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2021年3月 9日 (火)

歌うドラマー

かすてら音楽夜話Vol.106

ロックバンドの花形は何といってもリードヴォーカルですね。Led Zeppelinでいえば、Robert Plant(ロバート・プラント)です。日本のGS、ザ・タイガースでいえばジュリーこと沢田研二(たとえが古くてすいません)。

もうひとり目立つ人間は、リードギター。ツェッペリンでいえば、Jimmy Page(ジミー・ペイジ)。ザ・タイガースでいえば加橋かつみ。

残ったベースとドラムス、キーボード担当は淡々と演奏する人というイメージです。

ではあるのですが、ドラムスという存在、意外と目立つのです。なぜならバンドのリズムの中核であり、奥ではありますがバンドの中央にどっしりと構えております。また、演奏中はずーっと叩き続けているわけですよね。それも、力仕事ですから、汗を滴らせながら。ましてや、ドラマーがリードヴォーカルを担当すると、誰もがドラマーから目を離せなくなります。

Donhenry

この、Don Henley(ドン・ヘンリー)、Eagles(イーグルス)のドラマーにして、Glenn Frey(グレン・フライ)と並ぶ二大ヴォーカリストです。最も有名なのが、「Hotel California」でございます。

イーグルスの公式YouTubeチャンネルは存在しないようで、数多くのライヴ映像が上がっているものの、やがて削除される運命。ここでは取り上げませんけど、全盛期の演奏はもう完璧です。

Grandfunk

こちらは、Grand Funk(グランド・ファンク)。かつては、Grand Funk Railroadとも名乗っておりました。彼らは2曲のビルボード1位曲を生み出しましたが、カバーの「Loco Motion」ではなく、初の1位に輝いた「We Are An American Band(邦題:アメリカンバンド)」では、ドラムがリードヴォーカルでした。

とはいえ、「ホテル・カリフォルニア」に匹敵する日本での知名度というと、この曲でしょう。

 

ということで、1975年の全米3位、jigsaw(ジグソー)で「Sky High」でした。

この曲は香港・オーストラリア合作のアクション映画「The Man From Hong Kong」の主題歌です。それよりも、日本では全日本プロレスに参戦していたメキシコ人覆面プロレスラー、ミル・マスカラスの入場曲で使用されて一気に有名になったと思います。

ジグソーのヒット曲はこれだけなんですが、40年以上たった現在でもイントロを聴けば「スカイハイ」とわかるくらいです。それだけインパクトがありますし、曲がいいですよね。プロレス以外でも野球選手の選手紹介時のBGMに使用されたりしております。

Hamadashogo

一方、日本では、浜田省吾がドラマー出身として有名です。

浜省は愛奴(あいど)というグループでデビューしました。しかし、生粋のドラマーというよりは、愛奴のメンバーには青山徹、町支寛二などの上手なギタリストがいたため、泣く泣くドラムに回ったというのが真相です。彼らは吉田拓郎のバックバンドを一時期務め、後年のコンサートでは浜田がドラムを務め、「浜田、ドラムが上手くなったな」といわれています。

ですが、愛奴はメンバーチェンジでドラムに岡本あつおを起用し、浜田はパーカッションに転向後、愛奴を脱退し、ソロミュージシャンとなりました。

その他、山崎まさよしがアマチュア時代はドラマーだったり、鈴木祥子が原田真二のバンドでパーカッションを担当していましたが、1983年のヤマハのEastWest地区大会で女性最優秀ドラマー賞を受賞しています。

生粋のドラマーというと、ジャニーズ事務所に所属していてのちにCharのバックでドラムを叩いていた、辻野リューベンという人がいます。日英のハーフでそのルックスに目を付けた芸能事務所が彼をドラムス兼リードヴォーカルに起用した「リューベン&カンパニー」というバンドもあるのですが、ここでは割愛します。

おそらく、日本で歌うドラマーとして最も有名なのがこのバンドではないでしょうか。

 

1985年のオリコン2位、C-C-Bの「Romanticが止まらない」(作詞:松本隆 作曲:筒美京平 編曲:船山基紀・C-C-B)でした。

この曲は作曲の筒美がドラムの笠浩二の透明感のある声を気に入って、バンド内であまり目立つ存在ではない笠を起用しました。また、本来のサビの部分を笠が歌いやすいように勝手に変えてしまったのですが、筒美は「それで行こう」とOKを出しました。

ピンクに染めた髪とピンクのメガネ、シンセドラムと、今にして思えばかなり際立った存在ですけど、このあたりくらいから「二枚目キャラ」が影を潜め、個性的な人物が台頭してきたように思います。

と、いうことで、洋の東西の「歌うドラマー」でした。

★取り上げてほしい曲やシンガー、グループなど洋楽・邦楽問わずリクエスト受け付けます。また、記事が心に残りましたら、イイねとコメントもお願いいたします。待ってます。

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Music Talk」カテゴリの記事

コメント

自分としてはメインボーカルではないですが、コーラスでクィーンのロジャー・テイラーも挙げたいですね。彼の声もクィーンのコーラスの高音部を支えていたような気がします。

投稿: おりんぴあ | 2021年3月 9日 (火) 21時16分

おりんぴあさん。
コメントありがとうございます。

おお、ロジャー・テイラーですか。
クイーンの重要なソングライターですね。
クイーンって最初に日本で人気が出たのですが、女子に人気があって、ロジャー人気も相当なものでした。
当時のルックスを見ればわかりますね。
まあ、ヴォーカルに超絶なフレディがいたので裏方に回るのは仕方ないんですが、アルバム中1曲は、ロジャーのリードヴォーカルもありました。

個人的にはアルバム『The Game』収録の「Coming Soon」とフレディとのツインリード「Sheer Heart Attack」が印象に残ってます。

投稿: ヒョウちゃん | 2021年3月 9日 (火) 22時25分

歌うドラマーっていう視点、面白いですね。
海外だと思いつくのがジェネシス(中期)のフィル・コリンズ、あとベック・ボガード・アピスのカーマィン・アピスのボーカルも好きですね。
色々とボーカル候補が出ては消え、最後はアピスさんがメイン、ボガードさんがサポートになりました。
そしてカレン・カーペンターも初期のころはドラムたたきながら歌ってました(イエスタデイ・ワンスモアの頃)
NHKのヤングミュージックショーではたしか「涙の乗車券」のドラミングがなかなかだったのを覚えています。
そもそもバンド結成時はジャズトリオバンドのドラマーで、彼女は歌っていなかったそうです。

日本で最も有名といわれると確かに笠さんかもですが、私としてはYMOの高橋幸宏さんを押したいところです。
つのだ☆ひろのメリージェーンもお約束の定番ですね。歳とってからはマイクもって歌うだけになっちゃいましたが。
ビージーフォー結成当時のウガンダさんの歌うドラムの捨てたものじゃなかったです(笑)(ほとんどの人知らないかもしれませんが)
稲垣潤一さんもそうですが、歌えるドラマーの多くは歌に専念していきますね。

あと「いいね♡」がクリックできません。環境設定の問題かなぁ。

投稿: lastsmile | 2021年3月11日 (木) 14時02分

lastsmileさん。
コメントありがとうございます。

いろいろとご指摘ありがとうございます。
フィル・コリンズははっきりいって頭に浮かびませんでした。
カレン・カーペンターのドラムについては、以前も上げてらっしゃいましたね。
ちょうどといってはなんですが、このかすてら音楽夜話の過去ログの修正を行っております。
ブログの仕様変更に伴い、張り付けた映像が見れなくなったり、削除された映像を置き換えたりしてます。
また、一部記事の修正ですね。
https://castellamoon.cocolog-nifty.com/blog/2009/07/carpentars40-42.html
「Carpentersデビュー40周年」の記事にカレンがちょっとだけドラムを叩いて歌う映像を付けました。
もし、よろしかったらご覧ください。

日本の歌うドラマーですが、筒美さんがお亡くなりになったことで、ここはC-C-Bで行こうと思っておりました。
幸宏氏については、ミカバンドあたりで歌う映像は出しております。
つのだ☆ひろも一瞬頭をよぎりましたが、無視したことになりますかね。

「いいね」についてはよくわかりませんが、こうしてコメントしていただくだけでもありがたく思っております。
そろそろ、別のリクエストとかあればお願いいたします。

投稿: ヒョウちゃん | 2021年3月12日 (金) 01時12分

どうもです。
CCBの笠氏、顔が似ていると
言われた事があり、かなり
傷付きましたので、、、、。
でも、かなりのヒット曲でしたようです。
ふと参加したある種の懐メロ会でも
聞かれましたので。

投稿: ペンタのP | 2021年3月14日 (日) 20時39分

ペンタのPさん。
コメントありがとうございます。

芸能界史上二人目の「笠」なんですけどね。
初代は笠智衆。
そんなことをいわれたのですね。
喜んでいいのか、悲しむべきか。

オリコン1位を宿命づけられた京平さんなんですけど、2位といっても、あの「木綿のハンカチーフ」も2位止まりです。
もっとも、「泳げ!たいやきくん」が居座っていたからですけど。
最近離婚で話題のTK氏の1位曲より印象深いでしょう、誰でも。

投稿: ヒョウちゃん | 2021年3月14日 (日) 22時42分

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