ふたりの「A」は星になった
かすてら音楽夜話Vol.119
今回緊急ってことで。
作曲家の小林亜星さんが先日お亡くなりになりました。享年88歳。
マルチタレント的な方でテレビにもよく出演されておりました。作曲家としては都はるみの「北の宿から」(作詞:阿久悠)でレコード大賞を受賞しております。
俳優としてはテレビドラマから映画まで。なおかつバラエティ番組から司会までと、なかなか表に顔を出さない筒美京平さん、都倉俊一さんとは真逆のスタンスでしたが、彼は多数のCM楽曲を担当するというあまり知られていない一面もあります。
CM曲というと、売れない時代の大瀧詠一さんが思い浮かびます。彼も多数のCM楽曲を手掛けていたのです。…と、いうわけでこの二人は同じ作曲家であるので相まみえることはありませんでしたが、小林亜星さんより少し前にお亡くなりになった伊藤アキラさんとコンビで作った曲もかなりあります。
伊藤アキラさんというと、フォーリーブスの「ブルドッグ」(作曲:都倉俊一)、「南の島のカメハメハ大王」(作曲:森田公一)などで知られ、独特の韻を踏むような言葉の使い方により、人々にインパクトを与えたものです。
伊藤さんは大滝御大と「アンアン小唄」(山田邦子など)や「三ツ矢サイダー」、「出前一丁」などを手がけました。彼もCMにかなりかかわっていますし、子供番組の楽曲などにも大きくかかわっています。
さて、この星になったふたりがタッグを組んだのがこちら。
老若男女、だれでも覚える「ぱっと!さいでりあ」でした。
この手の曲はもちろんオリコンのチャートには上がってきませんが、日本中に浸透しますよね。これこそ、CMの真骨頂です。でも、「さいでりあ」の会社って新興産業というのですが、悪徳商法といわれ後年倒産の憂き目にあっております。
そして、2021年現在も流れている企業CM曲がこちら。
「世界ふしぎ発見」の番組中に流れる「日立の樹」です。
いつも気になるのですが、テレビで流していて作詞家、作曲家、歌手への印税が支払われているかという問題です。まあ、それがあったら、これ以外にも多数の曲を担当しているので、相当な金額が入ってくると思いますけど、それだけ多作ということは、印税は買い取りなんでしょうね。1曲いくらということで。
小林亜星さんの場合、初期のCM曲では作詞も担当しています。レナウンの「ワンサカ娘」やブリヂストンの「どこまでも行こう」などです。自分で何でもできちゃうから、後年の俳優・タレントなどでも「あいつなら何とかなるんじゃない?」ってことになったのかも。
個人的に亜星さんの曲で最も好きなのはこちら。
シモンズで「チェルシーの唄」(作詞:安井かずみ)でした。ベーシストの某Gという男がいなかったらシモンズはもっと長く活動できたと思います。
伊藤アキラさん作詞で最も好きなのはこちら。
渡辺真知子で「かもめが翔んだ日」(作曲:渡辺真知子)でした。1978年のオリコンシングル5位。この年のレコード大賞最優秀新人賞に輝いた曲でもあります。
今頃ふたりの「A」はあっちの世界で曲作りにディスカッションしているのかもしれませんね。
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