チャーリー、お別れだ
かすてら音楽夜話Vol.126
昨日、The Rolling Stones(ローリングストーンズ)のドラマー、Charlie Watts(チャーリー・ワッツ)が亡くなりました。享年80歳。
チャーリーはストーンズがレコードデビューして以来のオリジナルメンバーで、それ以前にもプロとしてのキャリアがありました。もともとジャズに傾倒していて両親からドラムセットをプレゼントされてドラムの腕を上げていきましたが、それはジャズの演奏を基にしたものといわれています。
その演奏スタイルも独特で、使用するセットもシンプルです。派手なアクションもなく淡々とドラムを叩き続けるという印象があります。
ストーンズはミックとキースの不仲説などもありましたが、チャーリーに関してはすべてのメンバーが信頼し、チャーリーなくてはストーンズは成立しなかったでしょう。
チャーリーのパート以外の音をミュートしたものがあります。
「Honky Tonk Women」(1969年のシングル、ビルボードおよび全英1位)でした。
こうして聴いてみると、チャーリーはほとんどスネア中心で、あまりバスドラムやシンバルも使わない演奏というのがわかります。そのシンプルなドラミングに、キースやミック・テイラーのギターが絡みつき、独特なサウンドが展開されるのがわかりますね。
さて、そんなチャーリーですがずいぶん前から咽頭癌の治療を行ってきました。そんな中でもバンドはワールドツアーに出たりしていましたが。
昨年レディガガの呼びかけで行われたバーチャルコンサート「One World:Together at Home」にもストーンズは参加しWeb会議のやり方でメンバー4人がそれぞれの自宅からライヴ配信を行いました。実際にはチャーリーの前にはドラムセットがなく、チャーリーはスティックを握って音に合わせているだけという(キースのアコースティックギターもほとんど音が流れず)だけでしたが、これが最後に我々が見た「動くチャーリー」だったわけですけど。
今年、ストーンズはツアーが予定されていて、これにはチャーリーが参加しないというアナウンスがされていたところなんですが。
ともかく、ストーンズの全曲のドラムを叩き続けてきた人です。キースがレコーディングでベースを弾いたりすることはありますし、ミックもキースのヴォーカルでは引っ込みますし。唯一無二の存在です。さて、この後、ストーンズはどうなってしまうのでしょうか。
それでは、最後にこの曲を聴いてお別れしましょう。
チャーリーは永遠だ。ライヴも経験できてよかったです。さよなら、チャーリー。
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コメント
チャーリーワッツ逝く。
あえて多くは語りません。想いは深く。
たくさんの名曲をありがとうございました。
ご冥福をお祈りします。
投稿: lastsmile | 2021年8月26日 (木) 16時16分
lastsmileさん。
ストーンズの典型的なイメージの中にありながら、実際はその正反対の英国紳士がチャーリーでした。
(実際にはチャーリーもクスリに手を出したり、アルコールに苦しめられた時期もあったらしいですが)
あのドラミングが聴けなくなると思うと感無量です。
投稿: ヒョウちゃん | 2021年8月26日 (木) 23時11分
今のドラムのセッティングってやたらタムやシンバルを並べて
「魅せるドラミング」
そして、フィルインを多くして音数を増やす
「派手なドラミング」
が主流ですが、チャーリー・ワッツってその対極を行くドラミングでしたね。
シンプルで派手なフィルインもない。あの独特の雰囲気はもう聴けないのかぁ(T_T)。
ご冥福をお祈りしますm(__)m>チャーリーワッツ。
投稿: おりんぴあ | 2021年8月27日 (金) 01時52分
おりんぴあさん。
チャーリーのシンプルなドラミング。
そして、キースのギターに合わせる、優しいドラミング。
これが世界最強のライヴバンドを支えたドラミングですね。
懐の広いチャーリーですから、今後ストーンズがどうなっていこうと、キース、ミック、ロニーらを見守ってくれると思います。
あ、もちろん、ビルのことも。
投稿: ヒョウちゃん | 2021年8月27日 (金) 22時17分