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2021年8月 4日 (水)

才色兼備かつミステリアス

かすてら音楽夜話Vol.124

Kadoasami

1979年という年は、現在死語ともなった「ニューミュージック」の全盛期で、そのニューミュージック系の新人が大量にデビューした年でもありました。

ざっと挙げると、桑江知子、石川優子、沢田聖子、大滝裕子、松原みき…。そんな中に混じって、そろそろ24歳になろうとする彼女もいたのです。そう、門あさ美です。

また、どう考えても現在ではニューミュージックにくくれないだろうという、SHOGUN、カシオペア、一風堂、スペクトラム、チャゲ&飛鳥も同年のデビューです。

ま、この翌年の1980年以降にはアイドルの逆襲が始まり、ニューミュージック勢は次第に影を潜めていくのですが。

 

こちら、門あさ美のデビュー曲にして代表曲の「Fascination(ファッシネイション)」(作詞:岡田富美子 作曲:門あさ美 編曲:戸塚修)です。

オリコンのデータが不明なんですが、シングルとしても10~20位あたりに顔を出したのではないかと思います。

彼女のデータはかなり不足してますが、1975年にポプコン中部グランプリに出場しているという記録は残ってます。出身は名古屋で金城学院大学というお嬢さん学校の出身ですね。映像では歌っているだけですが、デビュー前はピアノの弾き語りをしていたというエピソードが残っています。

デビューしたものの、従来のニューミュージック系の掟を守るかのようにほとんどテレビには出ず、極端にマスコミへの露出が少ない人でした。

この映像はポプコン系の「コッキーポップ」という番組に出演した時のもののようで、ライヴっぽいのですが、音源はレコードからですね。見ていただいてわかると思いますが、大変な美人なのにもかかわらず、もやがかかったような不鮮明な映像にしていて美人であることをアピールしておりません。

そして、1988年までに10枚のアルバムをリリースしているのですが、そのほとんどの楽曲を自作しています。ファーストアルバム『Fascination』ではジャケットは本人とは似ても似つかぬ女性のイラスト像でまったくアピール度に欠けているんですね。ま、それ以降は顔を出すようにはなりましたが。

ただし、アルバムタイトルや収録曲のタイトルは思わせぶりなものがずらっと並びます。

サードアルバム『セミヌード』、4枚目のアルバム『Hot Lips』、5枚目のアルバム『PRIVATE MALE』。「すねてご機嫌」、「お好きにせめて」とかですね。なんとも思わせぶりですよね。

 

こちら同じく「コッキーポップ」の映像と思われます。

「Fascination」のB面曲でアルバム『Fascination』収録の「Blue」(作詞作曲:門あさ美 編曲:戸塚修)です。

このけだるさが漂う中、無表情さとは真逆にある程度の感情の入ったヴォーカルが彼女の真骨頂なのではと思います。

それに彼女のファッション、ワンレン、ボディコンですよね。1979年ですよ。そんな言葉も出現しなかったときにこれですもん。まさに、なんでも経験してきた大人のお姉さんという色合いを出しております。

また、彼女はほとんどライヴ活動も行わなかったようです。ただし、曲のアレンジやプロデュースは一流どころを使ってますし、参加ミュージシャンもこれまたすごいんですね。なにしろ、サウンドが心地いい。

事実、露出度が少ないにもかかわらず、2~7枚目のアルバムはいずれもオリコン20位以内のセールスで、最高位が9位です。このカテゴリーの人としては相当売れたんですね。

 

こちら6枚目のシングルで東亜国内航空のキャンペーンソングに採用された1981年の「月下美人」(作詞作曲:門あさ美 編曲:松任谷正隆)でした。

映像は別の番組か何かでしょう。これまた、音源に合わせた映像です。

まったくミステリアスな人ですけど、写真集は出してますね。どのような類のものかはわかりませんけど。

もしかすると、普段はOLとかやっていて、年に1回アルバムを作るみたいな感じだったのかも。あるいは自分で起業していたとか。ラジオの番組は東海ラジオで持っていたみたいです。ここもテレビを避けてますね。

でも、彼女の作品はかなりいいので、これから後追いですけど、アルバム買い揃えてみようかな。

★ご意見、リクエストお待ちしております。「いいね」も下さいね。さらにはコメント大募集中です。

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