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2021年9月14日 (火)

シーナとシンディ

かすてら音楽夜話Vol.128

本日取り上げるのは英米のガールポップの二人です。それも、デビュー直後に売れたというインパクトのある二人ですね。共通点はないんですけど、ほぼ同時期ということで。

Seaston2

イギリス、スコットランド出身のSheena Easton(シーナ・イーストン)は1959年生まれで1980年にデビューしました。

そのデビューのきっかけもかなりラッキーなものです。彼女は演劇を学ぶ学生だったのですが、BBCのドキュメンタリーでスター歌手を目指すという番組に起用されてEMIから契約されたのです。

全く無名の二十歳そこそこの女子が下積みもなしにいきなりアメリカでも売り出されることになりました。

 

デビュー曲の「Modern Girl」でした。映像はテレビ番組みたいですが、音源はシングルそのものです。番組全体がやらせなんでしょうかね。

とはいえ、ライヴ映像もあって、来日時のものみたいですが、結構歌は上手いです。Tokyo Festival「Modern Girl」

とはいえ、鳴り物入りの前評判の割には、ビルボード18位、UKチャート8位に沈んでおります。

なんか「モダンガール」なんていかにも日本人が付けそうな邦題みたいですが、もちろん原題です。結構アップテンポでコーラスワークも凝ってまして、ワタクシ的にはイケてると思い、デビューアルバムの『Take My Time』(邦題「シーナ・イーストン」)を思い切って購入したほどでしたけどねえ。

 

しかし、こちらのセカンドシングル「9 To 5(Morning Train)」がビルボード1位に輝きました。UKチャートでは3位なんですが、その他の国では軒並み1位で、彼女の最も売れた曲となりました。

デビュー曲と異なり、ミディアムテンポになりますが、彼女の伸びやかな中高音が見事に生かされている曲ですね。アメリカ人ってこういうほうが好きなんだろうか。

まあ、BBCは見事に金の卵を発掘してきたことになりますね。

その翌年、007映画「For Your Eyes Only」の同名の主題歌を担当することになりデビュー僅か1年で世界的なトップスターとなるのですが、ワタクシの興味はここまででございました。

というのも、シーナ・イーストンはデビュー時にはすでに離婚していて「Easton」という姓も最初の夫のものだったのだそうで。なんか夢が壊れるじゃん。

シーナの快進撃もこのあたりまでで、その後はわずかなトップ10ヒットがあるだけになってしまいました。2001年以降は目立った活動もなく、音源のリリースもありません。ちなみに、曲は職業作家のものばかりです。

Cyndilauper

一方のアメリカのガールポップはこの人、Cyndi Lauper(シンディ・ローパー)です。

衝撃的なデビュー曲はこちら。

 

1983年の「Girls Just Want To Have Fun」でした。いきなりのビルボード2位というヒットで、このプロモーションビデオとシンディの奇抜な服や髪が話題となりました。

実は同じ年にMadonna(マドンナ)がデビューしてかなりの売り上げとなっていましたが、個人的には音源を持っていないし、あまりセクシー路線には興味がわかなかったので、今回は取り上げておりません。

さて、シンディですが、1953年生まれですのでこの時すでに30歳。まあ、そうは見えないのですが、下積みのキャリアもありバンドでデビューしていましたが、芽が出ずに職を転々としながらソロになりました。

いわばシーナ・イーストンと違って崖っぷちのソロデビューなんですが、おりしもミュージックビデオまたはプロモーションビデオが盛んになりMTVなどの番組が出てきたころとシンクロし、ヒットに結び付いたと思います。この低予算で作られたビデオはプロレスラーやシンディの母親を起用したりしています。

これだけでしたら、ちょっと変わったオンナ、あるいは素っ頓狂な一発屋という認識になると思います。その評価を見事に覆したのがこの曲です。

 

翌1984年リリースのセカンドシングル、「Time After Time」でした。こちらはシンディとのちにThe Hootersを結成するRob Hyman(ロブ・ハイマン)との共作です。

デビューシングルと違いしっとりと歌い上げるバラード。こちらは見事にビルボード1位となり、グラミー賞の最優秀楽曲賞にシンディとハイマンがノミネートされたほどです。

ファーストシングルとセカンドシングルを収録したアルバム『She's So Unusual』(1983年、ビルボード4位)はシングルカット6曲を含み、なかなかお得なアルバムですね。

なお、シンディはセカンドアルバム『True Colors』でもシングル「True Colors」がビルボード1位を記録しました。

また、新人ながら映画音楽にも起用されたり、「USA for Africa」の「We Are The World」でもインパクトのあるソロを任されております。

シンディ・ローパーは親しまれやすいキャラクターですね。来日した時、出演した番組で「昔のハリウッドスターの唇」(上のシンディの画像をもっと強調したような感じでした)を実演してくれるというスターではやりそうもないことを見せてくれました。また、当時ワタクシの職場のお姉さまが「落ち込んでいたんだけど、この人の生き方を見習いたいわ。私と同い年なのよ」とも仰っていましたし。また、日本にも愛着があるようです。

ホントにいくつになっても可愛いお姉さまという感じです。

つうことで、ワタクシとしてはシンディ・ローパー押しでございます。

★ご意見やリクエストがございましたらコメント欄でお願いいたします。

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コメント

シーナ・イーストンもシンディーローパーもオンタイムで聴いたんじゃなくて中古CDの大人買いで出会った感じです。時期も過ぎていたせいかかなりお得に入手したのですが、いい曲だなぁという何度かリピートして聴いてました。とはいえ知ってる曲はこの4曲のみという「知ってる」というレベルではないのですが・・。
二人とも歌はうまいと思います。

シンディーはウィ・アー・ザ・ワールドの録音で付けてたアクセサリーがちゃらちゃら音なって注意を受けていたシーンが印象的でした。

投稿: lastsmile | 2021年9月20日 (月) 12時48分

lastsmileさん。

シーナはデビューアルバムは思い切って即買いしました。
シンディはやむなくレンタルでダビングしてクルマで聴いてましたね。
でも、クルマのメディアがカセットではなくなって、『She's So Unusual』は忘却の彼方に。
それでも後発のアルバム数枚は買っているんですが。
このたび、同アルバムをBook Offでゲットし、やたらとよく覚えていることに我ながらびっくりです。

二人とも歌は上手いですよね。
とりわけ、シンディは呼吸音や高音の小さな叫びをまるで楽器のように効果的に使うところもあって、一種の発明ですね。
呼吸音のほうはのちに椎名林檎が『無罪モラトリアム』の中でやっているんですけど、亀田誠治の指示でしょうね。
そうした発見や先駆者的なことはマドンナやレディガガにはないと思われます。
やっぱり、ただのおばちゃんじゃなくて、天才ですよ。

投稿: ヒョウちゃん | 2021年9月20日 (月) 21時47分

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