が手に取るようにわかる。けっこう近いものの、波は荒く、この航路はしばしばストップしてしまうことがあるらしい。

If1077

<イフ城>by MZ-3/FA35mm F2.0(Fujicolor Super400)

上陸して目につくのはこのイフ城。かつては政治犯などを収容した監獄であったらしい。もちろん、「モンテ・クリスト伯」の主人公、エドモン・ダンテスも無実の罪のため、ここに収容された設定である。

エドモン・ダンテスは死体と入れ替わって脱獄を果たし、巨万の富を手に入れて自分を罪に陥れた連中を次々と復讐していくという話。イフ島の周囲は潮流が渦巻き、都市に近いところとはいえ、とてつもない海の色を見せてくれる。早い話が奇麗なのである。

If1095

<青い海>by MZ-3/Sigma20mm F1.8(Fujicolor Super400)

これはもともと地中海の色合いということもあるが、風や潮流が強く、汚染物質がたまらないという性質もあるのだろう。にしても、フランスやイタリアが日本ほど環境汚染されていないとしても、都市の近くにこれほどの海があるということが信じられない。まったく、不公平なことをしてくれるよな。

イフ島はとても小さな島でイフ城を除くと他にはなんにもない。土産物屋とカフェはある。あとは、島のまわりを歩くことくらい。ここには、固有の種であるシチリアトカゲとカモメがいるらしいが、頻繁に出くわすわけではない。

やはり海に尽きるか。

If1098

<イフ島の岩礁>by MZ-3/FA35mm F2.0(Fujicolor Super400)

| |

« 続・大道芸人 | トップページ | モナコ »

04b France」カテゴリの記事

コメント

 モンテ・クリスト伯、夢中になって読みました。おもしろかったなー。特に復讐の場面が痛快だった。
 その舞台になった城があるんですねー。知らなかった。イフ城ですか。石造りで重厚そうですね。
 海の色もきれいだけど、ダンテスの脱出を考えると海水浴のイメージとは違いますね。岩礁も荒々しいなー。

投稿: マサエ。 | 2006年12月22日 (金) 10時17分

マサエ。さん。毎度です。
フランスには流刑という制度が昔ありましたね。
ナポレオンも最初はエルバ島に流されて脱出しました。でも、エルバ島は無茶苦茶陸に近くて、イタリアまではすぐです。
ま、イフ島は陸に近いですが、かなり頑強そうな城です。わたしゃ、入場料がもったいなかったので、見学は割愛しました。
けっこう陸に近いけれど、面積の狭い島に監獄を作るというのは、ギリシアなどにもあります。ナフプリオン沖のブルジイ島なんかもそうだったと思います。
地中海というと、穏やかな海みたいな感じですが、やはり世界の大洋のひとつですね。けっこう荒れるようです。

投稿: ヒョウちゃん | 2006年12月22日 (金) 22時34分

ども、おひさです。
海系が好きなので、この光景はたまりません。明るい日差しの中に監獄・・・。

監獄というと網走監獄しか行ったことがありませんが、せっかくなので中に入ってどんなかレポして欲しかったです(笑)
網走は、「うむむ」と思うような施設(罰のためのところ)とかありました。冬に行ったこともあってなかなか凍てついた感じでした。

投稿: やまきち | 2006年12月22日 (金) 23時20分

やまきちさん、こんにちは。
すいません。m(_ _)m
内部レポートできなくて。
実は帰りの船が気になっていたのですね。また、イフ城の料金はいくらか忘れましたが、目減りしていくユーロが気になり、見合わせました。
船で戻ってからは、残り少ない時間を利用して、マルセイユのノートルダム・ド・ラ・ギャルド聖堂に行きました。
その手のものを公開しているところは、やはりプノンペンのトゥールスレン刑務所が白眉では。わたしゃ、行ったことはありませんが、ポルポル派による収容施設です。

投稿: ヒョウちゃん | 2006年12月23日 (土) 00時09分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 厳窟王の島:

« 続・大道芸人 | トップページ | モナコ »