ガイドのモハメッド

一昨年のモロッコ、マラケシュからオート・アトラスを越えてワルザザートへ移動。ここでは、世界遺産のひとつ、アイト・ベン・ハッドゥを訪れる予定であった。ただし、アイト・ベン・ハッドゥまでは公共の交通機関がなく、どうしようかと思っていた。

バスターミナルに到着し、荷物を受け取り目指す宿まで歩く。そんな時に現れたのが自称ガイドのモハメッドであった。彼の案内で宿まではタクシー、その後市内のカスバを連れ歩かれた。

＜タウリルトのカスバ＞MZ3/28-105mm/Kodak Super Gold400

アイト・ベン・ハッドゥもカスバのひとつで、これは予習みたいなものか。ここは入場料が設定されているが、そのようなゲートがなく途中料金も請求されなかった。どうやら、モハメッドがここの出身らしくそのようなものは必要なかったようである。

タウリルトのカスバにはたくさんの人々が働いていた。カスバ出身らしいモハメッドではあるが、身体は華奢でモロッコ人男性にしては肉体労働が苦手らしい。途中女性が斧で木を切っていたのだが、使用目的を聞きモハメッドが実演してみた。

＜木を切るモハメッド＞MZ3/28-105mm/Kodak Super Gold400

傍らで手を挙げている女性の方がたくましい。モハメッドが斧を振り下ろすと、木は割れないばかりか、ごろごろと転がっていってしまう始末。仕方なく斧を元の女性に返すモハメッドであった。げらげらと笑い転げる女性。

モハメッドはたくさんの写真とノートを持っていた。ガイドをして送り返された写真と礼状や、ガイド時の様子を各国語で書かれたノート。自分も書くように促された。翌日もガイドを頼みアイト・ベン・ハッドゥのみならず、ベルベルの村やオアシスまで案内された。もちろん、それなりの（かなり高めの）料金を請求されたが、これはこれでよかったと思っている。

＜モハメッド＞Ixy digital500

彼は、モロッコ人の中でもインテリなんだろう。またいい人でもあるようで、カスバの中ではしきりに「モハメッド」と声がかかっていた。残念なことに、フランス語は堪能なのだが、英語に関してはツーリストレベルの英語も難しそうであった。

ワルザザードの２日間が終わり、バスでタルーダントに移動する時、なんとモハメッドが日本人を連れて乗り込んできた。その日本人がザゴラに行きたいようなのだが、通訳してくれということらしい。

今でもガイドをやっているのかな。