指導者の肖像画のある国
<チュニス旧市街>MZ-3/Sigma20mm
チュニジアを旅したのは2019年のこと。当時の周辺諸国の政治体制を振り返ってみると、エジプトはムバラク大統領の長期政権。リビアはカダフィの体制。アルジェリアは謎に包まれた国で確か外務省から注意喚起が出ていたように思います。
モロッコの立憲君主制と並んで、チュニジアは比較的民主的な国と思われておりました。
ま、その後ジャスミン革命が起きてベン・アリは国を追われる身となるのですが。
<チュニスのバスターミナル>GR DIGITAL
バスでタバルカというチュニジア西部かつアルジェリア国境近くの都市に出かけるため、バスターミナルに出向くとこのようなものが掲げられていました。
チュニジア国旗とともに写っている人物の巨大ポスターです。この人物こそ、ベン・アリ大統領なのでした。
<タバルカ>MZ-3/FA35mm
1987年の大統領就任以来、4選を果たしていた人物です。
ワタクシが帰国後、またしても大統領選挙を控えていたためにこうしたものがあったのかと思ったくらいです。
<ケロアン>MZ-3/Sigma20mm
チュニスにいるときはほとんど気にしてなかったんですよね。でも、地方都市に行くほど、巨大な肖像画が多くなっていったような気がしました。
<ケロアンその2>MZ-3/FA35mm
結局次の大統領選挙ではベン・アリは5選を果たしました。なんと得票率89.62%とのこと。このあたりから眉唾ものだということがわかるような気がします。
でも、旅の途中では人々も穏やかだし、警察官に不当な目にあったこともないし、安定したいい国だとは思っていたんですけどね。
このような人物像が街の至る所にある国は、シリアがそうでした。1996年のことで、まだ親父のほうのアサド大統領が健在だったころ。
かつてのソ連、社会主義体制でしたが、マルクスとレーニンの肖像画はたくさんあったものの、ゴルバチョフのものは皆無でした。中国でも指導者のものは見かけてないです。毛沢東はあったけどね。
タイやカンボジアでは国王(または前国王)の肖像はたくさんありますけど、直接の指導者じゃないからな。タイのプミポン前国王はやや指導者っぽい一面もあったけどね。
そのうち大陸では首をやや傾けた指導者の顔だらけになっていくのかもしれませんぜ。わたしゃ、2015年に深圳に行ってきましたが、そういうものは見かけなかったです。でも、近いうちに香港やマカオでも登場しちゃうんじゃないかと。
結局、こういうものはロクでもないことだということですね。
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コメント
チュニジアも懐かしいですね。
私が行ったのは1999年なんで、もう20年以上前かな。
地中海諸国は私も好きですね。
投稿: カルロス | 2021年12月19日 (日) 01時18分
カルロスさん。
わたしゃ、東南アジアに傾倒する前は、地中海沿いの国に結構出かけていたんです。
ところで、1999年のチュニジア、拝見いたしました。
最後は大変だったですね。
ところで、自分もケロアンではHotel Tunisia泊まりました。レストランも同じところに出かけてます。
チュニジアの未紹介画像がたくさんあるので、しばらくチュニジアも記事にする予定です。
投稿: ヒョウちゃん | 2021年12月19日 (日) 21時58分