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2009年1月26日 (月)

黄金の木

ルアンパバーンが古都と呼ばれるのは、ラオスの王室がここにあったからであるともいえよう。ラオスの歴史は、ランサーン王国から三国分立、フランス植民地時代を経て、ラオス王国、内戦時代、現在のラオス人民民主共和国へとつながっている。ラオスがフランスから独立する過程の中で、ラオスの王室は廃止されてしまったのだが、しばらくはルアンパバーンで王族たちも暮らしていた。現在のルアンプラバン国立博物館はかつての王宮である。

ラオスが独立し、首都がヴィエンチャンに定められても、国王たちはルアンパバーンにとどまっていた。山間にあるルアンパバーンは古い景観が保たれ、ラオスで初めての世界遺産に登録された。その中でも、ワット・シェントーンは特別な場所ではなかろうか。

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<マイトーン>MZ-3/20mm/RVP100

ワット・シェントーンの本堂裏にはマイトーン(黄金の木)と呼ばれる装飾がモザイクで描かれている。かつてここにあったという、高さ160mの大樹がモチーフになっているという。仏教寺院の建物に、直接描かれたモザイク画となると、こんなところがあるだろうか。とにかく、マイトーンは見る価値がある。ちなみに、本堂裏と書いたが、サッカリン通りを進み、寺院に通じる小径を進むとすぐにこれが目に飛び込んでくる(別のアクセス方法もありますが)。

Mk1599

<レッド・チャペル>MZ-3/50mm/RVP100

本堂の並びにある祠も、ピンク地のモザイクで彩られている。やはりこうした例はほかにはあまりないのではと思う。ルアンパバーンの寺院は、かなり凝った装飾を施すようで、ワット・マイの黄金のレリーフや、ワット・タートルアンの白く彩られた飾り窓などがある。その他の寺院も、内部に絵画が描かれていたりもする。だが、最も色鮮やかなのは、このワット・シェントーンである。

Mk1622

<黄金の霊柩車>MZ-3/20mm/RVP100

本堂の斜め向かいにある建物はホーラーサロットと呼ばれ、中には1960年のシーサワンウォン王の葬儀で使われた霊柩車が納められている(死去は1959年)。ヤマタノオロチを連想させるような龍の頭が印象的である。

そのシーサワンウォン王の息子がサワーンワッタナー王として即位するが、彼がラストエンペラーとなる。サワーンワッタナー王は1975年、パテト・ラオとの交渉に応じ、国王を退位する。その後も彼ら王族はルアンパバーンの王宮にとどまっていたが、1977年身柄を拘束されラオス北部にある再教育キャンプに送られた後は消息不明となる。

ラオスも革命の嵐に蹂躙されたわけだが、ルアンパバーンの町はそれでも、通りの名前が国王のものであったり(サッカリン通り、シーサワンウォン通りなど)、古い伝統を捨ててないようにも見える。国王のブロンズ像などもあるくらいだし。

ワット・シェントーンの本堂内部も、ボートレース用の特別な船が安置されていたり、内部の装飾も緻密。このときの旅では、よく寺を訪れていたものの、目的は坊さんと話をすることだったり、ただの見学ではないちょっと変わった視点から写真が撮れたらなと思っていた。だが、ワット・シェントーンだけは2度目にもかかわらず、真剣に見ていった。

ま、ルアンパバーンのここを除けば、いわゆる名所旧跡みたいなところはほとんどない旅だったともいえるのだが。

Postscript この旅の旅行記、「雨とメコンと少数民族」、ちょっとだけ更新しました。乗り継ぎでウドムサイ 中国モンラーからウドムサイに至るまでの1日です。

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コメント

ここは行ったからよく覚えていますよ。ルアンパバーンの中でも一番のみどころですね。残念なことに、黄金の木もレッドチャペルも夕方ごろに撮影したからかもしれませんが、うまく撮影できていなくて、柄がよくわからないような写真になってしまいました。ルアンパバーンはまた行ってもいいかなと思っています。

投稿: とんび | 2009年1月27日 (火) 06時30分

とんびさん、こんにちは。
ここをはずす人はいないでしょうね。
また、行きたくなるのも絶対わかります。
自分の場合も、ここ数年でまた行くかというと、やっぱり行きたいです。ただ、アクセスが不便なので、国内線と抱き合わせで、南部やシェンクアンあたりとセットになるかも。

投稿: ヒョウちゃん | 2009年1月27日 (火) 20時39分

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