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2010年11月30日 (火)

ボロブドゥールのリバーサル画像

すいません。また、間が空いてしまいました。明日から師走で忙しいということにしておいてください。

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<睨みをきかす>K-7/FA50

今回の旅では、オールデジタルというわけではなくて、モノクロ2本、リバーサル2本を持参し、28mmレンズのみの高級コンパクトカメラ(今や死語です)、リコーのGR1sに詰めて、折りを見て撮ってきました。

当初はジャカルタなどだったために、モノクロで撮っていましたが、やはりくっきりカラーはボロブドゥールとバリ島だなと後半にリバーサルにチェンジ。ボロブドゥール2日目の午前、パオン寺院とムンドゥッ寺院でモノクロを撮りきったので、午後からはいよいよリバーサルの出番。とはいえ、使い出したのはもっぱら出発前の3日目の午前から。

石段を登り、ひとつひとつのステージを回っていく。見上げると鬼瓦のような顔がこちらを睨めつけている。これはデジです。

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<ストゥーパと露出した仏像>K-7/FA50

いよいよ最終ステージ。それまでは正方形の回廊が続いていたが、最終ステージは視界が開け、3段の円形の基壇となっている。そこには、等間隔に並ぶ小さなストゥーパが林立していて、最上部の大ストゥーパを取り囲む形だ。

この小さなストゥーパの中には仏像が納められていて、そのうちいくつかは壊れていて仏像が露出している。これは発掘中に壊れていたか、壊してしまったのだなと思っていた。しかし、昨日たまたま読んだ世界遺産の本の中にその答えがあった。

何でも、イスラム過激派により1984年に破壊されたのだそうだ。個人的にはいくつか露出している部分があった方が、暖かみがありいいなとも思うが、破壊されないまますべてのストゥーパが完璧なままで、林立していたらどんなに神秘的なものなんだろうとも思う。

それにしても、昔はいたんですね。過激派。ちょうどこの旅の頃はラマダン真っ最中だったのに、人々はかなり平然と飲食していたようにも思うんだけど。

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<何を想う>GR1s/GR28mm/RDPIII

これですよ。このコントラストの出方が、リバーサル。これも、スキャナーで読み込んだものです。画素数では圧倒的にK-7のオリジナル画像に負けてますが、縦480ピクセル、横720ピクセルに縮小し、さらにブログ用に画質を落とした状態ではどうでしょうか。

リリース当時は名品といわれたGR28mmレンズも今や、平均以下のレンズだと思いますが、天気も良かったこともあって、かなり奥までピントが合っています。また、一時代前のカメラとレンズであるため、周辺部が光量不足でやや暗くなっています。これは、たぶん、一眼レフのMZ-3でも同様の状況となるでしょう。

これが、昔のカメラ(自分にとってはつい最近までのカメラ)で撮った典型的な画像です。でも、こういうのが味があっていいんですよね。

と、いうことで、今回はうんちくが多くなりました。デジタルと比較という意味で3点紹介しました。まだもうちょっとボロブドゥールは取り上げたいと思いますが、思い切りは引っ張りません。早くバリの記事も上げたいので。

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2010年11月23日 (火)

ジャワの卵料理と牛肉料理

ボロブドゥール初日の夕食。バスターミナルあたりまで行けば、食堂があることはわかっていたが、疲れたのでホテルのレストランで撮ることにした。マノハラはかなりの水準のホテルだが、レストランは格式があるもののリーズナブルな値段設定なのだ。

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<レストランでの演奏>GR DIGITAL

ここはほぼ宿泊客しかいない。ちなみに朝食を取るのはここではなく、コーヒーショップにてビュフエ形式で供される。厳かに奏でられている演奏も控えめでさほど気にならない。

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<フーユンハイ>GR DIGITAL

このたびでは定番となったビンタンをオーダーし、料理を待つ。まずは、フーユンハイ。見るからに美味しそうなインドネシア版オムレツといったところ。かけてあるソースはほどよい甘辛プラス酸味のあるもの。画像は上げなかったのですが、炊きたてご飯と絶妙なマッチングです。

ちなみに、インドネシアではもちろんインディカ米を使いますが、結構ふっくらと炊けています。日本人には合うご飯なのではないかと思いますね。カンボジアの炊きたてご飯とも似ています。

タイのご飯はこれに近いものもありますが、店によって変わります。ミャンマーあたりまで行くと、完全にインディカ米という感じになり、ツーリストとしてはチャーハンやビリヤニにして味わうしかないような。

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<ビーフサテ>GR DIGITAL

こちらはビールのつまみ。ムスリムの国ながらあまりお目にかからないのが、牛肉料理なのですが、ここにはありました。

やや固い感じもありますが、ほどよく焼けた肉に絡み合う辛めのソース。普通チキンのサテにはピーナッツソースがかけられますが、ビーフにはそうではなかった。普通のサテに飽きたならば、こちらもいいかも知れない。

支払いは宿泊客なのでサインし、チェックアウト時に精算。116,000ルピアでございました。ただし、ビールが50,000した。料理単品ならばかなりリーズナブルだと思います。

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2010年11月20日 (土)

ムンドゥッ寺院のベンガル菩提樹

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<ムンドゥッ寺院>K-7/Sigma20

はるばる歩いてムンドゥッ寺院に到着。閑散としたパオン寺院と違い観光客だらけ。しかも、サンライズツアーの時に見かけた連中ばかりで、クルマをチャーターしてきたらしい。

ムンドゥッ寺院も本堂のみが残るが、パオン寺院の数倍はありそうな大きさで堂々としている。

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<レリーフ>K-7/Sigma20

本堂に上ってぐるりと一周できるものの、壁面のレリーフを撮すには近すぎてかなりデフォルメされてしまうため、地上のレベルから撮影してみたがそれでもこんな感じ。かなりの痛み具合で、ボロブドゥールやパオン寺院の方がきれいだと思う。

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<如来像>K-7/Sigma20

本堂内部には仏像が3体。この如来像が世界でもっとも美しい仏像のひとつといわれているらしい。これは石造りだそうだ。

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<土産物屋>K-7/Sigma20

この中には土産物屋があり、菩提樹の鉢を売っていた。よく見ると、インドのブッダガヤから持ち込んだ種から育てたものと説明書きがある。

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<ベンガル菩提樹の巨木>K-7/Sigma20

本堂とやや離れた場所にはベンガル菩提樹の巨木があった。インドネシアではこの木をバンヤン樹と呼んでいるようだが、同じものである。ジャワでもバリでもこの木はかなりあるが、ここのベンガル菩提樹はひときわでかい。先ほどの土産物屋ではブッダガヤからの種と書いてあったが、もしかするとこの木がブッダガヤから持ち込まれ、この種で育てているのではないかと推測する。

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<遊ぶ子供たち>K-7/Sigma20

菩提樹の元では手製のロープと滑車を使った遊具が設置されていて、地元の子供がいつまでもこれで遊んでいる。

ただ、ここの子供たちは観光客に慣れきってしまったのか、カメラを向けても見向きもしない。まあ、それが自然なことなのだろうが。

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2010年11月14日 (日)

パオン寺院で扇の交換

ボロブドゥール2日目。早朝のサンライズツアーに参加したあと、近所の寺院に行ってみた。パオン寺院とムンドゥッ寺院である。

この2つの寺院はボロブドゥールと直線で結ばれ、こちらも世界遺産であるだろう。午後から再びボロブドゥールを見て回るとしても、時間が余ってしまうので歩いていくことにした。

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<トウモロコシを干す>K-7/Sigma20

幹線ではないが対抗2車線のよく整備された道を歩いていく。クルマはたまにぶっ飛ばしていくが、きちんとした歩道があるのでそれほど問題はない。所々歩道の途切れているところもあるのだが、そうたいした問題ではない。そして、周囲の農村風景を眺めながら歩く。トウモロコシのオレンジが目に鮮やかだ。

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<パオン寺院>K-7/Sigma20

訪ねたパオン寺院は本堂を残すだけの小さな遺跡だった。近くには小さな土産物屋があり、他に観光客もいないことからしきりに土産物を勧めてくる。

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<レリーフ>K-7/FA35

本堂の4面には仏像のレリーフが刻まれている。ただ、それだけである。観光は終わった。

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<土産物屋の女性>K-7/FA35

再び取り巻く土産物屋たち。とりわけ熱心に勧めてきたのがこの女性だった。手にはインドネシアの扇。扇子なら出発前にダイソーで購入した安物を持っている。試しに見せると、交換に応じてくれた。消費税込みでたったの105円なんだけどなあ。

女性が左手に持っているのが、自分が上げた扇子。メモリーなのでOKとのことだが、結構作りが甘いので、今頃ぶっ壊れていないことを願うのみである。

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<もらった扇>GR DIGITAL

ちょっと実用的ではないので、その後使われることはなかったが、彼女の言葉ではないが、こちらもよい思い出ができた。それにしても、ダイソーの扇子でこうしたものを取り替えてしまうなんて、沢木耕太郎の言葉ではないが、「旅慣れたが故にどこか計算高く、饐えたような匂いを発しているのだ」では。…いや、そんなことはないんですがねえ。

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2010年11月11日 (木)

ボロブドゥールの夕陽

マノハラにチェックインしたあと、荷物整理もそこそこに、遺跡に向かった。宿泊客には1泊あたり2日分のチケットを配布することになるが、通常の入場口から向かう必要もなく、ホテルの敷地内から柵の間にある簡単な出入り口からアクセスすることになる。そこには、遺跡の係員がいるわけでもなく、いわばフリーパスである。遺跡内でチケットを見せてくれと尋ねられたら、持っているホテル発行のチケットを提示するだけのことだ。だが、その機会は一度も訪れなかった。

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<ボロブドゥール遺跡>GR1s/GR28mm/Neopan Acros

遺跡は小高い丘の上にある。その階段を上り詰めて初めて遺跡の全容が明らかになる。ボロブドゥールは長年忘れ去られていたが、一時ジャワ島がイギリス領となった時の総督、トーマス・ラッフルズが、この地にボロブドゥールを発掘した。山に埋まっている巨大な寺院があるという噂を信じたのだ。

なので、丘の上にある寺院といっても、その丘の上はきれいにならされている。おそらく作った人は丘を削り整地し、寺院を建てた後、これを埋め戻したのではなかろうか。

こういう上ることのできる建造物に来るといつものことだが、ひとつひとつのレベルをぐるっと回りながら一通り写真を撮っていく。なので、一通り見るのにかなりの時間を要するが、今回は比較的時間を早めることにした。なんといっても、午後3時過ぎの見学開始なのである。

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<最上段へ>K-7/DA15

そんなわけで早いペースで見学。翌日以降にはなるがこのあと何回となく来ることができるので、その時のロケハンのような気分で写真を撮っていった。何はともあれ最上部へ。

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<ストゥーパ群>K-7/DA15

そこは中央にある巨大なストゥーパを取り囲むようにして小さな無数のストゥーパが並ぶところだった。この中には仏像が納められている。

この下のレベルはスクエアな空間で壁にはびっしりと仏陀のレリーフが刻まれている。そして、上を眺めるとジャワ風の鬼瓦のような像や仏像が建ち並ぶところで、壁画のレリーフを除きさほど変化がないところである。

そんなことを考えているといつしか夕暮れが近づく。光が弱くなって、コントラストが次第に失われていくのだが、赤やオレンジの光が差し込み、再び異なったコントラストを取り戻す瞬間である。

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<ボロブドゥールの夕陽>K-7/Sigma20

この時の感覚ではまだまだ明るい感じ。手前のストゥーパあたりに露出を合わせていたら、こんな風にはならないはず。ちょうど太陽が雲の間に隠れ混みその瞬間を利用して、太陽や雲に露出を合わせて撮ってみたらこんな具合になりました。

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<夕陽その2>K-7/Sigma20

こちらは、少し場所を変えて、壊れたストゥーパから露出している仏像を入れて撮ったもの。デジタルですが、リバーサルに負けない色を出してくれました。

こんな具合に、デジイチでの夕陽の最初のトライでしたが、上手くいきました。これをリバーサルで撮るとなると、あと15分から30分は待つ必要があったと思います。

一応ボロブドゥールでは、5時に近づくと係員が容赦なく客を追い立ててしまいます。今までのMZ-3であったならば、この写真は撮れなかったはず。あるいは別の季節に来る必要があったかも。

まだまだ、ボロブドゥールの記事は続きます。何てったって、ハイライトですから。

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2010年11月 7日 (日)

マノハラ・ホテル

ボロブドゥールはこの旅のハイライトのひとつ。是非とも宿泊して、壮大な夕陽と朝陽を見たかったのだが、到着予定がはっきりしないため、予約なしで出向いた。ジョグジャカルタに列車で到着した時、駅のホテル予約所で頼み込んでみると、予約できた。

何事もトライしてみるものである。同様にボロブドゥールからジョグジャカルタに戻る時に、マノハラのフロントでお願いしたら、マリオボロ通りにある比較的よい宿が予約できた。しかも、そこまでの送迎も可能であった。インドネシアの物価からすると結構しそうな感じだが、旅行者の感覚からするとそうたいしたものではない。時は金なりである。

で、ボロブドゥールにはジョグジャカルタからローカルバスで向かい、宿まではベチャで行く。ボロブドゥール随一のリゾートホテルだが、怪訝な顔をされることがないのがアジア旅のよいところである。

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<ベッドルーム>GR DIGITAL

マノハラはすべて平屋のコテージ風の建物で構成されている。1棟あたり7室程度が並び、こうしたものが、6棟くらいある。

客室はいうまでもなく、今までで最高の部屋。ベッドの上には世界遺産ボロブドゥール遺跡の写真集が置いてあり、これ見よがしにページが開かれている。こういう宿も初めてである。

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<シャワールーム>GR DIGITAL

浴室はバスタブ付きではなかったが、個人的には全く気にならない。これで十分だ。

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<テラス部分>GR DIGITAL

そして、窓の外には広いテラスがあり、ここで存分に洗濯物を乾かすことができた。まあ、夜冷え込むために意外に乾きが悪かったのだが、太陽の光で乾かすことは気持ちがよい。

なぜ、このマノハラなのか。ボロブドゥールは辺鄙な場所にあるが、他にも宿はある。1泊あたり675,000ルピア。そうたいしたことはない。まあ、クレジットカードが使えるという利点はある。だが、それだけではないのだ。

このホテルは、ボロブドゥール遺跡に隣接し、遺跡への出入りに高額なチケットが必要ないのだ。ガイドブックによれば遺跡の入場料は12USドル。だが、プランバナンが11USドルだったところ、13USドルしたので、15USドルくらいするのではないだろうか。結局、遺跡には4回も足を運んだ。その料金を考えると宿代がそれほどのことでもないとわかるだろう。また、マノハラは早朝のサンライズツアーを主催していて、宿泊客は割引料金で参加できる。この時使用した懐中電灯は記念品代わりらしく、返却不要である。

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<朝食>GR DIGITAL

このような宿なので、ボロブドゥールで宿泊を考えている場合、絶対に泊まった方がいい宿なのである。朝のすがすがしい空気の中食べる朝食も最高である。これで部屋にWi-Fiが付いていればいうことないのだが、実はフロント周辺でネット接続ができる。このことにはチェックアウトの時に気づいた。それだけが残念。

このあとしばらく、ボロブドゥール関連の記事が続きます。

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