沢木氏はなぜ大英博物館近くに泊まることになったのか
深夜特急の足跡を追うVol.16
だんだんと更新頻度が減ってきています。ネタ切れではないのですが、日常の業務が重すぎてなかなかこちらに手が回らなかったんです。と、言い訳をします。
さて、今回のミッションは「ロンドンの中央郵便局」に向かう前に、沢木さんがロンドンで泊まったB&Bを探してみます。
手がかりは次の一文のみ。
朝、大英博物館から五分という距離にあるペンションで、充実したイングリッシュ・ブレックファーストを食べると、私は、さて、と呟いた。さて、行くとするか、と。
(沢木耕太郎「深夜特急」より引用)
<ヴィクトリア・コーチステーション>K-7/DA16-50mm
こちら、ヴィクトリア・コーチステーションの到着側入口です。バスはここで車体を洗車してから乗客を降ろします。洗車の理由はわかりませんが、菌とかウィルスとか不純なものを取り除く目的があるのでしょうか。
某国にも市外からやってきたクルマは必ず、市の入口で水を浴びせられるというところもありますから、ここもそうなのかどうか。でも、自家用車はそんなことないですから、ヴィクトリア・コーチステーションにやってきたバスだけこうしているんでしょう。
ともかく、こうしてパリからやってきた沢木さんも同じような経験をしたと思われます。バスはユーロラインズに違いありません。
<ホテル紹介所>K-7/DA16-50mm
ヴィクトリア・コーチステーションにあるホテル紹介所です。バスを降りて出口に向かうと必ず通りかかるポイントなんです。そしてここが肝心です。パリでもフィレンツェでもローマでも自分の足で宿を探してきた沢木さんですが、ここで宿を斡旋してもらったと思います。
その理由ですが、まずは泊まった場所がここから徒歩では向かえない距離にあったことがひとつ。足で探すならば、ここヴィクトリア界隈もB&Bがかなりあることがひとつ。イギリスの宿は飛び込みを嫌い、その人のいでたちを総合的に判断して拒否したりすることがひとつ。などからです。
14年前の自分のことを引き合いに出しますが、この時はじめの1泊でさえ、予約なしで旅行したのです。ヒースローからパディントンに到着し、宿を当たりましたが、予算では泊まれず、そこで紹介してもらったモグリの宿に落ち着いたのです。
そしてリバプールではB&Bに飛び込みで交渉しましたが、「空室あり」の札がかかっているところでさえ、泊めてもらえず、悪夢のYMCAとなったのです。
そのため、ロンドンに戻ったとき、ここの紹介所でB&Bを探してもらいましたが、ヴィクトリアではなく、やはり大英博物館に近いラッセル・スクエアのB&Bとなりました。
沢木さんの場合あんなにも安いところをこだわり続けたのに、ヴィクトリア界隈で探さず、いきなり大英博物館近くに出向くというのは無理があります。それにドーバーのイミグレーションで一悶着あったあとですし、最終地点のロンドンではきちんとした宿に泊まりたいという意識があったのではないでしょうか。
<ヴィクトリア駅構内>K-7/DA16-50mm
そこで紹介してもらったのが例のところというわけです。あくまでも推理ですが。
そして、ヴィクトリア駅構内を抜けて、ロンドン地下鉄に乗り込みます。目指すは、ロンドン地下鉄のヴィクトリア線です。次のグリーン・パークでピカデリー線に乗り換え、ホーバン(「深夜特急」の表記ではホルボーン)にたどり着くのです。
<ロンドン地下鉄>K-7/DA16-50mm
大英博物館から徒歩5分あたりをくまなく回ると、ホテルの並んだ通りに出ました。
<ブルームズベリー通り>K-7/DA16-50mm
おそらくこのあたりでしょう。ロンドンのB&Bは比較的ホテルを名乗っています。部屋には洗面台はありますが、トイレとシャワーは共同です。
とはいえ、約40年の月日の間にぐっと宿の格上げがあったようで、ここに写っているMorgan Hotelは「歩き方」によれば、1泊シングルで110ポンドです。ラッセル・スクエアあたりはもう少し安いです。
本日はここまで。続きのミッションはもちろん、あれでございます。
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コメント
こういう推理は楽しいですね。
徹底して推理してから本人にその推理の経緯を説明し、正解を聞いてみたいものです。
沢木耕太郎ファンクラブのサイトを作って、推理を披露しあうのも面白いかもしれません。
投稿: スクムビット | 2014年11月22日 (土) 09時42分
けっこう今回の推測は正しいと思うんですが、どうでしょうね。
ワタクシも沢木さんに面と向かって、きいてみたいです。
とにかくロンドンだけは宿を探す描写がないんです。
投稿: ヒョウちゃん | 2014年11月22日 (土) 14時23分
ヒョウちゃんも昔はホテルの予約をせずに捜し歩く旅をされていたのですね。満室だったり、時には人相を見て断られることもありましたが、今から思い出すと楽しいものでした。
今は、旅の期間も短くなって、探している間の時間がもったいなくなったのと、昔は、泊まれさえすればホテルの質にはこだわらないって感じでしたが、今は、ある程度、ホテルの質にもこだわるようになったので、飛び込みはもう10年くらいやってないです。
投稿: とんび | 2014年11月30日 (日) 13時50分
今年度の旅行はすべて予約しているところに落ち着きそうです。
しかし、昨年はラノーンとフアヒンで飛び込みで見つけました。
今でもたとえ予約できたとしても、都市間のアクセスがはっきりしないようなところでは宿の予約はしないと思います。
それでも昔は感のようなもので宿のあたりをつけていたのですが、今ではネットである程度調べて飛び込みします。これなら外れがありません。
投稿: ヒョウちゃん | 2014年11月30日 (日) 21時11分