青空と笑顔と泣き顔と
いよいよ雲南をあとにする。だがこの日の目的地はモンラーまで。それはなぜか。モンラーからラオスのウドムサイまで国際バスが早朝に出ているからなのである。そんなわけで、バスに乗りモンラーへ。特にモンラーではやることもないが、こんな時に限って悔しいばかりの青空である。
モンラーではバスターミナルの真向かいにあるホテルに投宿する。相変わらずの星なしホテルだが、清潔度では景洪を上回り、設備もいうことはなかった。その後、バスターミナルに舞い戻り、ウドムサイ行きを予約しようとするが、答えは「没有」であった。
モンラーに来た意味がなくなってしまうが、まあ仕方ない。そういえば、宿の裏手には市場があった。そこに行ってみる。モンラーの市場も昼下がりでほとんどの商品はなくなっていたが、わずかに残ったものを売る人たちがいて、その合間を子供たちが遊び回っている。
<三人組>GR DIGITAL
その中の子供に声をかけて写真を撮らせてもらう。はじめ、何となくスナップ的にカメラを構え、彼らを撮していた。それに気づいた子供たちが、カメラの背面を見せろと迫る。今や、辺境と呼ばれる場所に行っても、デジタルカメラの存在は誰でも知っている。カメラのモニターを見ることで写り具合を確認するなんて行為も当たり前のことだ。
あいにくとスナップをしたカメラはモノクロを詰めたGR1sだったので、あらためてGR DIGITALで撮り直す。もちろん、モニターを見せる。おそらく、それを見た彼らの笑顔は、実際に撮った写真よりも素晴らしいものだったろう。
<笑顔>GR DIGITAL
今度は積極的にこちらから被写体を見つける。それまでの様子を見ていたらしい子供たちが、集まってくる。来るものは拒まずである。今度は、GR DIGITALで先に撮り、モニターを見せてから、MZ-3でもう1枚ということを行った。皆いい笑顔である。
調子に乗って、さらに市場の裏手にも行ってみた。そこでは、ミシンで何かの修繕を行うような仕事が行われていて、興味深くそれを見守る。
<泣き顔>MZ-3/35mm/RVP100
そこにも、子供がいた。まだよちよち歩きの赤ん坊といってもよい年齢。いろいろ声をかけ笑顔になってくれるよう働きかけたが、とうとう泣き出してしまった。その瞬間の1枚。
何もないモンラーではあるが、この日はそれまでの鬱憤を晴らすようにいい写真が撮れたと思う。これだけでも、遠くシーサンパンナまで足を運んでよかったと感じた瞬間である。
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コメント
あらまぁ、泣かしちゃったんですか。悪い「おぢさん」ですねぇ(笑)。
投稿: 伊 謄 | 2008年12月 7日 (日) 20時03分
伊 謄さん、こんにちは。
相変わらず辛口ですねえ。
そうです。泣かせましたよ。
ただ、近くに(ミシンを操っている)母親がいて、よい表情を作らせようとあれこれ、言葉をかけていたんですけどね。
泣く子にゃ勝てません。
投稿: ヒョウちゃん | 2008年12月 7日 (日) 22時59分
不思議なことに、私のおなかの肉をつまませると子供が上機嫌になります。あの、プニュッとした感覚がいやしになるようです(笑)。
投稿: 伊 謄 | 2008年12月 8日 (月) 02時07分
あはは、子どもの顔はどこでもかわいくていいねー。こうやって子どもが懐いてくるとうれしくなりますね。まあ、中には泣く子もいるだろうけど。
投稿: マサエ。 | 2008年12月 8日 (月) 10時38分
伊 謄さん、再びどうもです。
癒しのお腹なのですね。
自分の場合はつまむことができそうもないので、次回の旅でそのお腹貸してください。
でも、何かそういうものを持っているといいですよね。
そうしたものも、カメラマンの資質だったりして。
投稿: ヒョウちゃん | 2008年12月 8日 (月) 20時02分
マサエ。さん、こんにちは。
こういう素朴な子供たちはいいですよね。
モロッコのサレの子供は憎たらしかった…。(石投げられたんです。)
この子供たちの中には少数民族もいるのかもしれませんが、大きくなって「中国の常識」を身につけてくると可愛い気がなくなってくるのかもしれませんね。
でも、東洋人はまだいい方かも。
インド系、アラブ系なんて、子供はものすごくかわいいですけど、成長すると(特に男性は)ああなっちゃいますし。
でも、大人もこんな風に撮れたら最高なんですけどね。
投稿: ヒョウちゃん | 2008年12月 8日 (月) 20時08分
こんばんは。
雲南の子供の表情、良いですね。
笑顔もだけど、特に泣き顔が(笑)。
旅をしていると、笑顔を撮るチャンスは多いけれど、
泣き顔を撮るチャンスは、そうはない。
いい出会いでしたね。
投稿: HARU | 2008年12月 9日 (火) 21時55分
雲南でなくてモンラーですね。
失礼、失礼。
でも陸続きだと、国境は人が勝手に引いたものだということを実感します。
生活している人は普通に行き来している場合が多いし、
人も実は同じ人種だということも、ままある。
と、まあ、言い訳を(笑)。
投稿: HARU | 2008年12月 9日 (火) 22時00分
HARUさん、こんにちは。
モンラーも雲南の一部なので間違っていませんよー。
泣き顔、そうですよね。
滅多に撮れるものではありませんよね。
そう前向きに考えると、さらにチャレンジしたくなります。ありがとうございます。
モンラーまで来ても確かに、漢民族も入植しているようだしかえって強く中国を意識させられましたけど、そこまでラオスだし、二重国籍みたいな人もいるしで、あまり国家をこちらが意識しなくてもいいのかなとも今頃感じています。
ラオスも北部じゃかなり中国人が住んでいるようですし。
投稿: ヒョウちゃん | 2008年12月 9日 (火) 23時13分