涙のサンダーロード/Bruce Springsteen
かすてら音楽夜話Vol.21
世の中ゴールデンウィークまっただ中ですが、ひたすら休養に努めています。そんなわけでスキャンもできず、困った時の音楽話です。
今回紹介するのは、ブルース・スプリングスティーン。「Born In The USA」の人です。デビューは古く、1973年。だいたいイーグルスあたりと被る年代ですが、ボスの方が若干若い。出身も東海岸のニュージャージーなのでイーグルスのテイストとは異なります(もっともイーグルスのメンバーは全員が西海岸出身ではなく、ロスに出てきて身を立てた)。
イーグルスと違うのはブルースが典型的なブルーカラー出身であること。ここにアップするのに、いろいろとYouTubeの映像を見比べましたが、気づいたことがいくつか。
日本を代表するロックシンガーに、佐野元春と浜田省吾がいますが、どちらもブルース・スプリングスティーンの影響をもろに受けていることですね。
デビュー年と年齢順に浜田省吾から例を挙げると、そのファッションです。両袖を取り去ったネルシャツ。Tシャツもビルドアップしたような肉体を強調するようなぴっちりしたものを着用する。とはいえ、音楽性はかなり異なりますね。浜田省吾はその見かけよりもはるかにメロディアスな曲を作ります。
一方の佐野元春ですが、デビューした頃、来日したアメリカの評論家が「ブルース・スプリングスティーンの弟」と評したくらい、音楽スタイルが似ている。例えばブルースの「Jungle Land」と元春の「Heart Beat」、「Rock & Roll Night」などは酷似しているといってもいいだろう。とはいえ、歌っている内容はかなり異なると思うが。また、これはわざとではないだろうが、両者ともに音程が一定しない。もちろんレコーディングされた曲においてはそんなことはないのだが、ライヴではこれがもろにでやすい。とはいえ、それが迫力を生んでいるのですが。これは今確認したばかりですが、ライヴで元春が感極まって行う「両膝スライディング」もとっくにブルースが取り入れていたのですね。映像では、おまけにEストリートバンドのクラレンス・クレモンズとあんなこともしているし。
では、お聴きください。曲は「Thunder Road」(涙のサンダーロード)。
ということで、パリでのライヴ。やはり観客は英語がわかる人が少ないみたいですね。骨太で汗のにおいのするイメージですが、ナイーブで繊細なところも見せてくれます。(★映像差し替えました。ブルースの公式チャンネルより。)
さて自分自身のブルース体験ですが、1980年のアルバム『The River』(初の1位獲得アルバム)あたりからだろうか。とはいえ、なかなか自由になるお金のない時代。アルバムを揃えるようになったのは最近という。
その後、1984年の『Born In The USA』が全世界で2000万枚というセールスをあげ、一躍アメリカの顔となったのだが、この星条旗をモチーフにしたアルバムジャケットから「強いアメリカ」のようなイメージを持たれ、かなり誤解を受けたようです。彼はネオコンでもなんでもなく、第43代アメリカ大統領ブッシュ(息子)の再選に対して反キャンペーンを取るほどの民主党支持者なのであった。
いやあ、それにしてもやはり若いですね。ちなみに、ボスは昨年還暦を迎えたようです。
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コメント
いやぁ若いですね、ブルース・・、ヒゲもなくさっぱりと。
そしてこれもまた名曲、この頃のブルースはホントに魂のこもった名曲がまた多いです。高校生の時に聴いた「明日なき暴走」はその熱さにちょっと衝撃でした。
投稿: lastsmile | 2010年5月 4日 (火) 03時24分
lastsmileさん、こんにちは。
1949年生まれなので当時、36歳くらいでしょうか。
ま、やはり若いですよね。
「Born To Run」(明日なき暴走)は、知っていたのですが、自分のブルース・スプリングスティーン歴は「Hungry Heart」から始まっています。アルバムでいうと『The River』ですね。名曲が多いです。
また音楽話行きますので、よろしくお願いします。
投稿: ヒョウちゃん | 2010年5月 4日 (火) 13時36分