« カルタゴ遺跡-ビュルサの丘編 | トップページ | シディ・ブ・サイドを歩く »

2009年9月17日 (木)

沢木氏の一言

カルタゴ遺跡を訪れた時、「深夜特急」で沢木耕太郎がつぶやいた一言がフラッシュバックした。

それは、モナコでカジノに立ち寄ろうとして門前払いをくらい、翌朝バスでニースに向けて旅立つ時の一言である。「ひどいじゃありませんか」

沢木氏はバスから見た地中海の美しさに目を見張りこの一言が出た。イタリアとかフランスに面した地中海は、信じられないくらい透き通ったブルーが特徴的な海だ。近くに大都市があっても、とてつもない美しさのある海がそこにある。まあ、地中海のすべてがそういうわけではないが、これは実際に自分で旅してみてもそう感じた。日本からはるばる美しい海を求めてバリ島や南太平洋の島を訪れても、たぶん太刀打ちできないと思う。

これと同じようなことをカルタゴ遺跡を歩き回っている時に感じたのだ。

Tf0066

<地中海>MZ-3/20mm/EBX

カルティエ・マゴンのすぐ先は地中海。もちろん、アントニヌスの共同浴場からも地中海は望めるが、こちらの方が絵になる。きちんとしたビーチにはなっていないものの、地元民が海水浴を楽しんでいる。この海はイタリア南部カラブリア州に面したイオニア海、ナポリ近辺のティレニア海に匹敵するくらい綺麗である。

Tf0069

<白いドア>MZ-3/20mm/RVP100

羨望の一言は海だけではない。カルタージュ・ハンニバル駅周辺の住宅地も美しく飾られている。白いドアに白い花。遺跡が点在するこのあたりは、大統領官邸があるからか、警官の巡回も盛んで、それだけに政府の高官なども自宅を構えるのだろうか。とにかく、チュニス市内の喧噪とはうってかわり、落ち着いたたたずまいを醸し出している。

Tf0070

<花>MZ-3/20mm/RVP100

その住宅地に咲いている花も色とりどり。チュニジアはこの時期暑いといっても熱帯ではないから、落ち着いた色合いの花が多い。古代の遺跡があって、美しい海があり、住んでみたくなるような住宅と美しい花がある。これは「ひどいじゃないですか」の一言も付け加えたくなるだろう。

まったく羨ましい。

| |

« カルタゴ遺跡-ビュルサの丘編 | トップページ | シディ・ブ・サイドを歩く »

200908 Tunisia/France」カテゴリの記事

コメント

深夜特急にそんなくだりが・・。
残念ながら、記憶に残っていません(>_<)
青と白。
そして彩り鮮やかな花。
どれも素敵な一瞬を感じました。いいですね。

投稿: lastsmile | 2009年9月19日 (土) 13時06分

lastsmileさん、こんにちは。
第16章、「ローマの休日」文庫本なら80ページに、「これはひどいじゃないですか」と、呟くところがあります。
やはり夏はいいですね。すべてが綺麗に見えますから。
この連休でスキャンを重ねていくと思いますが、こんな写真がまだまだ出てくることを我ながら期待しています。

投稿: ヒョウちゃん | 2009年9月19日 (土) 14時28分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 沢木氏の一言:

« カルタゴ遺跡-ビュルサの丘編 | トップページ | シディ・ブ・サイドを歩く »