マラッカの夕陽

沢木耕太郎の「深夜特急」以来、マラッカの夕陽は旅人のあこがれでもある。これまた10年以上昔のことになってしまったが、大沢たかお主演の「深夜特急'96熱風アジア編」でも、マラッカの夕陽が取り上げられ、さらに有名になっている。

と、いうわけではないが、自分もマラッカの夕陽を追い求め、夕陽の見える場所へ。

＜セント・ポール教会のザビエル像＞MZ3/35mm/EBX

ま、それはスタダイスから丘を登ったところにある、セント・ポール教会なのだが。「深夜特急」の中では、沢木耕太郎も大沢たかおもマラッカ海峡まで走り出て夕陽を眺めたのだが、セント・ポール教会からもマラッカ海峡が眺められ、安直にこちらで夕陽を撮影することにした。

ちなみに、ここ、セント・ポール教会はすでに教会の役目を終えていて、実際には教会跡といった方がふさわしい。天井は崩れ落ち、残るのはファサードと壁だけである。しかし、ここには、ザビエルの遺体が９ヶ月間安置されていたほか、多数のキリスト教関係者がここに葬られている。

＜墓石＞MZ3/35mm/EBX

夕刻、夕陽を求めて再びセント・ポール教会へ。やはり夕陽のビューポイントなので、マラッカ海峡側には鈴なりの人である。ところで、今回持参したレンズは、20mm/35mm/50mmの３本と、28mm相当のGRDおよび、モノクロを詰めたGR1sだけ。とりあえずは、50mmで狙う。

＜マラッカの夕焼け＞MZ3/50mm/EBX

これは、マラッカ２日目のもの。この日は日中はよく晴れていたが、あいにくとマラッカ海峡上には雲が多かった。すでに夕陽は隠れている。しかし、雲が多い分、夕陽の反射で複雑な色合いを撮ることができた。35mmでも撮っていますが、レンズを替えながら20カット近く撮ったと思う。

＜マラッカの夕陽＞MZ3/20mm/RVP F

こちらは翌日。ちょうどこの日EBXを使い切り、RVP Fへチェンジしたところ。レンズも超広角で迫ってみました。この日の方が、雲が少なく、夕陽もはっきり見えています。色合いどんなもんでしょうか。EBXの方が派手な発色をします。同系統のプロ用フィルム、E100VSよりも派手だと思います。一方、RVP Fはよりナチュラルに近い色合いか。夕陽の日米フィルム対決です。

＜マラッカの夕陽その２＞MZ3/50mm/RVP F

大急ぎでレンズ交換しました。マラッカ海峡に浮かぶ船もよく見えています。この３枚、いずれも三脚は使わず（持参してないし）、手持ちで。今回、下手な小細工はやめて、写る限りはできるだけカメラ任せ。せいぜい絞りを少し開けるくらいだったような。これでも、1/30秒くらいのシャッター速度でした。

＜おまけ＞GRD 3:2mode

初日にデジでも撮ってみました。ただし、28mmでは迫力を感じなかったので、あまり使いたくはなかったものの、デジタルズームを1.8倍くらいに。粒子が荒れない程度ですが、まあまあデジタルとしては撮れているかな。ちなみに、GR Digitalは、35mm相当で28mmの単焦点レンズなので、使えるのはデジタルズームのみです。

でも、やっぱり、のっぺりしているな。一眼＋リバーサルの組み合わせがやはり一番だわ。

沢木耕太郎や大沢たかおのようには行かなかったものの、いちお、マラッカの夕陽を体験してきました。いかがだったでしょうか。