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2006年12月 9日 (土)

かすてら音楽夜話Vol5:ジョンに捧ぐ

1980年12月8日。今から26年前、ニューヨークのダコタハウス前で、ジョン・レノンが凶弾に倒れた。

ここでは、ジョンをトリビュートした日本の楽曲を取り上げていこうと思う。

自分はビートルズを実際には知らないことになる。つまりは、「僕の見たビートルズはテレビの中」ということになる。このタイトル曲は斉藤和義のデビューシングルである。

01aoi_sorano_shita  03wonderful_fish

左がデビューミニアルバムの『青い空の下』収録。斉藤和義は一見無骨な感じだが、ギターの他、ピアノやドラムもでき、ひとりで多重録音して曲を作ってしまうこともできる。また、ギターの演奏スタイルだが、アコースティックもエレクトリックもこなせてしまう。とにかく演奏が上手く、バンドを従えてもリードギターを弾けるし、たったひとりの弾き語りでも満員のホールをうならせてしまう。この人のライヴは、楽しいですよ。ステージに用意したワインをちびりちびりとやりながら、客のリクエストに猥談を交えながら応えていく。また、右の『Wonderful Fish』には、「レノンの夢も」という曲もあります。

そんな斉藤和義も今年不惑となる。最近彼のライヴには行っていないが、またいつか行きたいと思っている。最近パワーが落ちたような感じもするが、デビューアルバムから6作目のアルバム『Because』までは、ロックスピリットあふれる作品が並びます。「歩いて帰ろう」なんて曲を知っている人もいるかな。

Ng

次に紹介するのはぐっとマイナー。上の画像は小山卓治のデビューアルバム、『NG!』。黒い部屋の中にテレビが映っているが、これは、ジョンが暗殺されたダコタハウス前のニュース映像。このアルバムの中には、「1 West 72 Street NY NY 10023」という曲がある。タイトルは、ジョンが当時住んでいたダコタハウスの住所である。曲は、自分と彼女をジョンとヨーコになぞらえているが、なかなか陰影を含んだものとなっている。小山卓治というと、バリバリに社会派だろう。だが、この曲はジョンの事件にインスパイアされているものの、デビューに備え曲を書きためていた頃の小山のみずみずしささえ漂ってくるもの。このアルバムには、その他に中森明菜をテーマにしたといわれる(もちろん両者の面識はない)「Film Girl #2」、社会事件を引き起こした犯人が語る「Aの調書」なども含まれる。いささか暗いが、聴いてみる価値はある。だが、問題なのは、なかなかこのアルバムを見つけられないことかも知れない。

Jetcd

こちらは、Puffy。こんな人たちも聴くんです。これは、正式にPuffyとしての実質ファーストアルバムとなるか、『Jet CD』。ま、Puffyはアーティスト性は低いですが、これを後ろで操っている奥田民生のビートルズへのさりげないオマージュが散りばめられているアルバムですね。ま、わざとやっているんでしょうが、ちらっとビートルズの曲の一節が顔を覗かせます。とはいえ、曲とまったくマッチしていないなんてことはなく、そこがさすがは奥田民生。「Day Tripper」あり「And I Love Her」あり。あとは自分で探してみても面白いです。

Box

そして、最後はBOX。上の画像は2in1で、『Box Pops』と『Journey To Your Heart』のカップリング。長らく廃盤だったものが、『Niagara Triangle Vol.2』のリリース20周年を期に、再リリースされたものです。中心メンバーとなるのが、杉真理と松尾清憲。どちらもソロキャリア十分の人たちですが、特に『Box Pops』の方は、ビートルズテイストあふれる作品。なんといっても、杉と松尾のハモりがジョンとポールを彷彿とさせます。

ちなみに、杉&松尾が中心となって、Piccadilly Circusというバンドも結成されてます。こちらは、さらにビートルズっぽくなっているかも。何たって、左利きのベーシストがいるんですよ。

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