ポルトガル人の末裔
16世紀にポルトガルがマラッカにやってきて、マラッカはポルトガルの東洋進出の拠点とされることになる。だが、そのポルトガルも国力の衰えとともに、マラッカを手放し、その後はオランダ東インド会社がマラッカを統治した。
さて、ポルトガルはマラッカから出て行ったものの、ポルトガル人もマラッカに定住し次第に現地化されていく。現在、マラッカの東に通称ポルトガル村というものがあり、彼らが暮らしているのである。
<ポルトガル村入口>MZ3/35mm/RVP F
宿からは徒歩で行ってみた。歩く距離はあまりたいしたことはないものの、歩道もないような交通量の激しい道を注意しつつ歩くので、大変時間がかかってしまった。まったく、ポルトガルという言葉には弱いので、引きつけられたようなものだ。この1年春はマカオへ、夏は本国ポルトガルから旅をしたくらいで。
<民家>MZ3/35mm/RVP F
なんか新興住宅地みたいな雰囲気ではあるが、明らかにマレー人や中国人の家屋とは違う趣。決定的なのは、どの家にも飾られたクリスマスの飾りである。上の画像ではサンタクロースがいます。
たまに、人とすれ違う。ほとんどは肌の色濃く、マレー人とさほど変わらないのだが、ごくたまに、ポルトガルでもよくいるタイプの顔立ちの人も。さらに道を進むと、海に出た。
<マラッカの海>MZ3/35mm/RVP F
マラッカは海に近いものの、実際にはなかなか海にお目にかかれないところである。波の穏やかなこの小さな湾では漁師が腰まで海につかり、網で何かを採っていた。声をかけてくる男性。その顔つきはかなりマレー化している。男が話したのは英語であった。「日本人かい?」ただ頷くのみ。
湾の手前には明らかに閑散としたようなリゾートホテルがあった。そこと向かい合うようにシーフード料理の店も多数ある。だが、この時間は仕込みの段階なのか、開いているのは、1軒のみ。Restoran de Lisbonというところのみ。
ビールと料理を数品頼む。そろそろ昼下がり。
<風が心地よい>GRD
冷えたカールスバーグに冷蔵庫に入れたグラス。ビールの美味しい飲ませ方をわかっている。テーブルはむき出しのコンクリート。夜ともなれば、テーブルクロスがかかるのだろうか。名前こそ、リスボンとあるが、料理はかなりマレー化されている。また、ここにはワインはない。しかし、ビールこそここで飲むのにふさわしいもののようである。
<イカのフリッター>GRD
ポルトガル人の末裔とはいえ、かなりポルトガル語は失われてしまったらしい。メニューもポルトガル語の痕跡はない。日本人で読めるものは英語となるか。料理の方も、ポルトガル料理とはかなりかけ離れてしまったもの。
このイカは衣が厚すぎた。まあいい。風に吹かれているだけでも。
その後、付近を散策。長い木の桟橋もあったが舟影は見えない。
<桟橋>MZ3/35mm/RVP F
ここのレストランはどうやら、夕方から営業するようである。ポルトガル村にはバスも来ているようなので、陽が落ちかけた頃がお薦めか。
Restoran de Lisbonは「地球の歩き方」に掲載されてる。村の海側にあり、その他の屋台風の店が建ち並ぶ中で、唯一壁に囲まれたところ。とはいえ、そう大差ないと思うが。
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コメント
ポルトガル村の入口にきっちりした標識があったのか。気付きませんでした。自分がポルトガル村に行ったのも年末で、クリスマス前かすんでからか忘れましたが、クリスマスツリーが家々に置かれていたり、クリスマスムードあふれていたのは同じです。午前中だったので、レストランは完璧に閉まっていて、利用できませんでした。マラッカにまた行く機会があれば、ここはリベンジ対象です。
投稿: とんび | 2008年3月 1日 (土) 04時01分
私がマラッカに行った時にふらっと入ったバーで隣に座っていた人もポルトガル系でした。
英語、マレー語、ポルトガル語が話せて中国語も少し話せ、2年ほどポルトガルで働いた事もあると言っていました。
投稿: go-ichi | 2008年3月 1日 (土) 07時52分
とんびさん、こんにちは。
ここは、陽が落ちる頃から海辺でシーフードを味わうというのが、正しい過ごし方なんでしょうね。
他に何もないし。
自分が訪れたときには、同じ店で日本人も食事していました。
マラッカに詳しいサイトによると、ポルトガルスクエアではこの店でなくて、お薦めのところがあるようです。
投稿: ヒョウちゃん | 2008年3月 1日 (土) 12時07分
go-ichiさん、こんにちは。
ポルトガル系とお会いになったのですね。
マカオあたりに行くと、たまに中国人ぽくない、ローカルに出会ったりしますが、マラッカではここだけでしたね。
レストランの人もかなりマレー化されていました。
投稿: ヒョウちゃん | 2008年3月 1日 (土) 12時10分