カラブリア鉄道
南イタリアを旅していたとき、ふと、カタンツァーロという小都市に行ってみたくなりました。今でもそうかもしれませんが、「地球の歩き方・南イタリア」ではせいぜいナポリのあるカンパーニャ州とシチリア島、あたりまでは網羅していましたが、南部三州(プーリア、バジリカータ、カラブリア)に関しては記述がごくわずかでした。
その日はバーリの宿を朝早く出て、イタリア鉄道(fs)の鈍行に乗ります。ローマから北へは新幹線に相当するエウロスター、急行に相当するインターシティ(IC)などが走っていますが、カタンツァーロまではレッジョナーレだけです。やはり、南北の格差があります。一度、ターラントで乗り換え、レッジョ・ディ・カラブリア行きに乗ります。かなりの時間がかかりました。
到着したのは、カタンツァーロ・リドという駅で、海岸沿いにありますが、中心部ではありません。乗車券を見ると、カタンツァーロまでは、ここでICに乗り換えです。ICはすぐにやってきて、乗り込んだものの、あっという間に、カタンツァーロに到着しました。ここから中心部まではケーブルカーがあるのですが、なんと、土日運休という、日本では信じられない事態に。その日は日曜日だったのです。
タクシーもなく、しょうがないので歩き出しましたが、途中の山道でクルマが止まってくれて乗せてくれ、助かりました。
実はカタンツァーロ・リドからも交通手段はありました。それが、カラブリア鉄道で、略称FDC。なんの略かはわかりません。これに乗れば、中心部のカタンツァーロ・チッタまで来ることができるのですが、なんと、この私鉄も土日運休なのでした。
<カラブリア鉄道>MZ-3/FA28-105mm
カタンツァーロにいても、特にこれといった観光資源がなく、カラブリア鉄道に乗ってみることにしました。ようやく月曜日になり、平常運転かと思いましたが、一部でストライキをやっているらしく、この時刻はカタンツァーロ・チッタとカタンツァーロ・リドまでの運行です。
<車内>COOLPIX 880
それでもいいやと、乗車券を購入します。経営のうまく行かない私鉄だからか、落書きだらけの車両です。まあ、イタリアに限らず、ヨーロッパの鉄道は落書きとともにあるといっていいのですが、ここのはひときわ凄かった。
<車内の刻印機>COOLPIX 880
車内には刻印機がありました。まるでバスのようです。イタリアではチケットを持っていても、刻印しないと罰金を食らう規則になっています。列車では普通これがないのですが、途中刻印機もないような駅に止まるからと思われます。
カタンツァーロ・リドまで往復し、午後はようやく動き出した、コゼンツァまでの往復を試みました。
<やはり落書きだらけ>MZ-3/FA28-105mm
車両の方がちょっと異なります。でも、たった1両の編成です。
<内部はイタリアン>COOLPIX 880
落書きされ放題の外部と違って、中は落ち着いていました。ここから絶景が続きます。その写真はないのですが。コゼンツァまでは、2時間半くらいかかりました。コゼンツァの駅で写真を撮っていると、駅員に肩を軽く叩かれ、ここまで写真を撮りに来てくれたように思われたようです。
戻りの列車でカタンツァーロに戻ると、すっかり陽は暮れていました。今、検索しても、カラブリア鉄道は出てこないんですよね。もしかすると、廃線になってしまったのかもしれません。
ちなみに、カラブリア州の州都はカタンツァーロです。
<2014/06/24追記>
もう10年以上前のことで、記憶が曖昧です。使用していたコンデジはIXYではなく、COOLPIXでした。
ネタがないので、さらに、昔の出来事を引っ張り出してきます。
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コメント
ドイツでもここまで酷い列車への落書きはありません(苦笑)。
投稿: おりんぴあ | 2014年6月22日 (日) 22時45分
カラブリア鉄道(Ferrovie della Calabria
)、つまりFDCの説明はイタリア語しかないようでした(笑)。 → http://it.wikipedia.org/wiki/Ferrovie_della_Calabria
最初の気動車がAutomotrice M4c.350シリーズのもの、次がAutomotrice FCL M2.200だと思います。
時刻表などは http://www.ferrovieincalabria.com/p/ultime-modifiche-orari-ferrovie-della.html でしょうか。
ここは蒸気機関車も持っているようで、今年は2月24日に動かしたようです。
投稿: 伊 謄 | 2014年6月23日 (月) 12時36分
そうですか。
行ったことはありませんが、ニューヨークはどんなもんでしょう。
日本だと、運休したり、ダイヤが乱れたりしますね。
投稿: ヒョウちゃん | 2014年6月23日 (月) 21時33分
詳しくありがとうございます。
このときの旅では帰ってからFDCの意味を日本語版wikiで調べられたのですが。
それにしても、まだ生き残っているようなので、嬉しいですね。
南イタリアには結構私鉄が走っているんです。なんなら、もうちょっと紹介してもいいかも。
投稿: ヒョウちゃん | 2014年6月23日 (月) 21時36分