モノクロームのパリ
3年前、ローマからパリを目指す旅に出た。移動はすべて鉄道でカタツムリのような移動。この区間を夜行を使えば、おそらく1日あれば移動できる。元々南欧が肌に合うと信じていたものの、パリは最終目的地に過ぎず、ほとんど興味がなかった。まあ仕方ないといった感じで、パリをざっと歩いてみたが、はっきりいって面白かった。ところが、フィルムが底をついてしまった。もちろん、パリで2本だけカラーネガを購入したのだが、36枚撮りで5.0ユーロ位したと思った。それも撮りきってしまったのだが、バッグの底にはモノクロがもしものために1本だけ用意されていた。
<コンコルド広場のオベリスク>MZ-3/35mm/Neopan Presto
パリは、それ以前にポルトガルやモロッコへの乗り継ぎで1泊ずつしたことがあった。当時は、シャルル・ド・ゴールから直接飛ぶことができずに、オルリー空港からの便であった。その合間に、こわごわパリを散歩したことがあるのだが、その時歩いたのが凱旋門からコンコルド広場なのである。
旅の最後、ここを歩いてみようと思った。
パリを少し歩いたと行っても、当時はツアーばかりで、しかもパリのような都会にはほとんど縁がなく、同行していた夫婦者に夕食がてら連れて行ってもらったのである。その時は、バカンスの真っ最中で、薄暗いメトロの中はアフリカ系フランス人ばかり。ちょっと怖かった。
まあ、それから何年もたち、どんなところも平気になってきたのだが。
<ショーウィンドーのディスプレイ>MZ-3/35mm/Neopan Presto
コンコルド広場から凱旋門への道は、いわずとしれたシャンゼリゼ通りである。洒落たカフェも多いが、観光客であふれかえっている。
<シャンゼリゼ>MZ-3/35mm/Neopan Presto
凱旋門が見えてきた。
<献花>MZ-3/35mm/Neopan Presto
8月のパリでは民家のドアなどに花が飾られていた。凱旋門でも、このような献花があり、衛兵たちが身じろぎもせずにこの前を守るような形で頑張っていた。フランス語はよくわからないが、数字から判断すると、この石のプレートは第一次世界大戦のことを記しているようである。
<衛兵たち>MZ-3/35mm/Neopan Presto
実は、凱旋門にはその前日も来てみた。その時に衛兵がいて、ちょうど交代式を行うところに遭遇したのだ。ただ、衛兵たちがここに常駐しているのかはわからない。この日の衛兵たちは、なぜか勢揃いして軍のカメラマンによる記念撮影を行っていた。衛兵たちにはもはや緊張感もなく、皆いい笑顔を見せていた。
これが1日の終わりのことなのか、この時期限定のことなのか。衛兵たちの解放された表情から、後者であるのではないかと思う。調べてみたら、凱旋門には第一次世界大戦で亡くなった無名兵士の墓があるという。先ほどの献花はそれなんだろう。また、第二次世界大戦では、フランスはドイツに降伏し、ヒトラーが凱旋門にやってきたという屈辱の歴史も秘めている。
翌日帰国することになったが、最後に思わず普段は見られないことを目撃したことで、よかったなと思う。
<お知らせ>
年末年始の旅を本サイトで旅行記にしました。題して、「マレー西海岸ミックスカルチャー旅」。お時間のあるときにでも、どうぞ。ブログとはアプローチが異なり、また違った面で楽しめるかと思います。
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コメント
モノクロームの写真、なぜかよく見るパリの風景とは違った雰囲気を感じますね。いつもカラーを見慣れているので、ちょっと新鮮です。
投稿: マサエ。 | 2008年6月17日 (火) 18時32分
マサエ。さん、こんにちは。
モノクロとはいえ、いちお、手持ちのカメラではもっとも解像度のいいやつで撮っているから、ぴしっとしていますね。
この次の旅でもモノクロを持参し、やはりフィルムがつきて、バンコクをモノクロで撮りました。
まあ、それ以降は、コンパクトカメラで撮るようになりましたが。
夏の旅では、フィルム切れもかなり予想できるので、たくさん持って行くつもりですが、モノクロも予備で持参しようかなあ。
投稿: ヒョウちゃん | 2008年6月17日 (火) 21時48分