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2013年6月23日 (日)

台糖レトロ駅舎

日本のJRと大部分の私鉄は、1067mm(3フィート6インチ)の軌道である。ヨーロッパをはじめとする、世界の大部分の軌道は、1435mm(4フィート8.5インチ)で、標準軌とされ、これより広いものを広軌、狭いものを狭軌と呼んでいる。

台湾の在来線、台鐵も日本と同じで、これは植民地時代に日本が鉄道を敷設したからだ。しかし、台湾には762mm(2フィート6インチ)の阿里山森林鉄路というものがある。現在はほとんどが運休中だが、これまた日本が作ったもので、台湾東海岸の花蓮・台東も、同じゲージを使用していた。

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<かつての台東線SL>K7/DA16-50

台北車站の外側には、こんなSLも展示してある。台東線は1982年に他と同じ1067mmに改軌されたが、阿里山森林鉄路と精糖会社の762mmの鉄道はいくつか残っていた。当時、鉄道ライターの宮脇俊三氏が台湾を訪れて、ナローゲージの鉄道に乗っている。「台湾鉄路千公里」(角川文庫)という本になっているが、探すのは難しそうだ。

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<阿里山森林鉄路、嘉義駅>K7/DA16-50

嘉義駅の片隅に阿里山森林鉄路のホームが1面だけある。倒木による脱線転覆事故、土砂崩れなどがあり、嘉義から阿里山まで全面運休中である。従って列車の姿はない。阿里山・祝山は運行しているらしいが。

なお、阿里山森林鉄路についてのレポートは、ここを参照のこと。

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<鹿港車站>K7/DA16-50

鹿港に出かけたとき、ここにもかつて、鉄道と駅が存在したことを知った。台糖とあるのは、台湾糖業のことで、サトウキビから砂糖を製造する会社である。その運搬に762mmの鉄道が敷かれ、一部旅客も扱っていた。

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<ディーゼル機関車>K7/DA16-50

この路線は彰化との間を結んでいたようだ。これを調べていくうちに、一部の路線ではトロッコを走らせ観光客を呼び込んでいるらしいことがわかった。

駅舎はかなり立派なものだが、何も使われていなかった。砂糖に関する商品などを土産物を作り、ここで販売するとか、駅舎の一部を宿にしてしまうとかすると、町おこしの一環になりそうだが。

阿里山森林鉄路には往復で乗ってみたが、かなりの揺れ、保線の状態も悪く、自然災害のリスクなどもあり、結構恐ろしい乗り物だった。台糖の路線は、ほとんどが平野部にあり、これを観光用にするのは、いいことかもしれない。しかし、安全にお願いしたい。

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コメント

台湾には昔は今はなき路線がたくさんありましたね。いつの間にかなくなっていきました。阿里山鉄道も長らく休業が続いていますね。事故の後、廃止されてしまうのじゃないかと思いましたが、廃止だけはまぬかれましたが。高雄で台糖の路線を観光用に復活させたところがあります。今度どうでしょう。
http://tombi00.sakura.ne.jp/taiwan2/taiwan102.htm

投稿: とんび | 2013年6月23日 (日) 03時32分

ちょうど先ほどテレビで機関車トーマスをやっていました。
最初の写真の蒸気機関車、まさにトーマスに出てきそうな感じです。
バスや車とは違い、鉄道は昔そこで活躍していたということが明白なので、見ると昔働いていたときのことを思いめぐらせますね。きっとこの機関車が動いていたときには今とは全く違う政治経済の状況であったわけです。
その環境の中で生きていた人がこの機関車を触っていたかと思うと郷愁を感じますね。

投稿: スクムビット | 2013年6月23日 (日) 09時07分

とんびさん、こんにちは。
嘉義からも北港に向かう精糖会社の路線があったようです。
台湾もレトロブームらしく、台鐵の使われなくなった路線でも、トロッコ列車の営業をやっているようです。
台糖のトロッコも、高雄だけでなくて、他でも走らせているようですよ。

投稿: ヒョウちゃん | 2013年6月23日 (日) 09時38分

スクムビットさん、こんにちは。
ヨーロッパなどでも、古い路線に昔の列車を走らせるようなことをやっているようですね。
ただ、あちらの物価なので、気軽に乗れるとは思えないのですが。
台湾の場合は、政治体制が大きく変わりましたよね。
あのSLが現役であった時代のことを思うと、今台湾からダイレクト便で中国本土に行けるなど、誰もが想像もしなかったでしょう。
でも、台湾はまだまだ大きく変換すると思います。
でも、どう転ぶかまったくわかりませんけど。

投稿: ヒョウちゃん | 2013年6月23日 (日) 09時43分

 太平山で762mmゲージを楽しめますよ(笑)。

→ https://www.youtube.com/watch?v=BO8tSabZYgY

投稿: 伊 謄 | 2014年6月11日 (水) 01時09分

伊 謄さん、こんにちは。
映像見せて頂きました。
宜蘭ですか。
烏來にも、トロッコ列車が走っていて、もちろんナローゲージです。
かなりスピードが出ますよ。
わたしゃ、乗ってきました。

投稿: ヒョウちゃん | 2014年6月11日 (水) 22時11分

 烏來は、1970年代は動力がまだ人力でした(笑)。

投稿: 伊 謄 | 2014年6月12日 (木) 00時11分

伊 謄さん、こんにちは。
なんと。人力とは。
タイヤル族とかが、担っていたんでしょうかね。

投稿: ヒョウちゃん | 2014年6月12日 (木) 21時34分

 普通の人たちです(笑)。
 人力で運炭する炭鉱もかつては多かったですから。

投稿: 伊 謄 | 2014年6月13日 (金) 12時55分

伊 謄さん、こんにちは。
炭坑従事者ということですね。
それでトロッコがあったのか。

投稿: ヒョウちゃん | 2014年6月13日 (金) 23時50分

 日本時代にかなりトロッコが敷かれました。
 動力には水牛を使うこともありましたし、天候によっては風力も使えました!

投稿: 伊 謄 | 2014年6月16日 (月) 13時21分

伊 謄さん、こんにちは。
なんかこの話、どんどん深まっていきますね。
やはり、日本の統治と関係ありますか。
考えてみれば当然ですね。
今でも、水牛が動力だったら、かなりの人気が出たかもしれませんね。

投稿: ヒョウちゃん | 2014年6月16日 (月) 22時13分

 昔は水牛だったようですが、今は柴油機車ですね。
 そして、荷がサトウキビから人間に代わったようです(笑)。

→ https://www.youtube.com/watch?v=RMThrTy4-sE

投稿: 伊 謄 | 2014年6月16日 (月) 22時56分

伊 謄さん、またしてもどうもです。
をを、ディーゼル機関車。
ワタクシでも、この程度の言葉は理解できます。
映像はいうまでもありませんが、狭軌鉄道を短い区間だけ復活させたところも多いようですね。

投稿: ヒョウちゃん | 2014年6月17日 (火) 00時00分

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