« 飛行機を見に来た人民たち | トップページ | 西寧のモスクと道教寺院 »

2021年3月27日 (土)

逆輸入モノで大成功

かすてら音楽夜話Vol.109

Kcsun2

<KC & The Sunshine Band>

1970年代後半から1980年代初頭にかけてのディスコブームについてはBee Geesの記事で触れました。チャート上ではビージーズの曲が最もヒットしたのですが、ディスコでかかる曲は必ずしも大ヒットした曲ではなく、踊るためにノリのいい曲であればチャート上位ではなくともガンガンとかかるものでございます。

ブラックミュージックのモータウンレーベルが最も知られていると思いますが、いわゆる白人系のミュージシャンにもディスコサウンドは影響を与えました。あの、Paul McCartney(ポール・マッカートニー)でさえ、「Good Night Tonight」なんていう曲も作ってしまうほどでした。

さて、そのような状況において、人種を超え、ディスコサウンドに特化したバンドがいました。それが、KC & The Sunshine Band(ケーシー&ザ・サンシャインバンド)でした。

 

曲は1975年のビルボード1位、「That's The Way(I Like It)」でした。

この曲はディスコの定番でして、映画「サタデーナイトフィーバー」登場以前に最もディスコでかかった曲なのではと思います。いまだに、この曲はテレビのBGM等に使用されるし、聴いたことのある方も多いのではないでしょうか。

さて、人種を超えたバンドと申しましたが、中心人物はヨーロッパ系アメリカ人のふたりです。ヴォーカル兼キーボードのKCこと、Hurry Wayne Casey(ハリー・ウェイン・ケーシー)とベースのRichard Finch(リチャード・フィンチ)です。

KC & The Sunshine Bandの5曲のビルボード1位獲得曲はすべて、KCとフィンチの共同作業によるものです。バンドの成り立ちはKCが半分バイトのような形でレコード会社とかかわりがあり、KCが誘う形でレコード会社のエンジニアであったフィンチを加え、ドラムとギターはスタジオミュージシャンで固めたものです。バンドに欠かせないホーンセクションは正式メンバーではないかもしれません。

彼らは当初アメリカでは全く売れませんでしたが、イギリスのR&B(リズムアンドブルース)チャートから火が付き、1975年に「Get Down Tonight」で初のビルボード1位を獲得してからは、1979年まで毎年のようにヒットを記録してきました。

 

こちら、1979年の最後となるビルボード1位獲得曲、「Please Don't Go」です。明らかに路線が違いますね。

この直後、KCはTerri De Sario(テリー・デサリオ)というイタリア系女性シンガーとデュエットソングをリリースします。ちなみに、テリーはKCの高校の同級生だそうです。

 

Terri De Sario with KCで「Yes, I'm Ready」でした。この曲はビルボード2位というヒットを記録しています。

KC、以前の弾けた様子がまるでありません。一転マジになってしまったかのようです。もっとも、「Yes, I'm Ready」はテリー用の曲で、KCは関わってないのですが。

その後、このようなKCの振る舞いに嫌気がさしたのか、リチャード・フィンチがバンドを去ります。

 

こちら、1983年のビルボード18位、「Give It Up」です。こちらは、フィンチが関わらない曲で、KC & The Sunshine Band最後のビルボード100位圏内に入った曲です。

当時のワタクシにはKCたちは「That's The Way(I Like It)」のイメージが強くて、この曲がリリースされたときは何ともずっこけたものです。

Kc

<KC>

こちら、全盛期のKCです。なんとなく、狩野英孝に似ているかな。

その後のKC & The Sunshine Bandですが、活動休止期間はあったものの、現在も活動しているようです。そして、YouTubeを検索すると、でっぷりと太ってしまい、髪の毛が後退し、髭面のKCが引っかかってきます。

なんか寂しいですけどね。

★引き続き、リクエスト、ご要望お待ちしております。いいねとコメントもよろしくお願いします。

| |

« 飛行機を見に来た人民たち | トップページ | 西寧のモスクと道教寺院 »

Music Talk」カテゴリの記事

コメント

That's The Wayという曲は聞いたことあるんですが、このバンドにはほとんど興味がなかったというか・・・バンド名くらいしか知らない知識でコメントしようか悩んだんですが。
ディスコサウンドは何回もリピートして聴かせる(躍らせる)曲が基本ですから、キャッチーなフレーズをひとつかふたつ持っている心地よい曲があたりましたね。
カンフー映画のヒットと相まってその系統の曲も多かったような。実は大学中もディスコって1回しかいったことがなく。ディスコヒットって世界的にヒットしたのか日本独自のものも多かったんですか?

投稿: lastsmile | 2021年3月29日 (月) 17時38分

lastsmileさん。
コメントありがとうございます。

「That's The Way(I Like It)」ですけど、冒頭の「♪That's The Way(Aha Aha) I Like It(Aha Aha)]」の4回のリフレインが中心で構成されるという単純なものですね。
それだけ覚えやすいということで、あとはひたすらノリが良ければいいわけです。
のちのビージーズはもうちょっとAメロ、Bメロ、サビとはっきりしていました。

まあ、自分もディスコは在学中ほとんど行かなかったと思います。
でも、このサウンドはかなり聴きこみました。

ディスコサウンドの世界的ヒットはヴァン・マッコイの「ハッスル」からKC & The Sunshine Band、その後の「サタデーナイトフィーバー」で大いに盛り上がっていきましたが、これ以降はローカルヒットが多かったんじゃないすかね。
日本でやたらと取り上げられたボニーМ、ジンギスカン、アラベスクなどはいずれもドイツのグループで、ユーロチャートでヒットした程度じゃないすかね。

さらにその後、「マハラジャ東京」あたりができて、ますますワタクシにはわからない状況となっていくのですけど。
ディスコでかかる曲はメジャーじゃなくともノリで行けるような。

投稿: ヒョウちゃん | 2021年3月29日 (月) 19時38分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 飛行機を見に来た人民たち | トップページ | 西寧のモスクと道教寺院 »