Camino de Santiago
サンティアゴ・デ・コンポステーラという地名を知ったのは、数年前のイベリア半島の旅の計画中であった。成田とマドリッドの単純往復航空券だけを手に入れ、あとは、どうにかルートをつなげて再びマドリッドに戻ってこようという計画。その途中で、この魅力的な場所が目についたのだ。
サンティアゴ・デ・コンポステーラのカテドラルには、聖ヤコブの遺骸が祀られている。ここは、羊飼いによって偶然発見されたもので、その墓地の上に教会を作り、ここが現在のサンティアゴ・デ・コンポステーラとなった。聖ヤコブはスペインにおける守護聖人となる。
ところで、ヤコブはフランス語ではJacques、英語ではJack、Jacob、Jamesとなるが、スペイン語では定冠詞のサンも含めてSantiagoなのである。マイケルがミカエル、ミッシェル、ミゲルみたいなもの。ところで、Santiagoの意味はまた別にホタテ貝の意味もあり、聖ヤコブの代名詞がホタテ貝の印でもある。サンティアゴ・デ・コンポステーラへは、スペインのみならず、周辺各国から、巡礼が訪れる。彼らは、木の杖とホタテ貝のアクセサリーを身につけ、サンティアゴ巡礼であることを主張している。国道に平行し、ひなびた田舎道がサンティアゴ・デ・コンポステーラまで続くが、かつてのヒッピーのようなスタイルで、全行程あるいは一部を徒歩で巡礼を続けるのである。この道をCamino de Santiagoといい、こちらも世界遺産となっている。
<路上のホタテ印>MZ-3/28-105mmZoom
バリャドリッドからサラマンカに日帰りする。サラマンカの町中でホタテの印に出会う。翌日、バスでブルゴスに向かった。ブルゴスのバスターミナルには、いかにも巡礼とわかるバックパッカー然の人たちがいやでも目につく。
<サンティアゴ巡礼路の標識>MZ-3/28-105mmZoom
その翌日、バスでレオンへ。確実にサンティアゴ・デ・コンポステーラに近づいている。どうやら、サンティアゴ巡礼路はレオンを通るようである。巡礼の姿もかなり目についた。
レオンからバスでア・コルーニャ(ラ・コルーニャ)へ。ア・コルーニャの街角には聖ヤコブの像もあった。いよいよ近い。ここで1泊し、鉄道でいよいよサンティアゴ・デ・コンポステーラ入り。鉄道の方が、町へのアクセスがよいのである。
<サンティアゴ・デ・コンポステーラ駅>MZ-3/28-105mmZoom
駅の手すりにもホタテ貝。それにしても、宿がなかなか取れず、苦労した。
サンティアゴ・デ・コンポステーラの町には、大道芸人などがあちこちにいて、退屈しない。以前の記事も参照してください(続・大道芸人)。
夜、ライトアップされたカテドラル前へ。三脚を立てて、撮影したら、こんなものが撮れた。
<夜のカテドラル>MZ-3/28-105mmZoom
我ながらこれは凄いと思った。当時、NiftyのFWORLDというフォーラムの写真コンテストに応募したら、トップになったもの。キリスト教徒ではないが、聖ヤコブが自分に微笑んでくれた瞬間なのかもしれない。
ちなみに、このコンテストですが、プロが審査するようなものではなく、Webページを見た人の人気投票です。賞品は図書券だったと思う。このときは、カラーネガだったが、かえってそれが夜間の長時間露出に最適だったのかも。でも、リバーサルではどうなんだろう。もっと迫力が出たかもしれない。
近頃は、三脚は重いので、持って行かない。でも、たまに手持ちでぶれない程度のものは撮ったりします。ここまでというのはないけど。
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コメント
おお、ステキな写真ですねー。暗い青の背景に白いカテドラルが浮かび上がるように輝いている。下の茶色の部分とのコントラストも良いです。
すばらしい写真が撮れる瞬間というのが、やはりあるのですねー。
投稿: マサエ。 | 2008年5月30日 (金) 12時23分
マサエ。さん、こんにちは。
確か、以前の記事にも反応していただきましたね。ありがとうございます。
三脚で固定して、レリーズで確実にシャッターを開いているので、それなりのものは撮れると思っていました。
凄いと思ったのは、現像が上がってきて、実際に見てからですが。
ただ、これをコンテストに送るときには、かなりいい線行くだろうなという確信はありましたが。
種明かしをしてしまうと、当時のコンテストは、夜景が受けているようでした。
投稿: ヒョウちゃん | 2008年5月30日 (金) 22時56分
荘厳な感じが出てますね。
夜空の色がまた深い。
建物の写真は平凡になってしまうこともありますが、
<夜のカテドラル>からは、
ヒョウちゃんの旅中の心情を想像してしまいます。
投稿: HARU | 2008年5月30日 (金) 23時22分
HARUさん、こんにちは。
サンティアゴ・デ・コンポステーラのカテドラルは、いかにも見てくれってくらいにライトアップされていました。
このときは、三脚を持っていたこともあって、各地で夜の撮影をしましたが、ここが一番でした。
このときの旅はやはり面白かったです。
投稿: ヒョウちゃん | 2008年5月31日 (土) 12時40分