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2019年6月30日 (日)

ステージの陰で

かすてら音楽夜話Vol.61

Sl3081

<路上ライヴ>KP/DA18-50mm

6月最後となりました。あと、1か月で旅立ちでございます。

とはいえ、ネタ切れ状態は否めず、そういう時に登場するのが音楽話です。

先日のマラコー、トーマスさんをお迎えして懐かしの70年代いや、昭和歌謡をぶちかましましたが、その続きのようなものです。

ちあきなおみという歌手がいます。正式に引退表明はしてないはずですが、ひっそりといつの間にか活動を停止してしまいました。

デビュー曲は「雨に濡れた慕情」。1969年のことです。その後、1970年に「四つのお願い」や「X+Y=LOVE」という曲がオリコンシングル週刊チャートで連続トップ10入りしました。この年の紅白歌合戦に初出場し、人気歌手の仲間入りをします。

ちあきなおみ、コロッケの物真似(というかデフォルメした形態模写)でも知られていますが、グラマーといっていいスリーサイズの持ち主なんです。連続トップ10入りのこの2曲、「お色気アイドル」みたいな形で扱われてもいます。トーマスさんの「知子のロック」も初期のころは「X+Y=LOVE」をカバーしていたようです。ヴォーカルの知子さんもかなりのグラマーでした。

Yam31

<某氏のオンステージ>GR DIGITAL

ちあきなおみは歌唱の他「元祖どっきりカメラ」や「コント55号の裏番組をぶっとばせ!」などのバラエティー番組にも出演させられるほどで、歌手というよりはやや歳のいったアイドルみたいな感じの立ち位置だったのかもしれません。

それが、1972年にこの曲をリリースします。

ちあきなおみの代表曲かつ最大のヒット曲「喝采」でした。ワタクシがマラコーでトーマスさんとデュエットしたのも「喝采」でございます。YouTubeの映像ではフルコーラスではありませんが。

秋の発売でした。それがじわじわと売り上げを伸ばし、気づいてみれば1972年のレコード大賞を受賞することになります。ちなみにオリコンチャートは1位を獲得していません。最高位2位でした。なぜ1位になれなかったというと、16週間連続1位を獲得したメガヒット、ぴんからトリオの「女のみち」という曲があったからです。

ちあきなおみは国民的歌手、美空ひばりとよく比較されます。美空ひばりが感情をかなり表に出して歌うのに対して、ちあきなおみは感情を抑え淡々と歌う中にその思いがこちらにも伝わるようなところがありますね。

そして、この曲はちあきなおみの実体験に基づいて書かれたともいわれていますが、作詞の吉田旺によれば、自身の体験を元にしたものだそうです。でも、デビュー前のちあきなおみには兄のように慕っていた人物がいて、その人物は実際に亡くなっていたとのことです。偶然が重なった曲ですね。ちあきなおみの思い入れも出ますよね。

作曲は「北酒場」の中村泰士。「喝采」では♪♪♪という三連符が多用されています。サビの部分でいうと、「あれは 三年前 止める アナタ 駅に残し」 (太字着色部分)がそうです。三連符、インパクトが出ますよね。ここに限らず、全面に三連符が用いられています。これを淡々となしてしまうちあきなおみもタダものじゃないです。

「女のみち」には売り上げではかなわなかったものの、その後も多くのシンガーたちにカバーされたのが「喝采」ですね。ま、「女のみち」はカバーしたい曲とはいえませんが。

直接ここで映像を出してしまっても消される可能性があるので、リンクだけ貼っておきます。

JUJU版

JUJUというのは、ジャズ、R&B、ヒップホップ系の女性シンガーですが、守備範囲は広いです。そして、歌も上手いんじゃないでしょうか。NHKで三浦春馬と「世界はほしいモノにあふれてる」という紀行番組にも司会を担当しています。この番組、なかなかいいです。

スガシカオ版

スガシカオは、30歳でシンガーソングライターに転身した元サラリーマンです。ファンク系の曲が多いんですが、1966年生まれですから、「喝采」も自然と歌えるんでしょう。でも、スガシカオっぽくないかな。

エレファントカシマシ版

YouTubeの映像はNHK「Covers」で実際に演奏された音に、アップ元の人物がギター演奏シーンをかぶせたものです。ミヤジも1966年生まれで、なんとキーをちあきなおみと同じに設定してます。子供のころテレビでよく見てちあきなおみへのリスペクトも感じさせる内容ですね。石くんのギターのトレモロもいいなあ。
エレカシは「赤いスイートピー」も番組でカバーしてるんですよ。オリジナルとは別にカバーアルバムも出してほしいと思うのはワタクシだけじゃないのでは。

Kassai

 

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コメント

先日、荻窪の歌謡曲マニア居酒屋マスターからLP100枚 シングル130枚という凄い量のレコードいただきました。
その中で目を引いたのはやはり、お色気系ジャケです。沢たまき 梶芽衣子 日吉ミミ ちあきなおみ。お見せしたい^_^
缶チューハイ片手に針を落としてうっとりする午前一時のムード歌謡です。

投稿: トーマス | 2019年7月 2日 (火) 19時23分

トーマスさん、どうもです。
バンコクには
トレジャー ファクトリーという
成功した中古品売買の店があります。
そこだけではなく、私の拠点の下町モールにも
2店舗! 往時の日本のEP LPレコードを
扱う店を知っています。
なにか、身辺整理の方々が増えている証左
なのでしょうか。
さて、喝采は名曲ですが Wiki も
ご参照お願い致します。

投稿: ペンタのP | 2019年7月 2日 (火) 20時46分

トーマスさん、こんにちは。
またもや登場ありがとうございます。
その枚数凄いですね。
でも、成増のビーバーさん宅にはかなわないような。
お色気ジャケいいっすね。
モノクロあたりだとたまらんです。
みんなB級でそそるものがあります。
ワタクシもかつては中古レコードをあさっていました。
今度見せてください。

投稿: ヒョウちゃん | 2019年7月 2日 (火) 22時24分

ペンタのPさん、こんにちは。
バンコクでタイのファンク物がブームだとか。
いずれもCD化されてないどころか、すべてレコードで専門店があるらしいです。
ところで、1枚いくらくらいでしょうか。
バンコクですよね。

投稿: ヒョウちゃん | 2019年7月 2日 (火) 22時26分

ヒョウさま こんばんは^_^
タイのファンク興味あります!
レコジャケつきの解説書つきで
販売して欲しいですね。

元知子のロック ビーバーの
レコード部屋は今は死滅寸前の
昭和中古レコード屋以上の
素晴らしさでした。

ペンタのPさん こんばんは
バンコクの中古レコード屋
そそります。
30年前に初めて行ったバンコクには
カセットテープばかり売ってました。
ボクシングチャンピオン
タイの長嶋茂雄といわれてた
国民的英雄
カオサイギャラクシーの
ゆるいタイ歌謡テープを購入し
旅先の当時のナウいタイヤングどもに
笑われた記憶があります。
カオサイの唄はなんか最高でした。

投稿: トーマス | 2019年7月 3日 (水) 01時14分

こんばんは。横レス気味だったのですが
皆さん御連絡ありがとうございます。
まずカオサイは有名な日本人とは対戦
してないようですね。
当時、タイには全く興味がなくて
格闘技ファンとして彼を覚えていますが。
次にタイ・ファンクですが 日本国の
通販で3000〜4000円みたいなので
現地ではレア物以外は数百バーツと推察。
この件に関してはDVD、CD、VCDはコピーが
幾らも有って、タイでは無価値同然です。
なのでレコード盤のショップが少しずつ
出てきているんでしょう。
またソニーミュージックもレコード原盤の
価値を再興させています。でも、どうやって
演歌などが海を渡ったんでしょうかね。

投稿: ペンタのP | 2019年7月 3日 (水) 21時50分

たくさんのコメント嬉しいことです。

トーマスさん、再びありがとうございます。
カオサイが歌出してたんですね。
それ、お宝探偵団に出せるかもしれません。
サヤームのマダムタッソーにはカオサイの蝋人形があります。
ウィラポンとかないんですけど。
ワタクシ的には印象に残るタイ人ボクサーは、センサク・ムアンスリンですね。
水をがぶ飲みしながら、ガッツ石松をKOしました。
その後、ソープに繰り出したという伝説があります。
ガッツ石松もライト級としては結構強かったと思うんですが、ライトウエルター級では全く歯が立たなかったですね。

投稿: ヒョウちゃん | 2019年7月 3日 (水) 22時18分

ペンタのPさん、こんにちは。
カオサイは渡辺次郎の後、鬼塚の前って感じですね。
ところでどうやってそのレコード屋まで行くかってのが問題です。
場所さえわからないですし。
結構原始的なものは残りますね。
レコードもカセットテープも。
MDは消えました。
アメリカなんかではカセットの車載デッキなどまだあるらしいです。

投稿: ヒョウちゃん | 2019年7月 3日 (水) 22時22分

またまた懐かしいちあきなおみさん!
ちあきさんの曲ではなんといっても「夜間飛行」だ大好きでした。
曲の出足がいきなり「最後の最後まで・・」ですから、このあとどう続くのかつくり方がうまいなぁと。そして徐々に曲が盛り上がる雰囲気が当時の歌謡曲とちょっと異なっていたのがお気に入りでした。

投稿: lastsmile164 | 2019年7月23日 (火) 17時01分

lastsmileさん、こんにちは。
わたしゃ、「四つのお願い」とかですかね。
でも、「喝采」はそれまでのちあきなおみのイメージを覆すような真摯さがありますね。
ま、「喝采」はミヤジが歌っていてそっちの凄味から取り上げたようなものですけど。

投稿: ヒョウちゃん | 2019年7月23日 (火) 21時51分

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