King Of Soul
かすてら音楽夜話Vol.13
忌野清志郎が闘病生活もむなしく、亡くなったそうである。享年58歳。まだ若すぎる。
彼のことを知ったのは、学生時代のこと。友人がすごいバンドがいるということを教えてくれた。ぼちぼちとメディアにも出演するようになり、その過激さとメイクした清志郎のパフォーマンスに打ちのめされてしまった。当時の洋楽の世界ではグラムロックとして、T.REXやアリス・クーパーなどの存在が知られていたが、まだ日本では、ビジュアル系などという言葉もなく、前代未聞の存在なのであった。
だが、調べてみると、RCサクセションはまだ高校生だった忌野清志郎と破廉ケンチ、小林和生がフォークバンドとして出発させたものだったことがわかる。その後、長い低迷期を経て、メンバーチェンジし、ロックバンドとして再生したところなのであった。特にギターには古井戸の仲井戸麗市が参加していることが「おや」と思わせた。彼の名前は知っていたのである。
その後、お気に入りのバンドになった。
彼らの評価を一変させたのは、カバーアルバムの『Covers』である。このアルバムでは、すべての楽曲が洋楽のカバーであるが、日本語詞をつけて歌われている。その中では、反核・反原発の内容が盛り込まれ、所属する東芝EMIからはリリースできないことになり、急遽古巣であったキティ・レコードから発売された。さらには、大韓航空爆破事件なども扱われているほか、ゲストミュージシャンも多数起用されたアルバムなのであった。
清志郎が社会問題にも目を向けていることで目の鱗が落ちた感じもした。ちなみに、このアルバムがRCサクセション唯一のオリコンアルバムチャート1位獲得ということになる。
その後彼の問題意識はさらに過剰になっていき、タイマーズをゲリラ的に結成。生番組で某放送局の批判をするという過激さなのであった。
しかし、RCサクセションはメンバーの離脱に伴い、アルバム『Baby A Go Go』を最後に長期の休養という形を取ることになる。
その後、清志郎はいくつかのバンドを作り、主にソロ活動を繰り広げていくことになる。そんなさなかで、咽頭ガンが見つかり、しばし離脱。復活ライヴもあったものの、またしばらくしてガンの転移が見つかったとのこと。
かなり若い時に無茶したつけが回ったのだろうか。King Of Soul。または、King Of Live。その称号は消えることはない。残念なことにRCやソロのライヴは見ることがなかったが、あるイベントでゲストとして登場した場面に立ち会えたことがラッキーではあった。
最後に、YouTubeから借りてきた映像で、彼を偲ぶことにしようか。
RCサクセション、「君が僕を知ってる」(作詞作曲:忌野清志郎 編曲:RCサクセション・椎名和夫)でした。これ、「ライヴ帝国」でも流れましたね。
★2019年にココログの仕様が変更となり、かつてアップしたYouTube映像が表示できなくなったものの修正版です。これから、削除された映像もできるだけはめ込んでいこうと思います。
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コメント
清志郎の歌声をこの目で耳で初めて体験したのは久保講堂。
あれから30年・・。
稀代のソウル・シンガーは去っていった。
彼は敬愛するオーティス・レディングの言葉を、良く愛用していた。
「愛しあってるかい?」と・・。
(We all love each other, right?)
そして、オーティスと同様に、不遇の死をとげた。
黙祷、彼の愛すべき全てに。
投稿: lastsmile | 2009年5月 4日 (月) 02時58分
lastsmileさん、こんにちは。
久保講堂行かれたんですね。
彼らの名前を一躍高めた、ライヴアルバム『Rhapsody』の舞台ですよね。
オーティスというと「ガッタガッタ」という、決めのフレーズも頂いていますね。
今調べてみたら、清志郎とオーティスは10歳しか違わないんですね。
でもなあ、吉田拓郎も小田和正も大滝詠一も還暦過ぎているんですが、何もここで清志郎だけが召されてしまうことはないのにとも思いますね。
おそらく、追悼のイベントが開かれるでしょうね。
どんとが亡くなった時以上に残念です。
投稿: ヒョウちゃん | 2009年5月 4日 (月) 13時22分
このトランジスターラジオは思い出の1曲です。
ただただ悲しいです。
投稿: 江ノ島 | 2009年5月 4日 (月) 22時45分
江ノ島さん、こんにちは。
ここでは初めましてかな。
「トランジスターラジオ」は、自分にとっても、リアルタイムで体験したRCの曲ですね。
「スローバラード」とか「僕の好きな先生」あたりは知らなかったもので。
それにしても残念です。
また、時々コメント付けに来てください。
投稿: ヒョウちゃん | 2009年5月 5日 (火) 13時19分
お久しぶりです。
ホーチミン旅行の際には、お邪魔しまくりまして、お世話になりました
坂本龍一さんがきっかけで清志郎さんを知ったのですけど、わざわざ手に入れてまで聞いたりはしませんでしたが、清志郎さんの音楽は好きでした。
視覚的にもずいぶん楽しませてもらいました。
投稿: りーちゃん | 2009年5月10日 (日) 00時14分
リーちゃん、こんにちは。
坂本龍一というと、「い・け・な・いルージュマジック」なんですが、共作ではあるものの、清志郎唯一のオリコンシングルチャート1位獲得曲ですね。
当時、坂本龍一もメイクしてテレビ出演していました。
今じゃ考えられないことです。
昨日、告別式でしたね。
盛大にファンに見送られて、よかったんじゃないかなあ。
投稿: ヒョウちゃん | 2009年5月10日 (日) 17時33分