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2011年10月10日 (月)

スノウリの退屈

かすてら音楽夜話Vol.26

スノウリの宿話です。ポールトラベルを利用して2泊した宿。名前は、パラダイスというのだが、天国にはほど遠かった。

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<201号室>GR DIGITAL

宿には20:00過ぎに到着。はじめ、日本の大学生、韓国人のバックパッカーと同じ3人部屋に入れられたが、翌日も泊まることもあり追加料金を払いひとり部屋を確保した。天井にはファン。これが唯一の文明の利器か。ドアを閉め切ってしまうとまったく風の通り抜ける余地がなく、暑くてたまらない。

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<トイレとシャワー>GR DIGITAL

トイレとシャワーは共用ではなく一応ついていた。だが、床の汚いこと。掃除をしたとは思えないものである。一応温度を変えるコックはあったが、全くの見せかけでもちろん水しか出ない。まあ、出るだけでもありがたいか。

部屋の壁には幾多の旅行者が残していった魂の叫びのような落書きがそのまま残る。この宿は落書きを消すこともなく、部屋の掃除は数日に1回行うかどうかというところだろうか。ベッドの敷物は取り替えた形跡がない。

あまりにも汚いシャワー室なのだが、暑いし爽快になりたいので、サンダルを履いたまま水シャワーを浴びた。この日到着したヴァラナシーからの旅行者は翌日も同じ服を着ていたので、ただ眠っただけでシャワーも浴びていないようだった。

翌日観光に出た。朝はスノウリの町を撮影して歩いた。ルンビニから戻ってもまだ陽が高く、もうやることをやってしまったので昼寝くらいしかやることがない。しかし、ここはスノウリ。停電が頻発し、ファンが回らない。本当に困ったものである。

 

この時の心境は「翳りゆく部屋」の歌詞みたいなものだったろうか。この曲はユーミンの荒井由実時代のラストシングルである。陽は沈まないし、暑いし、やることはないし。まったく電気はいつ来るのだろうか。

ユーミンもいいのですが、個人的にはここ数年はまりつつある、エレファントカシマシのカバーでお楽しみ下さい。いいんですよね、宮本浩次。

そんな感じでやることもなく、部屋で何もせず時が過ぎゆくのを待っている。そのうち、夕陽が出た。

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<スノウリの夕陽>K7/FA77

これで気が紛れる。カメラを取り出し、部屋の窓と廊下から撮影する。部屋は割と高いところにあり、路上ではこの夕陽は見ることができない。ここに泊まって、唯一得したのがこの夕陽を見ることができたことか。

さあ、夕方のスノウリを撮影し、この宿ではないところで食事をしよう。この宿の食事のひどさはわかっているし、これ以上ここに金を落とすこともなかろう。

この夜、新たにヴァラナシーからやってくる旅行者を待っていたが、誰も来なかった。もしかしたら別の宿に行ったのかと思ったが、翌日のバスでは外国人旅行者は自分だけだったので、やはりポールトラベルは適当に旅行者が集まるまではミニバンさえ出さないのだなと思った。

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コメント

確かにかなり汚いシャワー室ですね。アジア圏で安宿をつないで旅行するとこのような事態は避けられません。私はこのようなときのために室内用サンダル(軽量のビーチサンダル)を持ち歩いており,このようなシャワー室はサンダルをはいたまま利用しています。

スノウリの唯一の収穫である夕日は雲が出ているためとてもきれいですね。ルンビニの夕日は太陽が薄くなって消えていくだけでした。あと,ヒョウさんの泊まった部屋の落書きは見てみたいですね。でも,スノウリに宿泊するのは願い下げだな…。

投稿: 亜細亜育ち | 2011年10月11日 (火) 10時11分

スノウリはやばそうですね(^^ゞ
ルンピニに泊まろっと

投稿: kimcafe | 2011年10月11日 (火) 21時51分

亜細亜育ちさん、こんにちは。
いやあ、ホントにばばっちいです。
アジアの安宿といっても、ここまでひどいところもなかなかないと思いますよ。最近では。
ちなみに、はじめに泊まらされそうになった3人部屋(実際にはベッドが5台あって、2台ずつくっつけてひとり用としていました)でも、トイレ・シャワー室は変わらないです。
夕陽ですが、この前日バスに乗っている時にもかなりの夕陽だったんですが、この日も見えたということですね。
タライ平原の夕陽だけはいいです。

部屋の落書きも写真に撮っておけばよかったなあ。
でも、意味不明なものもかなりありましたが。
他の宿もかなりあるんですが、どんなもんでしょうねえ。
でも、翌日のポカラ行きのバスにけっこう裕福そうなインド人の集団が乗り込んでいたので、まともな宿もありそうですけどね。

投稿: ヒョウちゃん | 2011年10月11日 (火) 23時48分

kimcafeさん、こんにちは。
スノウリ、ゲキヤバです。
快適さを求めるなら、4km先のバイラワまで行ってしまった方がいいでしょう。
ポールトラベルだと、あんな時間にスノウリに着いてしまうので、直行バスのないルンビニまで行くのはかなり無謀かもしれません。
ここの国境は緩いのですが、スノウリとバイラワの間に軍のチェックポイントがあります。ですが、バイラワまでだったら、まあ何とかなりそうです。
ただ、スノウリに泊まっていると、バスの始発点なので、最初のうちだけですが、バスに快適に乗り込むことができますね。

投稿: ヒョウちゃん | 2011年10月12日 (水) 00時07分

トイレの床の汚れはナンでしょうね?
うーん、ニオイが漂ってきそう。
こんな宿だと気が滅入ったでしょうけど、日本ではなかなか得られない経験ということで。
私は汚いのはそれほど気にならないんですが、ニオイがだめなんです。
トイレのニオイ、下水のニオイ、中でも一番我慢できないのはベッドに染み付いた人の汗のにおい。

ネパールで経験しました。

投稿: スクムビット | 2011年10月12日 (水) 21時14分

スクムビットさん、こんにちは。
ちょっぴり再開していただいて、嬉しいです。
床の汚れは泥なんじゃないかと思います。
部屋がものすごく暑いので、凝り固まってしまったのではないでしょうか。
仰るように貴重な体験でした。
ひどい宿ランキングでは堂々の2位を差し上げたいと思います。
まだあるのかというと。あるんです。
それは、中国青海省、ゴルムドとラサの間で泊まった、交通旅社です。トイレ、洗面台無し。ベッドオンリーの土間。もちろん暖房などありません。
いちお、ワタクシのホームページのチベット旅行記に出てきます。
スノウリの宿の次のランクは…決められませんね。
ぐっと設備がよくなりますから。
あと、宿が暑くて乾燥しているので、匂いは不思議となかったんですよね。

ベッドに染みついた匂いですけど、あまり感じませんでしたここでは。
モロッコのティトアンでどうしても宿が取れなくて、そんなベッドがありそうな宿に連れ込まれそうになったことがありますが、振り切って逃げてきました。
地元ローカルが使いそうな宿では、こういうの大ありなんでしょうねえ。
沢木さんはそんな宿をインドからアフガニスタンにかけて泊まり歩いていたようですが。

投稿: ヒョウちゃん | 2011年10月12日 (水) 22時46分

鍵はかかるのでしょうか?

窓辺に置いた椅子にもたれ
あなたは夕陽みてた
なげやりな別れの気配を
横顔に漂わせ

椅子もばっちそうだし(無いかっ!?)
もたれたら汚れちゃいそうですが
夕陽の写真は荒井由美にあっていますよん
この歌ユーミンの歌でワタクシ的には第2位なんです
なんちゃって ^^;

投稿: trintrin | 2011年10月13日 (木) 19時50分

trintrinさん、こんにちは。
外鍵は南京錠です。内側からは、1枚目の写真のドアの右上にある金具でロックをかけます。
インドの安宿ではこういうタイプが多いです。

ええ、ユーミンではなくエレカシを持ってきてしまいましたが、ご容赦のほどを。
ユーミンのライヴ映像はたまに、Youtubeに出るのですが、たいてい削除されてしまいます。
でも、宮本浩次の迫力、このカバーを出したあとに、ユーミンから直接声がかかって、番組にゲストで呼ばれたとか。
あと、補足しますと、「なげやりな別れ…」は、この日カトマンズとポカラに発ってしまった同じミニバンからやってきた連中のこと…なんちゃって。

投稿: ヒョウちゃん | 2011年10月13日 (木) 23時08分

ここに投稿になってしまいましたが。
本日
凄いツライことでした。
渋谷陽一、パンク、スターリンとか音大。
全部重なっているのですよ。
個人メールの方に行きます。

投稿: たか | 2017年7月14日 (金) 00時53分


たかさん、こんにちは。
昨日のことになってしまいますが、ミヤジと太田光の対談が最高でした。
「Fighting Man」も最高。
♪正義を気取るのさ~。

投稿: ヒョウちゃん | 2017年7月14日 (金) 22時54分

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