南へ
オフは終わった。明けて翌日、朝食の場でとんびさんに別れを告げ、一路南へ行く。行く方法はバス、ルアージュ、鉄道とあるが、是非とも鉄道に乗ってみたかった。まだこのあとの予定は決めていないものの、とりあえずは鉄道でスファックスに行ってみることにした。
<チュニス鉄道駅>MZ-3/50mm/RVP100
宿をチェックアウトし、ここまでは歩く。近いので問題ないし、前日に下見をしておいた。時刻表ももらっておいた。
<チケット売り場>GR DIGITAL
9:40発のトズール行き。トズールは鉄道で行けるチュニジア最果ての地ともいえる。スファックスまで2等で12.5ディナール。ちょっと並んだものの、問題なくチケットを手に入れる。近郊線に関してはまた別の窓口がある。では、早速構内へ。
<プラットフォーム>MZ-3/50mm/RVP100
改札があり、チケットチェックをされてから構内へ。さらにプラットフォーム手前にも係がいて再チェックされる。すでに入線していたこの列車なのかと思ったら、そうではなかった。さらに待って、別の列車がやってきた。
チケットには乗車する号車番号と座席番号が書いてあるが、2等は基本的に自由席なのであった。どのあたりに乗るかわからなかったので、中程にいた。列車が入ってくるとグリッシーニ売りに席を案内された。しょうがないのでひとつ購入する。
<車内>GR DIGITAL
グリッシーニとはイタリアでパン代わりに食べられる棒状の食品である。案内料として1.0ディナールグリッシーニ売りには払ったが、まるで問題なく空いていたので悔しい思いをした。
座席は向きの変えられないタイプで、車両の中央から半分にわけられて、すべて車両の中央方向を向いていた。中央の通路を挟み、2席ずつが並ぶ。窓にはブラインドがかけられ、あまり車窓を楽しむようにはできていない。
<検札>GR DIGITAL
列車は5分ほど送れて出発した。チュニスにはたくさんの乗客がいたが、まだ少し空席があった。チュニスからしばらくはゆっくりした走りである。しばらくすると検札が現れる。
一応、車両にはエアコンがついていた。窓の開かない作りなのでこれは当然だろう。しばらくすると隣に乗客が座るようになり、やがて満席に。しばらくまどろむと、スース。チュニスから150km弱南に下ってきたわけだが、もはや太陽の輝きはチュニスと比べものにならないくらいぎらぎらしたように感じる。
スースでは半分くらいの乗客が降りたが、それ以上の乗客が乗り込んだ。そして、列車は方向を変え、元来たチュニス方面へと動いていく。「なんだ」と思ったが、スースはローマのテルミニのような行き止まりの構造だったのだ。
<スファックス到着>MZ-3/50mm/RVP100
スースを過ぎるとエアコンの効きが悪くなった。それだけ暑いということか。円形闘技場で有名なエル・ジェムを過ぎ、あとわずか。ここはまたあとで来るつもりである。
列車は約30分遅れでスファックスに到着した。ちなみに、チュニジアの鉄道は、北部の路線はヨーロッパと同じ標準軌道なのだが、その他の路線はタイやマレーシアと同じメーターゲージなのである。道理でスピードが出ないわけだ。半分サウナみたいな車両からようやく開放される。乗客もどっと降りた。チュニスから約250km。さすがに暑い。これから宿探しである。
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コメント
冷房は「一応」ついていたと書いていらっしゃいますが、あまり効いていなかったってことですね。自分の場合も、エルジェムへ向かったときは客席の入口あたりで立っていましたが、かなり暑かったです。客席じゃなく、デッキに立っていた人も多かったのですが、耐えられないくらいの暑さでした。帰りはなんとかすわれたのですが、座れたら、確かに冷房がはいっていることがわかる程度でした。
スースへは新型に乗りましたが、これは冷房がよく効いていました。ただし、新型は軽量化しているようで、揺れるったら揺れる。すごかったですよ。高さが高いので、転覆しないか心配したくらいです(笑)
それでも、冷房など快適性を考えたら、新型に乗りたいですけど。ヒョウちゃんは新型には出会わなかったようですね。
スースはスイッチバックが基本のようですが、一部はスースの街中を通り抜けて走る列車もあるようですよ。自分がエルジェムからチュニスに戻ったときの列車がそうでした。スースの街中をゆっくりと進みました。
真っ暗だったので、どのようなところを走っているかははっきりとしなかったのですが、スースまでの向きとスースからの向きが同じ方向だったので。
投稿: とんび | 2009年11月15日 (日) 06時05分
とんびさん、こんにちは。
エアコンはスースまではある程度効いていたんですよね。
全体を確認したわけではないので、あまり確かなことはいえないのですが、7~8両の客車の編成で、ディーゼルの機関車が1両のみ。間に冷房用の動力車などはなかったので、効きも悪くなるだろうなと思います。
新型には出会いませんでしたね。
戻りのスファックス-スースでは、同じような客車でしたけど、少し新しいタイプでした。こちらはそんなに暑くなかったような。
とんびさんが、エル・ジェムから乗られた列車、謎ですねえ。
一応、スースの駅がチュニスと同じような行き止まり式になっているのは確認しています。側線でもあるのかな。
スースからモナスティールやマハディァに行く路線があるのですが、スースの駅とはまた別に、港の方に駅が独立してあります。港の駅とスースの駅はかつては結ばれていたようで、線路が残っているのですが、今では走れないようになっています。なので、こちら経由ではないと思いますが。
ちょっと謎です。
投稿: ヒョウちゃん | 2009年11月15日 (日) 13時45分
電車の旅も面白そーって読み進めましたが、なかなか大変だったようで。そう考えると日本の鉄道は至れり尽くせりなんでしょうね。椅子は個別になってて妙にカッコイイ。
投稿: lastsmile | 2009年11月16日 (月) 20時33分
lastsmileさん、こんにちは。
チュニジアでは列車の本数に対して、乗客が多すぎるということが問題なんだろうなと思います。
まあ、暑いことは暑いですが、わたしゃしっかり座れましたし。
イタリアなんかでは、優等列車のチケットを求めるのがかなりの手続きを踏んだり、慣れないマシンを操作してチケットを求めるあたりが手間なんですけど、ローカル線や優等列車でない長距離列車、レッジョナーレ(RE)やインターレッジョナーレ(IR)などは、余裕で座れます。そして、南部に行くとかなり年代物の客車なども運行されていて、ノンエアコンです。はっきりいって、こっちの方が暑く、次第に眠気を催してきます。
さらには、タイのローカル長距離列車、これに途中から乗り込んだ方が辛いです。もちろん、ノンエアコンでいつあくともわからない座席をにらみつつ、立って我慢するんですよね。
それに比べりゃ、楽でした。
チュニス-スファックスがこんなありさまだったので、戻りのスファックス-スースは1等車にでも乗ってやろうかと思いましたが、窓口ではしっヵり2等と呟いていたです。こちらも楽勝で座席確保でしたが。
あと、経験してないのですが、チュニスの近郊路線などには、けっこうかっこいい新型車両が導入されていたりします。ただ、チュニジア鉄道は電化されていないようなので、ディーゼルなんですが。
その点、似たような状況にあるモロッコの方が、電化されているし、標準軌道の余裕ある作りとなっています。鉄道に関してはモロッコの圧勝という感じです。
投稿: ヒョウちゃん | 2009年11月16日 (月) 21時26分
謎の側線を通るような列車の日本版というと、かつての東北本線から水戸線へと直通するような列車でしょうか。
小山駅に停まるとスイッチバックすることになるので、貨物線を通って直通していました。
投稿: 伊 謄 | 2009年11月23日 (月) 13時24分
伊 謄さん、こんにちは。
宮脇俊三によると台湾にも側線を通る旅客列車があるそうですが、スースの場合はよくわかりません。
いちお、Google Mapなどでも見てみたのですが。
チュニスから南方面行きの列車では、通常、いったんスースに入り、進行方向を変え、元来た線路を通り、側線を使って、エル・ジェム、スファックス方面へと向かうのですが。
列車によっては、スースに立ち寄らず、そのまま進行方向を変えずに、スファックス方面へ向かうものもあるようですが。
投稿: ヒョウちゃん | 2009年11月23日 (月) 14時38分