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2010年9月 5日 (日)

バジャイという名の三輪タクシー

インドネシアという国は、アジアで第三位の人口を抱え、首都ジャカルタも人口1000万人に手が届くかという勢いなのだが、社会的なインフラが整備されていない。それは交通網でも同様で、ジャカルタだけでなくどの都市に行っても地下鉄がないのである。

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<トランスジャカルタ乗車口>K-7/Sigma20

その代わりに走っているのが、トランスジャカルタというバスウェイで、均一3,500ルピアという料金。専用のバス停のみに停車し、専用のレーンを走ることになっている。また、一定の客数しか乗せないので渋滞知らず、快適な利用ができるとのことだが、慢性的な渋滞を繰り返すジャカルタの交通事情は、隙間さえあれば歩道でも平気でバイクが走行するという状況なので、専用レーンもほどほどに守られているといったところだろうか。また、トランスジャカルタの定員も、つり革があるところから察すると、かなりの人数を乗せるということだ。実際1回だけ利用したのだが、始発ではシート数の人数であとは次というさばき方をされるものの、途中のバス停からはつり革の人数分くらいは乗せるのである。このあたりの判断は乗り込んでいる車掌のような乗務員の勘のようなものなんだろう。

しかし、トランスジャカルタの路線は限られていて、あとは市内バスとタクシー、自前のバイク(バイクタクシーもある)というのが、市民の足である。そんな中で目を引くのが、バジャイという三輪タクシーである。自分のような交通オタクになるとその姿はどうしても引きつけられてしまう。

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<バジャイ>K-7/DA15

典型的なオート三輪の改造車。タイではトゥクトゥク、インドではオートリクシャーというのがその名称である。バジャイとの違いは後部のタイヤが非常に小さく、その部分にエンジンがあるようで、後部の客席が斜めに持ち上がっているように見える。また、後部にもドアがあり、乗り降りがめんどくさそう。トゥクトゥクやオートリクシャーに比べると客席の快適性は劣ると思う。それに頼りなさそうなタイヤ。見ている分にはいいが、乗りたくないなと感じた。

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<ショートタイプ?>K-7/Sigma20

その翌日、比較的新しいタイプと思われるバジャイを見つけた。後部座席が持ち上がっていない。後部のタイヤ径は同じようだが、エンジンがフラットに置かれているのだろうか。とにかく、このバジャイは料金交渉が必要。ジャカルタというのは特に観光に特化した都市ではないので、あまり乗る必要性もないようだ。

町を流しているタクシーの料金はメーターを使い、それも比較的安いので、バンコクと同じように必要ならばタクシーとなるのが、一般的なツーリストなんだろう。今回バジャイには乗らなかったが、バンコクのトゥクトゥクと同じように次の機会があれば乗ってもいいかも知れない。でも、バジャイはジャカルタ以外では見ることがなかった。バジャイに乗る日はいったいいつになることだろうか。

【お詫び】旅先でのジャカルタ通信のコメントでバジャイをベチャと紹介してしまいました。ベチャというのはマレーシアでトライショーと呼ばれるものと同じタイプの三輪自転車タクシーです。バジャイはインドの二輪メーカーで、三輪自動車の製造、オートリクシャー用エンジンの製造もしていたようです。アジアを中心に販売網を持つそうで、ジャカルタの三輪タクシーはこう呼ばれるようになったようです。

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コメント


記事が軌道に乗ってきましたね。
先日は都内某場所で、ヒョウちゃんがブログ・スランプに陥ったんではないかと話していたところだったんですよ。
くしゃみが出ませんでしたか?
たくさんインドネシア紹介してください。

投稿: スクムビット | 2010年9月 5日 (日) 16時51分

スクムビットさん、こんにちは。
なんですとぉ!
6~7月の頃はPCが逝かれ、これはほぼ修復したものの、いろんなソフトを入れなくてはならず、かなりダメージが大きかったんです。
スキャナーも入れ直しだし。
それでも、この旅で撮ってきたモノクロームを1本スキャンしたので、以前のチュニジア・フランス、アンコール遺跡も忘れた頃にあっといわせてやろうという、目論見です。
それでも、ブログはともかく、ホームページの方は、まだ修復できてませんが。
とにかく、目先のインドネシア、ほぼ画像を修正するくらいなので、フィルム時代のような手間はかかりませんので、こちらからやっていくつもりです。
ネタ出しはかなりしてあるので、更新ペースが早いと思います。
それでも、年末くらいまでかかるかも知れませんけど。反応がないとつまらないので、どんどんコメントしてくださいね。

投稿: ヒョウちゃん | 2010年9月 5日 (日) 21時29分

こんばんは♪
バス以上でタクシー未満の
交通手段ってアジアには必ずありますね
ワタクシには平均基準値がタイなので
(そこしか知らないとも言う)
なんちゃってTUKTUKに見えちゃいます

楽しみにしとります!
アブラののったマレー半島記事同様
チュニジアも期待度高し!

投稿: trintrin | 2010年9月 5日 (日) 23時00分

ジャカルタではメータータクシーが主流になったのですね。以前はブルーバードとシルバーバード(ちょっと高級)がメーターで安心して乗車できました。空港では専用のカウンターを探して利用しました。高速道路はメーターとは別料金でそのつど現金で渡してました。

投稿: 04mat | 2010年9月 6日 (月) 11時38分

 おー、懐かしのオート三輪。ちょっと違うけど。
 インドでは、オートリキシャーによく乗ったな。ジャカルタはバジャイなんですね。
 東南アジアでは、未だこういう乗り物が健在なんですねー。

投稿: マサエ。 | 2010年9月 6日 (月) 12時10分

trintrinさん、こんにちは。
バス以上準タクシー未満なんて乗り物もあったりしますが。
ま、自分の場合はどこに行っても日本が基準みたいなところがありますから、交渉でもメーターでもそうした乗り物にひとりで乗るというのがどうしても抵抗があるんですね。もったいないというか、ぼったくられるんじゃないかとか、まあ小心者です。でも、結局は安くて乗ってしまうんですけどね。

マレー半島…どうも、タイフェスでの発言が後を引いているような。
チュニジア記事はほぼ終わりかけているんですが、ちょっとスキャンして早くフランスも書きたいななんて妄想もしています。
でもまあ当分はインドネシアでしょう。
ともあれ、待っていてくださいませ。

投稿: ヒョウちゃん | 2010年9月 6日 (月) 22時04分

04matさん、こんにちは。
ジャカルタでは町中ではメータータクシーばかりでしょうね。
空港では、04matさんがおっしゃるように、専用の「タクシー」という名の、バカ高いクルマで移動する羽目になります。あれ、安宿の1泊分くらいの料金ですね。
自分が利用したエアポートタクシー(プリペイド)は、高速料金はタクシー持ちでした。
インドネシアではタクシーと称して勝手にトランスポートする商売が健在です。数回利用しました。
メータータクシーの話に戻りますが、かなり地域差があると思います。ジョグジャカルタではメーターありとなしのタクシーが混在してます。
4年前に行ったロンボク島のマタラムでさえメータータクシーがありました。
インドネシアではタクシーに気を抜けないのは、まだまだ遅れがあるということなんでしょう。でも、タイでもバンコク以外では同じような状況だから、インドネシアばかりという訳じゃありませんね。
こうしたタクシーを長時間契約すると、結構便利な乗り物であることは、シェムリアップで経験しました。
その後も、ベトナムのカントーからホーチミンまで移動したり、今回もボロブドゥールの帰り、ジョグジャカルタまで利用させていただきました。

投稿: ヒョウちゃん | 2010年9月 6日 (月) 22時18分

マサエ。さん、こんにちは。
わたしゃインドでは、眺めていただけですね。
一番利用したのは、ネパールでのことで、そこでは「テンプー」と呼ばれていました。
カラーリングも作りも、インドのオートリクシャーとまったく同じでしたけど。
オート三輪改造型のタクシーですが、東南アジアではベトナム、カンボジア、マレーシアに存在しないようです。
ただ、年末年始のシェムリアップで無理矢理作ったようなトゥクトゥク(と、呼ばれていた)があり、声をかけられました。2004年には存在しなかったのですが、プノンペンあたりにはなくて、タイからの客が多い、シェムリアップだけかも知れません。

投稿: ヒョウちゃん | 2010年9月 6日 (月) 22時22分

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