激辛イサーン料理
タイ東北部をイサーンと呼ぶ。タイの料理は辛いことでもずいぶんと有名になってきているが、イサーンの料理はさらにスパイシーであるとのことだ。そのイサーン料理を食べに行くことになった。もちろん、ノーンカイに滞在しているからである。
<ビアシン>GR DIGITAL
ノーンカイ市役所前の通りをちょっと過ぎたところに、イサーンの人々でにぎわっていた店が、2軒並ぶ。どちらに入っても大差なさそうな感じ。通りに面したところは大きく開いていて、壁が三方にある作り。店の中は扇風機が回っているものの、暑いこと請け合いなしなので、歩道に並べられたテーブルに着くことにした。
メニューにはありがたいことに、タイ語と英語が併記してある。だが、店の人は英語がわからないので、メニューを指さしてオーダーすることになる。ビールだけは「ビアシン」と口頭で伝えることのできる唯一の言葉である。ボトルとグラス、たっぷりの氷を入れた容器が置かれた。昼にもビールを飲んだが、どうやらノーンカイでは店の人がビールを注いでくれるしきたりのようである。もちろん、氷もグラスに入れられた。ビールが決してぬるいわけではなく、きっちりと冷えているにもかかわらずだ。
タイのビールはアルコール度数がやや高く、はじめから氷を入れることを想定しているという話を聞いたことがある。ここでは、それに乗っ取って、ローカルなビールの飲み方を実践してみた。氷を入れるとビールの色は薄まる。元々タイ人はぎっしりと氷を入れた飲み物が好きで、メコンというタイウィスキーも、ぎっしりと氷を入れたグラスに、ソーダや水を注ぎ、ちょっぴりのメコンを注いだ極薄の水割りまたはオンザロックで盛り上がる。前のテーブルを陣取っていたタイ人も、そんな飲み方をしていて、何度も氷の容器を注文していた。
<なすのサラダ>GR DIGITAL
ヤム・マクア。なすの皮をむき、挽肉やタマネギ、コリアンダー(パクチー)などと和えた料理。中には大きなエビも隠れていた。メコンの川エビか。辛くないと思って頼んだのだが、大きな間違いである。料理の中に見え隠れする赤や緑のものが、プリッキヌーと呼ばれる、激辛小粒唐辛子である。これのためだ。
<プリッキヌー>GR DIGITAL
プリッキヌーとは直訳すれば、「ネズミの糞」という意味。通常タイ料理の辛みは、プリッキヌーをいくつ使うかで決まる。つぶすか刻むか。そのまま丸ごとということはない。間違ってこれを口に入れると、文字通り飛び上がることになる。舌が痺れるというが、そんな感覚である。こういうときには、水分摂取ではなく、あまり辛くない野菜を口にすれば、少しは収まる。だが、ヤム・マクアは野菜とはいえ、全体的に辛いのだ。どうすればいいんだよ。
<イカのバジル炒め>GR DIGITAL
プラームック・バイカプラオ。こちらは辛いことを想定して頼んだ。見ていただきたい、この赤さを。痺れるくらい辛く、またこれが美味い。ビールもご飯も進む。グリーンピースのようなものは、トムヤムクンなどにも入るちょっと癖のある実である。前川健一によると、木に成る極小のなすらしい。
<あくまでも赤く>GR DIGITAL
こちらも、辛い。プリッキヌーではないだろうが、唐辛子をベースにしたものということはわかる。プリッキヌーのように、こちらはより分けるわけにはいかない。できるだけ汁気を切るくらいしか、対応策はないのかも。
また、ノーンカイは海から遠いが、タイでも海産物の輸送がこのような内陸でも食べられるほど発達しているということである。イサーン地方とメコンを挟んで相対するラオスであるが、文化的にはそう変わらないとのこと。ただ、ラオスではイカを使った料理はないに等しいと思う。
でもたまには、辛いものをひいひいいいながら、味わうのもいいものです。料金は総計222バーツ。ごちそうさまでした。
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コメント
いやもう。
言葉もありません。
食べてみたいです。プリッキヌー大好きです。
一枚目も二枚目もすごく美味しそーです。
個人的には2枚目の方かなぁ。
投稿: lastsmile | 2009年2月26日 (木) 23時29分
古内東子も食べたくなるイサーン料理でしょうか。
でも、あの人は匂いとかだめな感じもするな。
辛いのは比較的大丈夫ですが、あえてプリッキヌーは進んで口に入れたくありません。できるだけ取らないように気をつけています。
タイ(イサーン)はヤム(サラダ)のバリエーションもたくさんありますね。まろやかなサラダもあると思いますが。
イカのバジル炒め、個人的にもこちらの方が好きですね。イカ、タコ、エビ好きなもので。ハイカロリー万歳。
後日、これほどインパクトはないと思いますが、地元料理も少し取り上げます。
投稿: ヒョウちゃん | 2009年2月27日 (金) 20時40分