ステージの陰で
かすてら音楽夜話Vol.61
<路上ライヴ>KP/DA18-50mm
6月最後となりました。あと、1か月で旅立ちでございます。
とはいえ、ネタ切れ状態は否めず、そういう時に登場するのが音楽話です。
先日のマラコー、トーマスさんをお迎えして懐かしの70年代いや、昭和歌謡をぶちかましましたが、その続きのようなものです。
ちあきなおみという歌手がいます。正式に引退表明はしてないはずですが、ひっそりといつの間にか活動を停止してしまいました。
デビュー曲は「雨に濡れた慕情」。1969年のことです。その後、1970年に「四つのお願い」や「X+Y=LOVE」という曲がオリコンシングル週刊チャートで連続トップ10入りしました。この年の紅白歌合戦に初出場し、人気歌手の仲間入りをします。
ちあきなおみ、コロッケの物真似(というかデフォルメした形態模写)でも知られていますが、グラマーといっていいスリーサイズの持ち主なんです。連続トップ10入りのこの2曲、「お色気アイドル」みたいな形で扱われてもいます。トーマスさんの「知子のロック」も初期のころは「X+Y=LOVE」をカバーしていたようです。ヴォーカルの知子さんもかなりのグラマーでした。
<某氏のオンステージ>GR DIGITAL
ちあきなおみは歌唱の他「元祖どっきりカメラ」や「コント55号の裏番組をぶっとばせ!」などのバラエティー番組にも出演させられるほどで、歌手というよりはやや歳のいったアイドルみたいな感じの立ち位置だったのかもしれません。
それが、1972年にこの曲をリリースします。
ちあきなおみの代表曲かつ最大のヒット曲「喝采」でした。ワタクシがマラコーでトーマスさんとデュエットしたのも「喝采」でございます。YouTubeの映像ではフルコーラスではありませんが。
秋の発売でした。それがじわじわと売り上げを伸ばし、気づいてみれば1972年のレコード大賞を受賞することになります。ちなみにオリコンチャートは1位を獲得していません。最高位2位でした。なぜ1位になれなかったというと、16週間連続1位を獲得したメガヒット、ぴんからトリオの「女のみち」という曲があったからです。
ちあきなおみは国民的歌手、美空ひばりとよく比較されます。美空ひばりが感情をかなり表に出して歌うのに対して、ちあきなおみは感情を抑え淡々と歌う中にその思いがこちらにも伝わるようなところがありますね。
そして、この曲はちあきなおみの実体験に基づいて書かれたともいわれていますが、作詞の吉田旺によれば、自身の体験を元にしたものだそうです。でも、デビュー前のちあきなおみには兄のように慕っていた人物がいて、その人物は実際に亡くなっていたとのことです。偶然が重なった曲ですね。ちあきなおみの思い入れも出ますよね。
作曲は「北酒場」の中村泰士。「喝采」では♪♪♪という三連符が多用されています。サビの部分でいうと、「あれは 三年前 止める アナタ 駅に残し」 (太字着色部分)がそうです。三連符、インパクトが出ますよね。ここに限らず、全面に三連符が用いられています。これを淡々となしてしまうちあきなおみもタダものじゃないです。
「女のみち」には売り上げではかなわなかったものの、その後も多くのシンガーたちにカバーされたのが「喝采」ですね。ま、「女のみち」はカバーしたい曲とはいえませんが。
直接ここで映像を出してしまっても消される可能性があるので、リンクだけ貼っておきます。
JUJUというのは、ジャズ、R&B、ヒップホップ系の女性シンガーですが、守備範囲は広いです。そして、歌も上手いんじゃないでしょうか。NHKで三浦春馬と「世界はほしいモノにあふれてる」という紀行番組にも司会を担当しています。この番組、なかなかいいです。
スガシカオは、30歳でシンガーソングライターに転身した元サラリーマンです。ファンク系の曲が多いんですが、1966年生まれですから、「喝采」も自然と歌えるんでしょう。でも、スガシカオっぽくないかな。
YouTubeの映像はNHK「Covers」で実際に演奏された音に、アップ元の人物がギター演奏シーンをかぶせたものです。ミヤジも1966年生まれで、なんとキーをちあきなおみと同じに設定してます。子供のころテレビでよく見てちあきなおみへのリスペクトも感じさせる内容ですね。石くんのギターのトレモロもいいなあ。
エレカシは「赤いスイートピー」も番組でカバーしてるんですよ。オリジナルとは別にカバーアルバムも出してほしいと思うのはワタクシだけじゃないのでは。
最近のコメント