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2021年10月13日 (水)

ドドンパ…富士急ハイランドにあらず

かすてら音楽夜話Vol.131

 

渡辺マリの「東京ドドンパ娘」(作詞:宮川哲夫 作曲:鈴木庸一)でした。1961年のシングルで、当時はオリコンがなかったので売り上げ実数は不明ですが、ミリオンセラーということですので相当売れた曲です。

この「ドドンパ」というリズム、都都逸とルンバ(もしくはマンボ)が融合したものといわれています。

前回も登場した『昭和レジデンス・赤盤』では知子のロックが、さらにアップテンポなイカしたカバーを収録しております。

んで、何がドドンパなの?といいますと、いささか「東京ドドンパ娘」ではわかりにくいので、次の曲を。

 

1964年、前回の東京オリンピックを挟み250万枚をうりあげたという、和田弘とマヒナスターズwith松尾和子の「お座敷小唄」(作詞・作曲:不詳 採譜:和田弘 編曲:寺岡真三)でした。

イントロ部分を除いて全編リズムがドドンパという曲ですね。音符のちゃんとしたフォントがないので、「トン」とか「ト」などで表現しますと、「♪トン トン トトト トント」の繰り返しです。

この曲、作者不明なんですが、なんでも某所の歓楽街で歌われていたものを無断で使ったということです。歌詞はさらにきわどいものだったようですが、そのあたりは発禁になってしまう恐れがあるので修正したといわれています。

この曲にドドンパのリズムを当てたということですね。

本来、マヒナスターズはハワイアンのバンドなんですが、デビュー後はムード歌謡に特化し、演奏のみはスティールギターも使うなど、ハワイアンの形をとっています。その音で、「小唄」ですからね。なんともシュールな世界です。

それにしても、作者不詳ということでのちに「自分が作った」という人が名乗り出て裁判沙汰にもなった曲ですね。

 

1962年の北原謙二のヒット、「若いふたり」(作詞:杉本夜詩美 作曲:遠藤実 編曲:山路進一)でした。

これも、強調こそしてませんがリズムはドドンパです。

この1960年代はじめはドドンパがブームになり、ドドンパのダンスも作り出されたということですが、なんともドメスティック感が付きまといますね。そのブームも「東京ドドンパ娘」や「お座敷小唄」を超えることができず、ついには終息したとのことです。

でも、あの国民的歌手、美空ひばりも「ひばりのドドンパ」というシングルをリリースしているほどなので、とんでもない流行ではあったはずですね。

Sakuratamako

しかし、ドドンパのブームから約10年後、ドドンパが復活しました。

 

桜たまこの1976年のセカンドシングル、「東京娘」(作詞:石坂まさを 作曲:杉本真人)でした。映像は引退後のもので1988年の映像ですが、全然衰えを感じません。

彼女は1961年生まれなので中学3年でデビューしたことになります。歌はうまいですね。と、いうのも作詞を担当した石坂まさをの門下生だったんです。石坂まさをは作曲も行い、代表曲として藤圭子の「新宿の女」があります。

「東京娘」は40万枚のヒットを記録してます。現在ならば相当なヒットですが、当時といえば「およげ!たいやきくん」に「木綿のハンカチーフ」というメガヒットに埋もれたのでしょうかね。1976年の紅白出場者を見てみると伊藤咲子あたりに持っていかれたかと。

それにしてもいきなり「♪ お・じ・さ・ん」ですからねえ、結構インパクトあったと思いますよ。続くシングルは同じ作者による「おじさんルンバ」でしたが、こちらは見事にこけております。

そして、桜たまこですが、シングル4枚、アルバム1枚をリリースしたものの、1979年に引退しております。いったい何があったのか。

さて、ドドンパですが、これ以降新曲のリリースはない模様です。しかし、「東京ドドンパ娘」は相当な数のミュージシャンにカバーされていますので、やっぱりかなりのインパクトはあったのだと思いますね。

ちなみに、この記事は『昭和レジデンス・赤盤』を聴いていてひらめきました。

★ご意見、リクエスト等、コメント欄でお待ちしております。

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コメント

富士急のドドンパ問題と思いき・・最近、昭和歌謡に惹かれているのでしょうか。
たしかにあのリズムは懐かしい心地よさありますね。日本人にあってるのかな。ネーミングもいいですよね。
昔私が聞いた話では、永六輔さんが都都逸(ドドイツ)とルンバを合わせた感じなのでドドンパと名付けたとか。
真実はどうなんでしょう。

ちなみに私はドドンパといって頭に浮かぶのはドラゴンボールのチャオズでした。

投稿: lastsmile | 2021年10月20日 (水) 19時29分

lastsmileさん。

富士急ハイランド、以前はわざわざコースターに乗るだけのために訪れたこともあるんですが。
ま、それは置いといて。

今回のネタはもちろん『昭和レジデンス・赤盤』からひらめいたもので、「ネタは熱いうちに打て」がかすてら音楽夜話のモットーでございます。
ドドンパをwikiなどで調べていくと、アイ・ジョージなども出てきますが、当時の作家陣は面白いと思って、みんな飛びついたんでしょうね。

わたしゃ、古い人間なので「ドラゴンボール」の内容はほぼ知りません。
でも、「オバケのQ太郎」のドロンパはドドンパからひらめいたんじゃないすかね。

次は未定ですがもうちょっととっつきやすい内容で行きます。

投稿: ヒョウちゃん | 2021年10月20日 (水) 21時24分

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