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2008年7月 2日 (水)

アジアの三輪タクシー

アジア各地で走る三輪タクシー。インドではオートリキシャ、ネパールではテンプー、タイではトゥクトゥクまたはサムローなどと呼ばれているものだ。その成り立ちは、前川健一の「東南アジアの三輪車」という本に詳しいが、インドでの呼び名から推測されるように、元々は日本の人力車が伝わったものらしい。インドではエンジンのない人力で人を運ぶリキシャもまだあるし、マレーシアのトライショー、ベトナムのシクロなどもその系統である。

ここでは、それらではなく、エンジンつきのものに限って考察してみよう。三輪というところから、かつて日本にも存在したダイハツのミゼットなどを改造したものとバイクやトラクターを改造したものとに分けられるか。

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<チェンマイのトゥクトゥク>MZ-3/35mm/E100VS

タイのトゥクトゥクは上の画像のようなタイプが主流である。カラーリングもほぼ同じ。ミゼットを改造したような感じだが、もはや生産されていないミゼットなので、トゥクトゥク用に部品を作るところもあるとか。イタリアなどでも三輪の小型車はまだ販売されているようなので、そちらからの流用とも考えられそうだが。このタイプは、運転席の後ろに二人くらいならゆったりと座ることもできる。それ以上は、ちょっと苦しくなる感じだ。後席のサイドには安全のための金属のバー(手すり)もあるが、それ以外は取っ払われていて、かなり風通しがよい。

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<アユタヤのトゥクトゥク>MZ-3/35mm/RVP100

一方、なぜかアユタヤでは、三輪自動車の後ろを改造して、その荷台に横座りして乗るタイプばかりである。複数の乗客がいた場合は、向かい合うようにして乗ることになる。当然乗降は後ろからで、タイの正統(?)トゥクトゥクが運転席の横から乗り込むのとはかなり異なる。デザインもかなり丸みを帯びていて、4人くらい乗っても窮屈感はなさそうである。

アユタヤのトゥクトゥクを見ていると、カラーリングがそれぞれ違う。左の一台などは見事なイラスト入りで、確かに昔から鮮やかな色合いが多かったと思う。ちなみに、上の画像は、このブログの2代目のトップ画像に使わせていただいたオリジナルである。

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<ラオスのトゥクトゥク>MZ-3/35mm/E100VS

ラオスでもこの手の乗り物をトゥクトゥクと呼ぶ。ちなみに、トゥクトゥクとはその独特のエンジン音から来ているものらしい。ラオスのトゥクトゥクはトラクターやバイクの後ろに荷台を作り、そこに客を乗せるようになっていた。画像のタイプはトラクター改造型であろう。荷台には幌があるものの、それ以外はかなりの部分がむき出しで、早朝のルアンパバーンではかなり寒い思いをした。

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<テンプーのミニカー>EOS1000s/28-105mmZoom/SRS

バクタプルで見つけたテンプーのミニチュア。町を流す三輪タクシーはインドでもこのタイプ。タイの一般的なトゥクトゥクと同系統だが、より密閉制が強い。座席はかなり狭く、二人でも窮屈だった。

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<乗り合いテンプー>EOS1000s/28-105mmZoom/SRS

まるでパン屋のデリバリーみたいな色合いだが、乗り合いのテンプー。決まった区間を運行していて、後ろに10人程度を詰め込むもの。こちらは利用せず。

まあ、いろいろなタイプがありますね。

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コメント

 あの"交通史料館"では、こういった写真が非常に喜ばれます(笑)。
 しかし、マレーシアやシンガポールでは、こういった乗り物とは縁がなかったようですが、何ででしょうね。意外と単純なことが、よくわかりません。

投稿: 伊 謄 | 2008年7月 3日 (木) 05時02分

伊 謄さん、毎度です。
同じ内容となりそうですが、あちらにもアップしておきます。
日本の人力車ですが、「東南アジアの三輪車」によると最初は上海やシンガポールに輸出されたようなんですよね。からゆきさんが進出する地域とも重なるような。
ただ、マレーあたりではエンジンつきとならなかったのが何ともいえません。
同じイギリス系植民地なのに、インドやバングラディシュにはあるものが、ここにはない。そういえば、ミャンマーでも見かけなかったような気がします。
今度、「東南アジアの三輪車」を読み返してみます。前川さんの本の中でも、特に学術的な著書です。

投稿: ヒョウちゃん | 2008年7月 3日 (木) 20時16分

 ヒョウちゃん、こんにちは。
 交通史料館では他の方からもコメントが付きましたのでよろしくお願いします。
 さて、人力車の方ですが、シンガポール到着はかなり早かったようで、古い絵葉書で見ますと1870年代のものといわれている絵葉書には人力車が見られました。

投稿: 伊 謄 | 2008年7月 4日 (金) 01時20分

 インドではオートリキシャーに乗ったのですが、タイではトゥクトゥクには乗ってないなー。
 私が子どもの頃、ダイハツミゼットが走っていましたが、これも乗ったことはないです。

投稿: マサエ。 | 2008年7月 4日 (金) 10時03分

伊 謄さん、こんにちは。
レスつけておきました。
そうなんですよ。
人力車の輸出はかなり早くから行われたようです。
レスが早いので、「東南アジアの三輪車」を読み返す暇がありません。
輸出された人力車を元に、現地生産が始まり、インドなどにも伝わっていったようです。
もちろん、車引き、インドならリキシャマンは低賃金なのですが、引く手あまただったでしょうねえ。

投稿: ヒョウちゃん | 2008年7月 4日 (金) 21時19分

マサエ。さん、こんにちは。
オートリキシャよりはトゥクトゥクの方が、性能がいいと思います。閉塞感もないです。
ミゼットは昔はたくさんあったんですけどね。
それでも、我々が目撃したものは、すでに生産終了していたものだと思います。
ちょっと前まで、ダイハツからニューミゼットなる三輪自動車が販売されていたのですが、こちらを見かける方が難しいかもしれません。
イタリアに行けば、まだたくさん三輪自動車を見ることができますよ。

投稿: ヒョウちゃん | 2008年7月 4日 (金) 21時22分

 大型の三輪車の話題になってしまいます(笑)が、1~2年前に都内の水戸街道を走るマツダのオート3輪を目撃しています。これは数十年前に実際に乗ったこともありました。

投稿: 伊 謄 | 2008年7月 4日 (金) 22時31分

3輪かわいいですね。
3輪が走っていると時間がゆっくり進んでいるような気になります。
みんな小走りであるいている日本には、もう必要とされないものなのでしょうか。

投稿: naomi | 2008年7月 5日 (土) 01時05分

伊 謄さん、こんにちは。
マツダのオート三輪はかなりでかいやつですよね。
相当昔、子供の頃に目撃したことはあります。

投稿: ヒョウちゃん | 2008年7月 5日 (土) 14時25分

naomiさん、お久しぶりです。
戦後まもなく日本にも輪タクというものがあったようです。やむにやまれない事情からできたものでしょうが。
自転車改造型のタクシーじゃなかったかな。
最近渋谷あたりでは、ベロタクシーって走っていますね。
あれ、かなりの値段がするらしいです。

投稿: ヒョウちゃん | 2008年7月 5日 (土) 14時29分

 ヒョウちゃん、こんにちは。
 ミゼットですが「我々が目撃したものは、すでに生産終了していたものだと思います」という箇所には、個人的には異議があります(笑)。

投稿: 伊 謄 | 2008年7月 5日 (土) 18時50分

伊 謄さん、どうもです。
調べたら、ミゼットは1972年まで生産していたので、ワタクシが幼少の頃見ていたものは、まだ生産中だったようです。

投稿: ヒョウちゃん | 2008年7月 5日 (土) 20時03分

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