« 絶品の仔牛のクリーム煮でイギリス行きに備える | トップページ | イングランド料理の味はいかに »

2014年10月 1日 (水)

ドーバー海峡を渡る

深夜特急の足跡を追うVol.15

Fe1129

<カレー・ヴィル駅>K-7/DA16-50mm

パリ北駅からカレー・ヴィル駅行きのTGVはがらがら。2時間弱で到着しました。改札を出て、海峡を渡るフェリーをチェックします。チケットさえ売ってなく、アクセスもよくわかりません。駅前の通りを渡ったところにバス停があり、SNCFの制服を着た男性がいて、たずねてみると、駅舎脇のバス停からフェリーターミナル行きのバスが出ているとのこと。

しかし、バスが来るのは1時間後でした。

Fe1148

<フェリーターミナル>K-7/DA16-50mm

バスは2.0ユーロ。15分ほどで到着しました。なんと小銭が不足し、キャリーバッグの中から5ユーロ札を用意しました。バスに乗車していたのは他に夫婦者1組だけ。

P&Oフェリーのドーバー行きチケットを購入。乗客のみ(footpassenger)で40.3ユーロ。TGVの中で「ここはカレー?」とたずねてきたアフリカ系男性もここにいました。タクシーを利用したらしいですね。時間と手間はかけたものの同じ便なので、自分の勝ちです。

3社のフェリーがありますが、P&Oのみがクルマやバイク、自転車なしの乗客が利用できます。チケット購入後はイミグレーションです。

ユーロの出国手続きはいとも簡単ですが、荷物検査がありました。これを過ぎると、UKの入国審査です。わざわざパリ北駅のユーロスター乗車口でゲットしてきたイギリスの入国カードを用意してきたのですが、女性の係官は滞在日数、宿泊場所などを質問するだけで、カードは必要ありませんでした。

しかし、「帰りの航空券を見せてください」の一言で、再びキャリーバッグを開けてeチケットの写しを見せる必要がありました。

Fe1149

<P&Oサービスバス>K-7/DA16-50mm

 バスは、パリを出て約六時間後の午後二時に、フランス大西洋岸の港町カレーに着いた。
 港では、バスにフランスのイミグレーションの係官が乗ってきて、軽い調子でパスポートを徴集して降りていった。しばらくすると、出国のスタンプを押し、同じような調子で返してくれた。
(沢木耕太郎「深夜特急」より引用)

沢木さんの時代は、まだユーロができていなかったし、イギリスの入国審査もカレーでは行われなかったんですね。

このバスでフェリーまで乗り付けます。キャリーバッグを開けてごそごそやっていたので、「もう出ますけど、乗りますか?」ときかれました。

Fe1150

<昇降口>K-7/DA16-50mm

ひえー、これのぼるんですね。ということでかなりでかいフェリーです。乗ってしまえばあとはどこに席を取ろうが自由。短い船旅を楽しみましょう。

 バスはそのままフェリーへ乗り込み、乗客はバスを降りて、船室に上がっていった。すぐに、船の後部にある食堂に列ができた。セルフ・サービスで食べやすそうだったが、値段が高かったので我慢することにした。一食くらい抜かすのはなんということもなかった。そのために、パリのホテルであのようにパンを大量に食べてきたのだ。
(沢木耕太郎「深夜特急」より引用)

Fe1154

<DECK7>K-7/DA16-50mm

ここを自分の席にしました。ほとんどの人が荷物が少なく、クルマやバスで乗り込んでいると思われます。ここよりも沢木さんが書いているように、セルフのフードコートに隣接した席に乗客が集まっていました。

Fe1165

<本日の昼食>GR DIGITAL

これで4.95ポンド。ユーロでも買い物できますが、釣り銭はポンドで戻ってきます。かなり高かったですが、エビのサンドイッチは割と美味かったです。

この船、Pride Of Burgandyというんですね。内部は新しく見えましたが、長年ドーバーの荒波にもまれているためか、外に出ると錆などが目立ちます。

沢木さんが乗ったバスはEurolines社のロンドン行きで間違いないと思いますが、フェリーはどの会社かわかりません。とはいえ、カレー-ドーバーの航路はどの会社も一緒なのでよしとします。

Fe1174

<カレー出港>K-7/DA16-50mm

船は前に進んだのかと思ったら、バックします。なんのことはない、自分が前向きだと思った座席が後ろ向きだったのです。

Fe1177

<カレー行きのP&O>K-7/DA16-50mm

途中でドーバーから来たP&Oとすれ違います。やはりでかいです。船内探索はほとんど終わっていたのですが、最上レベルでデッキに出られることがわかり早速行ってみます。

私は甲板に出た。進行方向の左手に太陽が照っている。だが、まだ、午後二時を過ぎたばかりというのに、陽は低く、光もひどく弱々しい。しばらく甲板で海と太陽を見ていたが、寒くなって船室に引き上げた。
(沢木耕太郎「深夜特急」より引用)

Fe1189

<雨と波に濡れたデッキ>K-7/DA16-50mm

 ようやく前方に陸地が見えてきたのは、船に乗って一時間後だった。陸地は前面が切り立った崖になっており、白茶けた岩肌にはまったく植物が生えていなかった。
 あれがイギリスか……。
 その先にロンドンがあるのか……。
(沢木耕太郎「深夜特急」より引用)

Fe1205

<ホワイトクリフ>K-7/DA16-50mm

デッキから引き上げしばらくたったあと、窓から陸地が見えました。再びデッキに向かいます。空は晴れ上がり、白い崖が見えました。

しばらくしてアナウンスがあり、ドーバーの港に入りました。

Fe1211

<ドーバー港>K-7/DA16-50mm

ここで船を下りますが、大半の乗客がクルマで来ていました。間違ってそちらに行ってしまい、あわてて引き返します。

Fe1219

<P&Oサービスバス>K-7/DA16-50mm

降り口から出てみると、港の出口までフリーのバスが待機しています。ついにイギリス上陸。なんと乗客は20名足らずでした。かつてイミグレがあったらしきところでバスを乗り換え、2.0ポンドでドーバー・プライオリー駅に向かいます。

| |

« 絶品の仔牛のクリーム煮でイギリス行きに備える | トップページ | イングランド料理の味はいかに »

Vehicle/Airplane/Ships」カテゴリの記事

Midnight Express」カテゴリの記事

201408 France & England」カテゴリの記事

コメント

UKの入管であれこれしつこく聞かれなかったのはよかったですね(^^)v。それとUKのサンドイッチはパサパサしてどうも唾が取られるようでイマイチ好きになれなかったのですが、どうでしたか(・・?

投稿: おりんぴあ | 2014年10月 2日 (木) 00時11分

船はいいですね
特に船での入国はわくわくします(^^ゞ

投稿: kimcafe | 2014年10月 2日 (木) 20時30分

おりんぴあさん、こんにちは。
もう少し詳しく書きますと、職業、入国目的、滞在日数、本日の宿泊地と滞在場所名をきかれ、最後に航空券提示でした。
自分の後ろに誰もいなかったので、かなり質問された方だと思います。
とはいえ、相手も平易な表現でしたし、ゆっくり話していたので、まったく問題ありませんでした。
サンドイッチはライ麦パンでしたが、エビがジューシー(北海産とありました)だったので、問題ありません。
サンドイッチはバス移動中などに数回購入しています。

投稿: ヒョウちゃん | 2014年10月 2日 (木) 21時52分

kimcafeさん、こんにちは。
昨年のランカウイ→サトゥーンに続き、船での入国となりました。
ユーロスターではパリ北駅でイギリス入国となりますし、やはりフェリーですね。
ついでにいうと、沢木さんがフェリーに乗っていた時間と同じでした。
ワクワク度倍増です。

投稿: ヒョウちゃん | 2014年10月 2日 (木) 21時58分

エビサンドと一緒に
よく見る柄の紙コップが!
スターバッカスコーヒーは
ドーバーの舟にもあるのね!!

投稿: trintrin | 2014年10月 4日 (土) 12時17分

trintrinさん、こんにちは。
そうなんですよ。
スタバはここだけでなくて、パリにもロンドンにもたくさんあります。
おそらくフランス人もたくさん乗る船なので、しょうもないコーヒーでは文句もたくさん出るでしょう。
また、イギリスでは驚くほどまともなカフェがたくさんできていました。
高額ですが。

投稿: ヒョウちゃん | 2014年10月 4日 (土) 13時35分

フェリーでの入国は風情があっていいですね。自分の場合は、英仏両国を訪問するとしても、時間的なこともあって、ユーロスターを利用するしかないかなって感じです。それ以前に、1回に1か国ってことになるでしょうが。

投稿: とんび | 2014年10月 6日 (月) 06時34分

とんびさん、7個目のコメントありがとうございます。
入国じたいはカレーで済ませてしまっているのですけどね。
やはり感動がありますよね。
最上部のデッキにあれだけドーバークリフを眺める人が出るってことでそれは証明されているんじゃないでしょうか。
ま、とんびさんもやってみたらいいです。
パリを早朝に発てば、夕刻にはロンドンに到着するでしょうから、短い期間でも大丈夫ですよ。

投稿: ヒョウちゃん | 2014年10月 6日 (月) 20時58分

たぶん、ヨーロッパに行っても現地じゃ2,3日ってことが今後多くなると思います。すでに、2度そのような旅行もしているのですが、1都市を選んで往復する形になると思います。

投稿: とんび | 2014年10月 6日 (月) 21時19分

とんびさん、こんにちは。
それでは仕方ないですが、今後状況が変わって、ちょっと眺めに行けるようになったら、このルートを活かす手もありますね。

投稿: ヒョウちゃん | 2014年10月 7日 (火) 22時18分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ドーバー海峡を渡る:

« 絶品の仔牛のクリーム煮でイギリス行きに備える | トップページ | イングランド料理の味はいかに »