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2011年4月21日 (木)

タイの長距離バスとロットゥ

タイのバスはかなりの忍耐を要するものである。この旅では長距離バスに2回乗った。1等エアコンバスだと思うが、かなりのオンボロである。

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<ハジャイ-チュムポーン>K7/FA35

ハジャイからチュムポーンまでは旅行社でチケットを購入した。料金500バーツ。マレーシアからタイに来て、通貨単位が変わったため、一瞬かなり高いなと思ってしまった。そして、チュムポーンに行く当日、チケットを購入した旅行社でピックアップのシーローに乗り、バスターミナルへ。バスはシーローの運ちゃんが案内してくれ、その場でチケットを渡された。

それによると正規運賃は340バーツとあり、160バーツが旅行社の取り分。かなりの手数料が上乗せされているが、まあ、シーローで送ってもらったことでもあり、このあたりは目をつぶる。

タイの道はマレーシアに比べかなり凹凸があり、ひどい音を立てた。特にこのバスにはトイレが付いていたのだが、タイ式のために水をためる桶のようなものがあって、凹凸を乗り越えるたびにこれがものすごい音を立てる。実際にはシートを通して振動などは伝わってこないのだが、ガラガラガッシャーンという音が鳴り響き、精神的に心地よいものではなかった。足下に置いていたカメラとパソコンを入れていたバッグが影響を受けてしまうのではないかと思ったほどである。

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<チュムポーン-バンコク>K7/FA35

前にも書いたが、チュムポーンからバンコクまでは、到着したバスターミナルでチケットを購入したものの、時間帯が合わず、あらためて別の旅行会社で早朝発のチケットを手に入れた。前に購入していた夜便のチケットは払い戻してもらう。

夜便のチケットは掛け値なしの347バーツ。早朝便は450バーツ。間違いなく旅行会社の方が手数料が上乗せされているはず。旅行会社に向かうと、ピックアップトラックで送迎された。この時はここでチケットを購入した外国人旅行者4人分がひとまとめのチケットだった(つまり、1枚しか手元に残らない)ため、正確な料金はわからない。

外観は良さそうに見えるバスだったが、乗り込むとかなり古びていた。今度のバスはトイレは付いていない。

ハジャイからのばすも、チュムポーンからのばすも、途中から空席がなくなっても、客がどんどん乗り込んできた。つまり、立って乗る客が多数いることになる。ほとんど効かないサスペンションと騒音以上にこれは辛かった。立ち客が辛そうなのもあるが、目のやり場もなく、車窓というものがなくなってしまうからでもある。

途中休憩はどちらもあったが、タイ語が話せない身としてはいつ出発するのかがよくわからず、ハジャイからのバスではドライブインのようなところで、カップラーメンを食べ、チュムポーンからのバスでは味の付いた乾パンのようなものを購入し、小腹を満たすだけであった。

タイは鉄道網があまり整備されてなく、便数が極端に少ないことから、長距離の移動はバスが主体となるが、そのような国で座席指定のバスに、立ち客を乗せるというシステムが存在するのは、インドに近いものがある。また、東南アジアでも、隣国マレーシアではこのようなことは絶対にない。快適なバス旅をするには、VIPバスしかないような気もする。

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<ロットゥの車内>K7/DA21

一方、200km程度の移動には、ロットゥが便利である。ほとんどが大型のミニバンで、客は最大11人まで。場合によってはトイレ休憩くらいはできる。エアコンも入っているし、バスよりも絶対に速い。今回は、チュムポーン-ラノーンとバンコク-ロッブリーの2区間で使った。いや、ハジャイ-ソンクラーを入れると3区間か。ただ、大きな荷物置き場がなく、持ち込めるかどうかは客の乗り具合によるだろう。

問題なのは、ガイドブックにあまり記載がなく、見つけるのが難しいこと。バンコクならば、戦勝記念塔から各地に向かう便がある。そのほかの地方都市では、聞くしかない。表記はすべてタイ語である。

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2011年4月14日 (木)

注いでくれるというサービス精神

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<チャイヨー>GR DIGITAL

チュムポーンの夕食。再びひとりである。バンコク~チュムポーン~ラノーン~プーケット~ハジャイと回ってきたとんびさんの情報に従い、駅前にあったPAPA2000という、海鮮中心のレストランに入る。まずは、ビールをピッチャーで頼む。ここには、ビール会社が派遣している注文取りの女性がいて、ウェイターがメニューを持ってくるよりも先にこの女性がやってくる。

その女性はハイネケンの服を着ていたので、しょうがねえなと思いつつも、ハイネケンをオーダー。無理矢理ビアシンやビアチャーンを頼むこともできるけれども、あまりスマートじゃないなと思ったからだ。

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<エビのオイスターソース炒め>GR DIGITAL

ビールの注文のあとで店員がようやくやってきた。もちろん海産物から料理を選んだ。やはり海が近く、新鮮なエビが味わえる。プリッキヌーとともに、こしょうもかなり使われていて、スパイシー。でも、美味しい。

バンコクあたりだと同じ料理でもかなりマイルドな味付けなのだが、やはりタイの地方は旅行者向けではない料理が味わえる。

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<豚肉のカレー炒め>GR DIGITAL

正式名称はそうではない気もする。トムヤムクンにも使われるバジルの葉と極小なす(豆のように見える緑のもの)も一緒だ。赤の中型唐辛子、プリッキヌーをふんだんに使ってある。辛い。辛いが故にビールもご飯も進む。

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<箸休め>GR DIGITAL

激辛の部分を口にしてしまった場合、水分を取るとかご飯を口にするとか対処方法はいろいろあると思うが、タイ人がよくやっているのはこのような野菜を口にすることじゃないだろうか。キュウリにインゲン。いずれも火を通していない生だ。ちょっと変色しているのは食感からも漬け物そのもの。タイにもこんな発酵食品があったのか。

これらは、2番目の料理に付いてきたもの。まあ箸休めとしかいいようがない。

ところで、ここは、ビールをピッチャーで運んでくれたものの、テーブル上にあるのはビールのグラスのみ。ピッチャーはワゴンに乗せられ、氷も添えられた。ビールを注ぎ足したり氷を投入するのにいちいち立ち上がってワゴンを引き寄せる必要があるが、その役目は店員がやってくれるのだ。

そういえば、ノーンカイの大衆食堂みたいなところで夕食を食べた時にも、ビールとともに氷の入った容器が添えられ、ビールは店員が注いでくれた。タイも地方都市に行くとこうしたサービスを笑顔とともに受けることができる。ま、自分の場合は飲むペースが速いから、自分でやっちゃうんですけど。

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2011年4月 8日 (金)

沢木耕太郎の足跡を追うその3~タイの列車

「沢木耕太郎の足跡を追う」シリーズ最終回。テーマはタイの列車。といっても、自分自身は使っていないのですが。

 列車は一時間ほど遅れて午前三時にチュムポーンに着いた。

(中略)

 プラットホームから駅の周辺を眺め渡したが、月明かりに背の高い椰子の木が照らされているばかりで、およそ商店街などと呼べるようなところはありそうもない。いったい宿屋があるのかどうかさえも覚つかない。

(沢木耕太郎「深夜特急」より引用)

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<チュムポーン駅>K7/DA21

チュムポーンから最終目的地、バンコクまではバスで移動する予定だった。チュムポーンに着いて、宿を探しざっと荷物を整理して、再びバスターミナルに戻る。そこでバス便を探した。だが、2日後の昼の便はソールドアウト。仕方なく夜行バスを予約する。

2日後にはバンコクで宿を予約している。さてどうしようか。その足で駅に出向いた。翌日の夜行列車に乗ることができれば、2日後にバンコクに到着する。時刻表のバンコク行きすべてをメモに写し取り、窓口で訊ねてみたが、空席はない。

2日後の早朝発のバンコク・ノーイ(トンブリー)行き鈍行列車があった。これに乗ることができれば、相当な時間はかかるだろうが、バンコクに夜遅く着き、宿の予約が無駄にならずに済む。こちらはどうだと訊ねたが、当日来てくれと軽くあしらわれてしまった。

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<プラットホーム>K7/DA21

時刻はそんなに遅くない。ちょうど夕食を食べるのに適したような時間。ホームはかなり暗いが、旅行者らしい人や物売りも行き来している。カオパットや麺などを食べさせる簡易食堂もオープンしている。ちょうど列車がやってくるところらしい。

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<駅入口>K7/DA21

駅を出ると沢木耕太郎の描写の通り、椰子の木が揺れていた。このあと沢木氏は同情していたタイ人の若者たちの家に行くことになるのだが、そんな感じの家並みも見える。

結局のところ、バンコクに行く手だては、宿の近くの旅行会社を兼ねたバックパッカー宿で手配できた。2日後の早朝便である。押さえていた夜のバス便はキャンセルでき、全額が戻ってきた。ひとまず安心なのだが、何となく夜行列車の雰囲気は感じることができた。

 疲れていたのだろう。ハジャイ行きの列車に乗り込むとすぐに眠り込み、眼を覚ますとハジャイの駅に着く十分前だった。

(中略)

 朝六時。さすがにハジャイはチュムポーンやスラタニーより大きな町だった。しかし、まだバスは動いてないという。

(沢木耕太郎「深夜特急」より引用)

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<ハジャイ駅>K7/DA21

ハジャイに着いた時も、次の移動手段をどうしようかと思っていた。また、あまりタイバーツを持っていなかったので、とりあえず駅付近まで出てみて両替所探しとチケット探しをしようと思った。だが、外貨両替をする銀行も両替所も見つからず、見つけた旅行社もバスを扱っているようだったが、クラビやプーケットの文字は見えるものの、チュムポーンという地名が見つからなかった。

そして、駅に。この時も列車がやってくる雰囲気があった。そして、日本人に声をかけられる。北海道で農業をしているという男性だった。冬は農業ができないので、夏の間に稼いだ資金で旅をしているのだという。彼に教えられ、両替を済まし、一緒に食事をした。

ハジャイからチュムポーンもとんびさんに教えられた旅行社で手配できた。しかし、列車に乗ることはできなかった。出会った男性はこの時、駅で幸運にも夜行列車を予約できたのだという。

どうも、タイの長距離列車には縁がない。まあ、絶対数が少ないというのもある。乗ったことのある列車は、いずれも普通列車の短区間利用ばかりで、座席予約した列車というものがない。いつかは乗って、旅を楽しみたいのだが。

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2011年4月 4日 (月)

ラノーンで足湯

ハジャイからはチュムポーンへ。バスで朝出て着いたのは夕方。「深夜特急」ではないが、バンコクのフアランポーン駅の案内所で「何もないところ」と紹介されたとおり、タイ湾にあるタオ島への入口であるというだけ。

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<道路標識>K7/DA21

なので、チュムポーンから123km離れた、アンダマン海に面したラノーンへとやってきた。ロットゥで約2時間。チュムポーンがあるのはタイ湾側。ちょうど反対となる。ここは、対岸にミャンマーのコートーンという町があり、簡単な手続きで渡ることができる。だが、そのまま、ヤンゴンあたりまで行くことはできない。あくまでもコートーンのみに限られる。

だが、ラノーンに来たのは、ミャンマーに渡るためではない。それをやるなら、間違いなくラノーンで泊まる必要があるだろうし、現にここに渡ったハジャイでご一緒したとんびさんによると、渡し船にも満たないような小さなボートで救命胴衣は人数分足りず、かなり揺れて怖かったとのこと。

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<足湯>K7/DA21

ラノーンには温泉が沸いているのだ。水着も持ってこなかったことだし、せめて足くらいは浸かってみようと思った。まあ、このあたりはとんびさんの情報を前もって聞いていたからでもあるのだが。

温泉は、バスターミナルから1kmくらい離れていた。あまり信用のできない「地球の歩き方」の地図を見て行ったのだが、ちゃんと到着した。場所は川の中州のようなところで、ちゃんと足湯もできるようになっている。

どこにいたのかというくらい、タイ人たちが足を湯に浸している。たぶん、みんなクルマで来たのだろう。サンダルを脱ぎ、旅で疲れた足を浸す。うん、なかなか気持ちいい。

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<源泉>K7/FA35

さらに上流部に行くと、源泉と思われるものがあり、ここでポリタンクに湯を貯める人たちがいた。入浴に使うわけではなく、飲用水として使うのだろう。この水を飲んだわけではないのでわからないが、水を汲みに来ている人がかなりいるということは、飲用に適したものなのだろう。確かに、湯は熱かったが、匂いや濁りはなかった。

先ほどの足湯の設備のところで、水着で肩まで湯に浸かっているタイ人や旅行者を目撃した。本当はルール違反らしい。そんなことをしなくても、ここから道路を挟んだところに入浴用の施設がある。とはいえ、日本以外の温泉って、どこも、個人用の密室空間となるか、共同のスパというか、温水プールみたいになるから、あまり楽しめないですね。

もっとも、海外で温泉に直接触れたのはここが初めて。台湾の温泉、西安の楊貴妃も入ったという華清池なども行った経験はあるのですが、直接体験したのはここが初めて。

足は軽くなり、幾分綺麗になったものの、再びくたびれた汚いサンダルに足を通すのがもったいなかった。

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