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2021年4月26日 (月)

時空を超えて日野ルノーに会いに行く

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<日野オートプラザ>PowerShot

ある日、JAF(日本自動車連盟)の会報誌を眺めていたら、自動車博物館の記事がありました。それに載っていたのが、日野オートプラザです。

博物館でありながら企業がやっているということで、入場料はありません。ただし、昨今の事情で予約を入れて、1時間限定の見学となります。場所も自宅から比較的近いので、前日でしたが電話予約し、オープンの10時から一番乗りでした。

ほかの見学者はいなくて、博物館独占です。

4cv

<日野ルノー>*こちらはネットから拾いました

日野自動車というと今やバス・トラックのメーカーですが、かつては乗用車も生産していたんですね。

とりわけ、日野ルノーと呼ばれるかつてのルノー公団(フランスの国営企業)の「4CV」という車種を日野自動車はノックダウン生産(部品を輸入し組み立てること)していたんです。4CVが世に出たのは1950年代のことで、日野自動車はその後ノックダウンではなく完全に部品から4CVを作ることができるようになったのです(これをライセンス生産といいます)。

それから十余年、この日野ルノーが我が家にやってきたんです。そう、父親が中古車を買ったんですね。もっとも、相当なオンボロだったようで、それはごく短い期間でしたけど。

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<フロント>PowerShot

画像がぼけていてすいませんね。コンデジは室内であってもファインダーがないのでピントの確認が甘くなります。逆光だと見づらいし。

このボンネット部分が膨らんだ形状ですが、この下にはエンジンがありません。

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<リア>PowerShot

エンジンはこの部分にあります。現代のクルマでいうとトランクにあたる部分。つまりはエンジンを背中に背負って走っているようなものです。

今や日本の乗用車では絶滅したリアエンジン車ですが、フォルクスワーゲンのビートル(カブトムシ)、ポルシェなどがこの形をかたくなに守っています。ま、60年以上前の設計ですから、昔は相対的にエンジンが大きかったともいえますね。

それに、この時代は後輪駆動、つまり「RR」レイアウトが採用されております。この点もビートルやポルシェと同様です。RRですと、全長の割には室内を広くレイアウトできたそうです。その代わり、ボンネット下のトランク部分が狭いという欠点もありました。

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<サイド>PowerShot

ドアの形状が独特です。観音開きならぬ、逆観音開き。つまり、中央のドアヒンジを共用して前後のドアが合わさるように開きます。

そして、前のドアウィンドウの三角窓。家庭にもエアコンのない時代ですから、クルマにエアコンがないのは当たり前。三角窓を少し開けると、ベンチレーターの役目を果たします。

現代のクルマですが、開かない小さな三角窓があることをご存じでしょうか。ドアミラーの死角をなくすために設けられたものです。

後ろのドアウィンドウですが、前後にスライドさせるやり方です。前のサイドウィンドウは懐かしのくるくる回すタイプです。

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<タイヤ>PowerShot

日野オートプラザに展示してあるクルマはドアが開かずウィンドウも閉まったままなので、内部の画像が撮りにくいです。撮るには撮りましたが、お見せできません。偏光フィルターがあるといいのですが。

トランスミッションは床から延びるいわゆるフロアシフト式で、3速(3MT)。この時代、ステアリングコラムから延びるコラムシフトがほとんどでしたから、先進的ではあったのかもしれません。もともとフランスのクルマだし。

主要諸元
全長:3663mm 全幅:1430mm 全高:1440mm 車両重量:640kg
エンジン形式:水冷直列4気筒 総排気量:748cc 最高出力:21PS

現代なら軽自動車並みのサイズです。でも、存在感があって大きく見えます。出力は昔の表示で、今に換算すれば「全然走らねー」ことになりますが、日本の高速道路の当時の最高時速、100km/hには対応していたそうで。

また、形式はわかりませんがクラシックな外観にもかかわらず、四輪独立懸架のサスペンションだそうです。

ヤフオクなどを見ると、価格も載ってますから現在でもオーナーは数名いるみたいですね。

また、日野ルノーを見ることのできる場所は、日野オートプラザだけかと思いましたが、なんとトヨタ博物館に展示されているみたいです。愛知県だけど。

日野オートプラザ

まだまだいろいろな展示がありましたので、あと数回記事にします。不定期ですが。

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