結局のところジャワ島ではジャカルタからジョグジャカルタの少し先、ソロまで鉄道で移動したことになる。大きな移動は愛称のついた特急または急行(区別がよくわからない)だったが、この他にも鉄道には乗っている。
<ジャカルタ・コタ駅>K-7/Sigma20
ジャカルタに到着した翌日、実質初日には宿の近くのゴンダンディア駅からかつてのバタビア地区のクタ駅まで鉄道を利用した。料金1,000ルピア、日本円にして10円という信じられない値段である。
ゴンダンディア駅には長距離列車は止まらないので来たやつに乗ればよい。最初に停車したのがこのタイプであった。これは電車でよく見ると「東急車輌」の文字が見える。どうやら日本の電車のお古らしい。内部もロングシートでつり革まであるが、余裕で座ることができた。東急車輌で作られた電車のすべてが東京近郊を走る東急電鉄のものではないのだが、これはどうやら東急田園都市線を走っていたものらしい。田園都市線は自分の居住地域をかすめるようにしているのだが、生活圏が違うのでまったく馴染みがなかった。
コタ駅はジャカルタを代表する駅のようにも思える。駅舎はかなり立派でバンコクのフアランポーン駅にも引けを取らないが、長距離列車のほとんどは市の中心部にあるガンビル駅から発車する。ここはただの終着駅に成り下がった存在である。
もっとも、クタを基点にボゴールなどへ頻繁にいろいろな列車が発着している。ほとんどは通勤通学用のものでいずれも日本の鉄道のお下がりを使っている。つまり電車だ。ま、中には人が満載でドアを開け放ちひどい場合になると屋根の上まで人が座っているものを数回見かけた。おそらく、スピードを出さないようなローカル列車だとは思う。通勤電車タイプのものだと、振り落とされてしまうだろうから。
<ボゴール駅にて>K-7/FA35
その翌日ジャカルタに近いボゴールまで足を伸ばした。料金は2種類あり、エアコン急行、11,000ルピアのチケットを購入した。インドネシアの鉄道駅にはせいぜい路線図などがあるばかりで、行き先の表示がないのが不安である。ボゴールに行く電車は結構頻繁にあるようだったが、駅で1時間近く待たされやってきたのが、この都営地下鉄三田線を走っていた車両であった(ガイドブックにそう記述があった)。
要するにかつて走っていた地下鉄のものと何ら変わりない。エアコンはもちろん入るが、なぜか扇風機が回っていたり、窓を開け放していたりするが、急行とあるからには途中の駅をすっ飛ばしていくのだろう。さほど、飛ばした感じはなかったものの1時間程度でボゴールに到着した。
ジャカルタ近郊を走るこのタイプの電車は節約のためなのか、インドネシア人が目がいいのかわからないが、内部の照明を切ってしまう。かなり暗い状態で走るのである。地下鉄の時は風景が見られなかったはずだが、結局眠りこけてしまい、同じことだった。
<急行Prameks号>K-7/Sigma20
ジョグジャカルタからソロまではやはり鉄道が便利だ。ジャワ島の都市部ではバスターミナルはかなり郊外にあるが、鉄道は都市の中心部に乗り入れている。ソロまではやはり急行で9.000ルピア。ま、ボゴールのエアコン急行の例もあるのであまり期待をしていなかったが、こんなやつが登場した。
ジョグジャカルタまで来ると鉄道は非電化区間となるため、ディーゼルカーとなった。機関車が車両を引っ張るのではなく、ディーゼルカー。ドアは自動だし、まあまあ洗練されているのだが、乗り込んだ人数が半端じゃなかった。エアコンもなかった。結局席には往復とも座ることができず、吊革をつかむこととなる。
ジャワの鉄道はこうした区間でも律儀に検札を行う。また、急行であるゆえんなのか飲み物や食べ物の車内販売があるのだ。人をかき分けて移動するだけでもかなり大変そうなのだが、乗り込んで座席に座ることのできた人たちは、結構その場で購入して飲食をしていた。ちなみに、この日からラマダンが始まっているはず。「旅行」をしているからいいと判断しているのかな。飲食することにまったくためらいもなかったように見えた。
東南アジアということでどうしても比較してしまうタイの鉄道ですが、タイの国鉄(王立鉄道)は電化されていないため、すべてがディーゼルカーか、ディーゼル機関車が客車を引っ張る編成のどちらかしかありません。そのディーゼルカーもほとんどは特急に使われているようで、バンコクなどの近郊を走るものでさえ、客車の編成ですね。ましてや、自動ドアの列車というものは優等列車を除いてありません。ということで、営業距離なども含めてインドネシアの鉄道の方がタイよりも進んでいて一般化されているように感じます。この間、ジャワ島内の鉄道で追突事故が起こりましたが、それでも鉄道を利用すると思う。
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