南北プロパガンダ施設
<ホー・チ・ミンのイラスト>K-7/DA50-200mm
近年のドイモイ政策もあって、すさまじい経済発展のベトナムですが、社会主義体制の国です。
サイゴンのドンコイ通りやバイクの洪水を見ていると忘れがちになりますが、一党独裁のけっこう恐い国でもあるのです。
すでにサイゴン陥落から40年以上経ち、ベトナムがアメリカと戦争をして打ち勝ったことを知らない世代が主流になってもわずかに残る社会主義を主張するものが存在します。
<統一会堂>GR DIGITAL
ホーチミン市に改称される前、ここはベトナム共和国大統領官邸でした。
<ニクソンとグエンカオキ>GR DIGITAL
入場料30,000ドン。1975年4月30日、ベトナム民主共和国(北ベトナム)軍の戦車が官邸の正面のフェンスを破ってサイゴンは陥落しました。当時の官邸は独立宮殿と呼ばれていました。
それ以前の北とベトコンの攻撃はすさまじく、南ベトナム国民と政府首脳は次々にサイゴンを脱出します。
南ベトナムの大統領や副大統領の執務室や各国首脳を迎える会議室などもあり、このような写真も数多く展示されています。
<屋上のヘリポート>K-7/DA50-200mm
ここから沖の米軍空母に逃げたともいわれています。当時のヘリをそのまま展示してあります。
<北の戦車>K-7/DA50-200mm
こちらは突入した戦車ですね。他にも何台か展示してあります。
逃げ延びられなかった普通のサイゴン市民はそのままとどまったわけで、その後の社会主義化で財産が没収されたり配給制になったりといい思いはしていないと思います。
アメリカ人以外は「ベトナム統一よかったね」みたいなムードでしたが。記念撮影に興じるのはベトナム人でも北からやって来た観光客か中国人でしょうか。今でも、ベトナム統一に関しては南北で温度差があるようです。
他にサイゴン近郊ではクチトンネルなどがプロパガンダ施設としては有名です。ベトコンの拠点ですね。ここも、わざわざサイゴン市民は訪れないでしょう。
<ホー・チ・ミン廟>K-7/DA50-200mm
ハノイではここでしょうか。中心部からはちょっと離れたところにあります。徒歩で30分くらいはかかりますか。
見学できるのは午前中のみです。入場料は無料です。入口を入ると、荷物を預けさせられます。しばらく行くと、カメラの預かり所があり、手ぶらで見学することになります。
<団体で入場>K-7/DA50-200mm
そして廟の近くまで来ると、一定の人数だけが入場できます。足並みこそそろえませんが2列になって入ります。中では立ち止まれず、ホー・チ・ミンの特殊処理された遺体を眺めることができるのは10秒以下ではないでしょうか。
中はとんでもなくエアコンが効いていて、警備の白服の儀仗兵が何人もいます。
そしてどういうシステムなのか、廟を出たところにカメラの返却窓口があります。ま、内部は撮れないってことで。
で、荷物は最初に預けたところでしか返却されないので、早く戻りたいのですが、その前に立ちはだかるのがわけのわからない公園で、40,000ドンかかりました。ここはパスして、別のルートから廟の入口を目差すのがいいでしょう。
ハノイ市内にいてもあまり社会主義の匂いはしないのですが、この儀仗兵は社会主義国的な動きをします。
<ホアロー収容所>GR DIGITAL
もうひとつの有名なプロパガンダ施設がここです。旧宗主国フランスによって作られた監獄です。フランス領時代はベトナム人の政治犯が収容されていました。
<ジオラマ>GR DIGITAL
こんな感じで収容されていたようです。
<ギロチン>GR DIGITAL
もちろんこんなものもあります。ワタクシの通っていた学校には博物館があってギロチンも展示されていましたが、それより遙かに大きいシロモノです。
その後、ホー・チ・ミンらはフランスを打ち破ることになり、フランスに替わって南を支援したアメリカと戦うことになります。
ホアロー収容所はアメリカの捕虜を収容する施設になりました。
<マケインを捕まえた>GR DIGITAL
この写真は共和党の元大統領候補、マケインがベトナムで捕虜になった瞬間のものです。
アメリカ人捕虜のジオラマはありませんでした。捕虜に対しては民主的な扱いをしたように写真と文書で示されていましたが。ま、さすがに映画ディアハンターのロシアンルーレットみたいなことはしなかったと思いますが。
また、国交を回復したアメリカ首脳との写真も展示してありました。ビル・クリントンとブッシュジュニアの写真はありました。オバマはなかったです。
<戦闘機>K-7/DA50-200mm
さすがにハノイは首都なので軍事博物館のようなものも多いです。北の戦闘機とか撃墜したアメリカの戦闘機の残骸とかがあります。
<レーニン像>K-7/DA50-200mm
おそらくロシアにも残っていないと思われるレーニンのブロンズが公園にありました。現在社会主義を標榜している国の中では最も自由度の高そうなベトナムにレーニンが残っています。
ネットの規制はありませんし。外国人にはほぼなんのストレスのない国です。でもけっこう、公安は無理矢理な取り締まりをしているようです。ホアロー収容所の前で交通違反の取り締まりをやっているところを目撃しましたが、何ら違和感のない運転でも取り締まりをしていたようです。
ともかくベトナム国内では政治問題に触れない方がいいみたいですよ。外国人にはほぼ無縁ですけど。
今日のベトナム人
<愛想のいい公安>K-7/DA50-200mm
統一会堂前の公安です。ま、ここは多くの外国人がやってくるところですから、特別なんでしょう。確か記念撮影にも応じていたみたいです。
他の公安はちょっと気軽に写真も撮れない雰囲気です。
(2016/12/02)
訂正
ホアロー収容所で捕虜になった人物の写真ですが、ケリーではなくてマケインでした。
ケリー(現オバマ政権国務長官)もベトナムに派遣されていますが、戦ったのは南部で捕虜にはなっていません。失礼しました。
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コメント
レーニン像、鳩とかとまっていないんですね
フンもついてないし
キレイでよろしいわ~
投稿: trintrin | 2016年12月 1日 (木) 08時28分
学校にギロチンがあったんですか⁉︎
刑務所にあるよりびっくり!
投稿: Lunta | 2016年12月 1日 (木) 09時20分
ギロチン、茶水ですかね。
私の知人が卒論、「拷問の歴史」とかで
博物館廻りしていたそうです。ウソw。
あ~。ドイツで遊んでいらっしゃる王子、
即位なされるそうです。
次にシティブなネタ。
小浜とヒラり国務長官は
軍事政権と対立していましたが、
トランプは強い政権がお好きなようです。
現地ではこの辺を喜んでいるらしいです。
敬語使いが下手だったら、スミマセン。
投稿: TACO | 2016年12月 1日 (木) 22時27分
trintrinさん、こんにちは。
ベトナム人、鳩も食べてしまいそうですが、不思議と鳩は見なかった気がします。
各地でぶった押されているというのに、ここで生き延びています。
投稿: ヒョウちゃん | 2016年12月 2日 (金) 01時25分
Luntaさん、こんにちは。
付属の博物館があって、ここに展示されていました。
他に鋼鉄の処女とか拷問器具もありましたね。
投稿: ヒョウちゃん | 2016年12月 2日 (金) 01時27分
TACOさん、こんにちは。
ビンゴです。
閣下から陛下にですか。
タイの国内情勢を考えると、現政権よりも新政権の方が都合がよろしいんでしょうね。
投稿: ヒョウちゃん | 2016年12月 2日 (金) 01時30分