ポカラでの小さな幸せ
ポカラに到着し、タクシーで駆けつけたのがLovely Mountという宿であった。特に前評判をきいたわけではないが、カトマンズまで運行するバス会社のGreen Lineのオフィス兼発着所がすぐ近くにあることから、選んだのである。
<203号室>GR DIGITAL
思えば、13年前の1998年末、カトマンズからグリーンラインでこのあたりに到着し、客引きのいうままに泊まったのが、この隣にあるHotel Greenなのであった。その時の印象はもう薄れてしまったが、部屋の造りなど似ていないこともない。その頃から利便性第一で選んでいたようでもある。
どう見てもぱっとしない宿ではあるが、マネージャーのサミル氏がなかなかにフレンドリーで親切である。この部屋は10USドルだが、もうちょっといい部屋もあるはず。Hotel Greenの時は、その半分の500円くらいの部屋(当時のレート、250ネパールルピー相当)に最初泊まり、最後の1泊のみ最上階のバスタブ付きの部屋、10USドルに泊まった。物価の上昇もあるものの、円高でもあるので、さほど変わらないような感じもする。
ベッドサイドのランプが切れていても、トイレにペーパーがなくても、きちんとお湯は出るし、WiFiも備わっているのだ。800円くらいの部屋でも十分満足であった。ところで、ここに到着し、顔を洗うとタオルが黒ずんだ。すさまじいスノウリやバスの窓を開けていたところから、汚れが付着したらしい。いやあ、鏡はよく見るものです。まあ、スノウリでは鏡らしいものはなかったけど。
この宿はすべての部屋にサミル氏が考案した盗難防止装置が付いている。といっても、ただのかんぬきなのだが、これがドアを内側からふさぐようにしてついている。
<盗難防止装置>GR DIGITAL
まあこんな具合。ドアは内側に開く。ドアを閉じ、ロックした後、このかんぬきを掛ける。近年ポカラでは、宿にも強盗が出るようになったとかで、これで何となく安心といった気持ちにはなるか。
やや古めの宿ではあるが、ここはお勧めである。冬に来れば、部屋からマチャプチャレも見えるはず。さらに屋上に出ればばっちりである。
<アサヒスーパードライ>GR DIGITAL
その夜、早速ひとりでの到着祝い。ここはやはり日本食でしょう。またかよという声も聞こえそうですが。ともかく、宿の近くにある、「たべものや」というわかりやすいネーミングのところに行く。ビールは唯一おいてある日本のビール、スーパードライを。個人的にはあまり好きなブランドではないが、やはり日本の味に飢えている。
ここではガラス製できなく陶器のグラスである。しかし、この旅に出てスノウリ以来2回目のアルコールであるためか、スーパードライであっても、アルコール感を強く感じてしまった。
<豆のチップス>GR DIGITAL
料理が用意できるまではこれで我慢。サービスの豆のチップスである。これはインドにもある。
<豆腐サラダ>GR DIGITAL
絶対的野菜不足を補うためと豆腐を食べたいのでこれを頼む。ドレッシングがほどよい感じで、豆腐も自分好みで硬め。外国で豆腐を食べると、日本のように大量生産ではないためか、しっかり手作りしてあり、レシピにも忠実で大豆をたくさん使って、ソーダではなくにがりを使用したものが多いと思う。
<カツ丼>GR DIGITAL
メインはこれ。みそ汁、漬けもの付きのカツ丼。カツ丼はバンコクでもチェンマイでも食べたなあ。ポカラのカツ丼は豚肉にやや癖があるようで、ちょっと固かった。そば処なので、素直にそばにすればよかったかもという味。でも、腹が減っていたので、そばではやや物足りない。
外国での日本食ですが、みそ汁はまあ合格のところが多いですね。ただ、問題は漬けものです。おそらくほとんどのところではぬか床を持っていないため、酢漬け野菜なんですね。そこまでは期待していないけど、どうせだったら、キュウリのキューちゃんくらいでいいんですよね。
さて、ポカラでは他にも日本食を気軽に味わえます。レイクサイドでも何軒かあるし、日本人が多いというダムサイドにはパックパッカーが直接レシピを伝えたという、老舗のアニール・モモがあります。
その他、確認できたところではイタリアン、中華、ドイツ、韓国などの料理が楽しめます。カトマンズも同様ですが、まあなんでもありですな。もちろん、インド、ネパール、チベットの料理もあるので、その日の気分で選び放題。しかも、この時期は旅行者も少ないので、待たされるということがない。まあ、旅行者の増える冬でもそんなに状況は変わらないと思うけど。13年前から比べると店も宿も増え供給過剰気味だから、旅行者は大切にされると思いますよ。
ところで、カツ丼などの値段ですが、1155ネパールルピーと、宿の代金を上回ってしまいました。まあ、ビール2本飲んだからねえ。
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コメント
信じられないような激安のホテルに泊まれて、思いもよらぬ日本食に癒されて、言うことなしですね。ポカラには何日いてもいいような感じ。いゃぁ、行ってみたいですね。
投稿: とんび | 2011年11月 3日 (木) 06時13分
円高が進み、10ドルでもあまり高いと思わなくなりましたね。それとちょうどきりのよい数字なので、こんな値段なんだろうと思います。
ポカラはツーリスティックなところですが、山を見るとかくらいしか、楽しみはないので、長逗留すると退屈するかもしれませんよ。
ただ、こんな環境なので、ゆっくりするにはいいでしょうね。
投稿: ヒョウちゃん | 2011年11月 3日 (木) 21時59分
1ドル120円の時代の10ドルと80円時代では全く違いますよね
カンヌキのドアはなんか安心感あるし、日本料理で心行くまで楽しめますね(^^ゞ
投稿: kimcafe | 2011年11月 4日 (金) 19時20分
1990年代前半、円高で1ドル90円台を記録した時は、あまり実感がなかったのですが、その後ドルが強くなり、再びこういう時代が来るとは思ってもいませんでした。
わたしゃ、1ユーロが160円台という時にもヨーロッパを旅していたのですが、こんなんじゃやってられねえと思いつつ、昼は軽食ばかりという時もありました。
なので、今がリベンジの時なのです。
宿何となくいいでしょ。
あれでもWiFiがついてるし、電力落としても非常用の電気はつくし、インドよりも進んでいるんですよね。
おまけに日本料理選び放題と来れば、いうことなしです。
投稿: ヒョウちゃん | 2011年11月 5日 (土) 00時32分
ポカラってエベレストに一番近い
ヒルトンホテルがあるのだよ
旅慣れた方にいわれたことあります
1ドルが70円台ですもんね~
昭和が遠ざかります
歴史的円高って5文字でおさまりがいいのか悪いのか
スーパードライ好きじゃないけど
お写真拝見してつい買ってしまったのだ・・・
すぐに感化されてしまうのです
投稿: trintrin | 2011年11月 5日 (土) 14時21分
ポカラはアンナプルナに近い地域で、トレッキングといってもアンナプルナベースキャンプまで行くことができます。
ここまで来ると完全にヒマラヤの世界で、憧れちゃいますね。
エベレストはネパールの東側にあり、ポカラとはカトマンズを挟んで反対側になりますね。また、ポカラにヒルトンはありません。いい宿はたくさんあるんですが、今のところ、アメリカ系の巨大資本ホテルはまだやってきていません(そんなもん来るなと思ってます)。
エベレストに近いナムチェだったかに、日本人経営だったか、日本人のマネージャーのいるエベレスト・ビューなるホテルがあったと記憶していますが。
話は変わって、スーパードライを飲んだのはこの時くらいで、あとはネパールのローカルビールになっていきます。
投稿: ヒョウちゃん | 2011年11月 5日 (土) 20時45分