ラオスの僧侶、安らぎのひととき
以前タイの僧侶のところでも書いたが、やはり上座部仏教の僧侶というものは、勤勉であるイメージが強い。もちろん、ラオスの僧侶もその通りで、托鉢や勤行を終えても、本を読んでいたり、ほかの学習特に英語等の習得に励む姿が見かけられる。だが、日中寺院を訪れると、若い僧侶たちは観光客に意外なほどフレンドリーに話しかけてきたりする。これも、英語学習を実践で試みようとする学習の一環なのだろうか。
<ワット・タートルアンの僧侶たち>MZ-3/35mm/RVP100
ワット・タートルアンを訪れた。一通り見学して次に向かおうとすると、やや遠慮がちに話しかけてきたのが若い僧侶の3人であった。上の写真の左にいる僧は、恰幅が良さそうだが17歳だそうで、ほかの二人もティーンエイジャーである。
話しかけてきたのは17歳で、聞くと英語は学校で習っているとのこと。その英語力だが、かなりうまく、これまでにもこうした話しかけで実力を磨いてきたと思われる。後の二人も英語を話すが、恥ずかしがってあまり積極的ではなかったようだ。17歳の英語はまず、自分などよりもかなりわかっているだろうと思う。まだ若いし、これからどんどん伸びていくことだろう。
<くつろぐ僧侶たち>MZ-3/35mm/RVP100
サッカリン通りを進むと、寺院が3つ並んでいる。托鉢を終えた午前中は僧侶たちもくつろぎのひとときらしく、多くの僧侶がそれぞれのことを行っている。ここでも話しかけられた。だいたいの質問は、どこから来たか、旅行の行程、ルアンパバーンに来てどれくらいなどである。
<音楽を聴く僧侶>GR DIGITAL
彼らも気さくに写真を撮らせてくれたのだが、その中に、携帯電話や携帯型音楽プレイヤーを持っている僧侶がいた。これだけはなかなか写真に撮らせてくれずに、逃げ回っていたが、やはりこういうシーンはそぐわないと思ったのだろうか。
雨季のこの時期は、僧侶が増える。タイやラオスの男性は僧侶になることを義務づけられているわけではないが、出家することは徳を積むことに通じ、家族からも喜ばれ、雨安居入りと同時に一時出家する男性が増える。彼らは、雨安居あけとともに、環俗して家族の元に戻る。ラオスでも携帯の普及はかなりのものであり、大人ならばほとんどは所有しているのではなかろうか。この音楽を聴いている僧侶もそうした一時出家組なのかもしれない。あるいは、僧侶も携帯を所有するまでラオスが経済発展したということなのか。そのあたりは不明である。
<草を刈る僧侶>MZ3/35mm/RVP100
宿に近い、ワット・ビスンナラート(通称すいか寺)では、僧侶が大挙して鎌を持ち、草刈りを行っていた。草刈りも大勢でわいわいとやり、懸命に働いている僧侶もいれば、自分の領分は終わったと手を休めて仲間を見守る僧侶もいる。このあたりはやはりアジアの男なんだなと感じられる。僧侶から素に戻った瞬間か。
ルアンパバーンで出会った僧侶たちは、どこか楽しげに見える。携帯を持ってようがそんなことはもうどうでもいいことである。托鉢の時の表情とはまるで別人。みんないい顔つきである。オンがあってオフがある。ラオスの僧侶たちはその切り替えが上手で、オフの表情が抜群にいい。日本ではこんな表情の人は滅多にいない。そんな切り替えができるのは、この地域特有のものなんだろうなあ。いいなあと思った。
| 固定リンク | 0
「People」カテゴリの記事
- タイ人図鑑(2024.01.22)
- ドキュメント☆kimcafeさん無料床屋にチャレンジ(2023.10.25)
- 台糖橋頭線の五分車(2023.06.11)
- 首里城の現状(2023.04.22)
- 登山電車とブラボーな人(2022.12.22)
「200808 Mekong」カテゴリの記事
- バンコク点描(2009.03.26)
- 屋台禁止と魚売り(2009.03.25)
- バーミーとラーメン(2009.03.22)
- 東南アジアのウルトラマン(2009.03.21)
- チャイナタウン(2009.03.19)
コメント
ラオス、近くて遠い国というか旅行社のパンフレットにはあまり出てこないので、行き難い国というイメージが強いです。
でも、ヒョウちゃんのレポートを読んでいると、とても身近に感じてきます。のんびりとした人々、仏教の国、田舎の風景、アジア的なものも多くて良い感じがします。
投稿: マサエ。 | 2009年1月23日 (金) 11時26分
マサエ。さん、こんにちは。
ラオスは日本から直行便がありませんからね。
そういう国は、やや遠い感じがしますよね。
東南アジアでは、カンボジアが直行便がありませんね。
ミャンマーは一部あるようですが、バンコク経由がデフォルトみたいなものでしょう。
ラオスいいですよ。
手始めに、ルアンパバーンだけでもどうでしょうか。
投稿: ヒョウちゃん | 2009年1月23日 (金) 20時32分
遠慮せず連続して書き込んじゃいます。
今日のお話を読んで俄然ルアンパバーンのこのお寺に行きたくなりました。
お寺の小僧さんと休み時間に話をするためだけでも行きたいものです。
以前、私がチェンマイでお寺の中を歩いているとお寺の中の学校で日本語の授業をやっていたことがありました。覗いていると先生に声をかけられ、生徒(お坊さん)の前で日本語のスピーチをやらされたことがあります。
いい思い出です。
投稿: スクムビット | 2009年1月23日 (金) 21時44分
スクムビットさん、こんにちは。
ルアンパバーンのメインストリートが、シーサワンウォン通りといいますが、途中からサッカリン通りと名前を変えるあたりから、寺が3つ並んでいます。これらの寺の僧侶がかなり気さくですね。
ま、ほかの寺も同じだと思います。ルアンパバーンには寺院がたくさんあるので、寺巡りだけでも、時間をつぶせますよ。
チェンマイのお寺の話もいいですね。
ルアンパバーンが最も話しかけられる率が高いと思いますが、ヴィエンチャンでも話しかけられたことがありました。
また、ルアンパバーンで宿替えしたところでは、従業員のチーフ格みたいな人が、かなり上手な日本語を話せました。
その宿では、日本語学習に力を入れているようで、「指さし会話帳」を使って、勉強していました。
こちらも、単語の発音などをチェックされたりしましたよ。
スクムビットさん、連続投稿など大歓迎です。
これからもどんどんコメントつけてください。
投稿: ヒョウちゃん | 2009年1月23日 (金) 23時15分