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2022年1月14日 (金)

サングラスの向こう側

かすてら音楽夜話Vol.140

サングラス、かっこいいですよね。僭越ながらワタクシもいくつか所有しております。

裸眼状態が「大人に成長」(つまりローガンでござる)してからは、コンタクトレンズから眼鏡に変えましたが、度の入ったサングラスもこれまたいくつか持っているほどでございます。

ま、そんなことはどうでもいいのですが、ミュージシャンにとってもサングラスは見栄えをよくする小道具ともいえます。サングラスと切っても切れないミュージシャンといえば、鈴木雅之、サンプラザ中野(最近は「くん」をつけているようです。めんどくせぇ、旧称でいきます)、桜井賢(アルフィー)、井上陽水などなど、男ばかりですが。

上記の人たち、デビュー前の画像や初期のころは素顔も結構出てきます。また、Ray Charles(レイ・チャールズ)やStevie Wonder(スティーヴィー・ワンダー)のように、視力に障害を持つ人はサングラスをつけたままです。日本のミュージシャンでも関ジャニの安田章大やcannaの周水のように、眼に多くの光を浴びると日常生活に支障をきたす人はサングラスを欠かせません。

ですが、ほぼ素顔をさらさない人がこの人ですね。

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そうです。浜田省吾のことを語りたいのですね。サングラスを絡めて。

浜省のデビューは1975年、愛奴(あいど)というグループでドラムスを担当しておりました。しかし、愛奴はのちに浜省のサポートギタリストとなる町支寛二らが高校生時代に結成していたバンドが母体となったもので、後から加わった浜省はじゃんけんにより慣れないドラムスを担当することになります。

愛奴時代はメインのソングライター兼ヴォーカルという立ち位置にいましたが、担当はドラムス。バンドの最も後ろに控える位置にいるため、どうしても目立ちたくてサングラスをかけるようになったとのことです。

しかし、ドラムとしての限界を感じていた浜省は同年、愛奴を脱退し、翌1976年にソロとしてデビューします。

 

デビューシングル「路地裏の少年」ですね。オリコン圏外に沈んでおります。

映像ですが、今から15年くらい前のものですが、オリジナルシングルの雰囲気に近いので採用しました。

この、「路地裏の少年」を含むデビューアルバム『生まれたところを遠く離れて』(オリコン圏外)のライナーノートにサングラスを外した浜省の写真が1カット使われているのですね。このアルバムは46年も経った現在でも発売されていますが、再発のCD仕様ではそのカットはなくなっているはずです。ま、それほど不自然ではないと思うし、ネットを検索すれば見ることはできますね。

また、この頃の浜省は小さなライブハウスでの活動をしていましたが、その時は一瞬サングラスを外してまたかけるということもやっていたと、後年のライヴで本人自ら語っております。

 

1987年リリースの「二人の夏」、オリコン25位です。

ホリプロ時代、なかなか自身の曲がセールスに結びつかず、ホリプロ所属のシンガーたちに曲提供を多数行うことで、食いつないでいた浜省ですが、セールスも安定してきて1985年にはアルバム『J.Boy』がオリコン1位を獲得します。

こちら、「二人の夏」は愛奴のデビューシングルですが浜省もリメイクしたのですね。

これを取り上げたというのは、この1987年、写真週刊誌「FRIDAY」に素顔の写真が載ってしまったのですね。もちろん、盗撮です。こちらはどうやらネットでは抹殺されているようですが、わたしゃ拝見しております。これはですね、はっきり申し上げてサングラスを外した浜省は、誰も気づかないのではないかと…という程度に留めておきます。

いやそれにしても、浜省もサングラスというイメージが定着しすぎてしまって外すに外せなくなってしまったのですかね。このフライデー事件で決定的にサングラスを外さないことが決められたのかどうか。すでに今年の年末には古希を迎える浜省ですからね。確実に老眼であろうし、ステージでのサングラスは辛いですよね。

レコーディングは素のままで行っていると思われます。人前ではサングラスを外さないと伝えられますが、もともとテレビ出演が極端に少なく、メディアに登場するのは音楽雑誌のインタビューや写真撮影などだけ。そういった一般大衆が目にするところではサングラスを付けるのでしょうけど。

ホリプロに同時期に所属して曲提供を受けていた和田アキ子や山口百恵は果たして素顔を見ているのか。ま、どうでもいいですけど。

さて、浜省になくてはならないサングラスですが、初期から愛用していたのはRay-Banのアヴィエイターというタイプです。ティアドロップ型のもの。映画「トップガン」でのトム・クルーズなどパイロットが使用しているものですね。確かこの型、昔はシューターという射撃用だったような気もしますけど。お笑い界でいえばたむけんがかけてますね。

そして、アルバム『J.Boy』ではクラシックなセルフレームのウェイファーラーという型に変わりました。とはいえ、ツアーなどでは元のアヴィエイターを使うことが多かったようです。

 

2000年リリースの32枚目のシングル「…to be "Kissin'you"」のプロモビデオでした。オリコン16位です。

この頃からサングラスも現代風になり、縦が薄く横に長いタイプに変わってきています。レイバンでいうと特にモデル名は付いておりません。型番はありますが。

この時期レイバンはイタリアの企業と協力してデザインがヨーロッパ化されたものも多く発売されてます。また、浜省の着用モデルはレイバンではなくなったという情報もあるんですが。

結論としてサングラスがあろうがなかろうが、浜省は浜省。これ以上は詮索するのはやめにしましょう。

浜田省吾は2015年以来アルバムはリリースしてません(シングルはあり)。限定的なライヴは行っているようなので、今再びその姿を見てみたいものです。もちろん、サングラス姿で。

それでは、最後に17年前の石田ゆり子の映像を眺めつつお別れいたしましょう。浜省、センスいいよね。

 

そういえば、Ronettsのロニー・スペクターさんがお亡くなりになりましたが、浜田省吾も「Be My Baby」をカバーしているんだった。合掌。

 
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コメント

 浜田省吾のサングラスは、ライブのときなど実はあまり黒いものではなく、最前列にいると「歌っているときは大抵目をつむっている」ように見えるといった話が、90年のツアーの田家秀樹さんの同行記「オンザロードアゲイン」の中にも出てきていましたね。

 自分のプライバシーを隠すというよりは、スイッチを切り替える、自意識のバリアを着たり脱いだりするというような面が強いのかもしれません。

 長年ずっとサングラスをしていたアーティストのひとりにスターダストレビューの根元要がいますが、彼は還暦になるころから人前でサングラスをするのを止めてしまいました。
 最初はこちらも慣れなかったのだけれど、最近は彼の笑顔がストレートにこちらに届いて「ああ、このひとは音楽を楽しんでいるのだな」ということがとても伝わってくるようになった気がします。
 ある意味、アーティストとしてきちんと武装したものを出して世に問うようなことから一段降りて「余生としての楽しい音楽」(とまで言うと怒られるか(笑))を堂々とやってる還暦のスタレビの姿を見ると、こういうのもまたいいなと思うワタクシです。

投稿: 房之助 | 2022年1月14日 (金) 13時43分

房さん。

なるほど、ステージではそんなに濃いサングラスではないんですね。
時には自分だけスポットライトを浴びるような環境ですから、納得です。
ちなみに、「On The Road Again」は持ってないんですよね。

>自分のプライバシーを隠すというよりは、スイッチを切り替える、自意識のバリアを着たり脱いだりするというような面が強いのかもしれません。

わかるわかる。
サングラスをかけることで、「ミュージシャンである浜田省吾になる」ってことですね。

ああ、根本要って、今は素顔なんですね。
わたしゃ、その姿は拝見してないんですが、彼の笑顔、優しそうだなと想像できます。

逆に還暦過ぎてからサングラスを常用している、甲斐よしひろもいますけど。
甲斐さんがレギュラー外れたので、お昼の「バイキング」は見なくなりました。
そういや、海外ではELOのジェフ・リンは相変わらず、サングラスですね。

今回の房さんのコメント、いたく納得いたしました。
サングラスで武装とかね。

なんか、今回のやり取り、かつてのFBEATっぽい。

投稿: ヒョウちゃん | 2022年1月14日 (金) 23時15分

どーでもいい話ですが、浜省の出身中学校と私の出身中学校は同じです(^-^;。

浜省の出身高校はウチの弟と同じです。弟はその後ここで教師として仕事してましたが(^^;。

投稿: おりんぴあ | 2022年1月15日 (土) 00時33分

おりんぴあさん。

ということは、呉ですか。
出身が同じということは、いろいろな伝説が残っていると思いますが、また何かの機会に教えていただけると嬉しいです。
浜省の記事はまたいずれ書くでしょう。よろしくお願いします。

投稿: ヒョウちゃん | 2022年1月15日 (土) 20時21分

こんばんは。はじめまして。

ハマショーのサングラスですか。久しぶりに訪問して、ヒョウちゃんらしいディープな話題に嬉しくなりました。

僕の守備範囲でのサングラスといえば、柳ジョージかなあ。JAYWALKの中村耕一も初期はよく着用していましたね。二人とも目つきが優し過ぎるシャイなガイという共通点があり、ロックを歌うための切替スイッチだった気がします。

「路地裏の少年」懐かしいですね。アコギが似合うロックナンバーは?と聞かれたらこの曲が浮かびそうです。
そうそう「二人の夏」はなんと椎名恵がカバーしてるんですよ。ハマショー、それも何故に愛奴時代の曲を?と驚きましたが、彼女のコメントは確認できていません。年齢では少し離れてますが、二人には接点があったのでしょうか。

二人の夏/椎名恵
https://youtu.be/973S_DcQAns

では、今後ともよろしくお願いします。

投稿: YOU | 2022年1月23日 (日) 00時35分

YOUさん。

20年ぶり以上となるFBEATerとの再会を大変ありがたく感じております。

柳ジョージはワタクシ的にはほとんど知らないも同然ですが、エピソードがひとつあります。
柳ジョージ&レイニーウッド名義の「微笑の法則」が資生堂のタイアップだったのですが、そこに出演していたのが、自分の出身高校の後輩で、寺尾聰の奥さんとなって即引退したという人でした。
もっとも、そのような人物が校内にいるとは在学中まったく噂にも上らなかったんですが。
彼女と同じクラスにいた後輩にきいても同じような反応でした。
ま、柳ジョージとサングラスとはまるで関係ない「脱線」ですけど。
柳ジョージ、むしろサングラスを外した素顔の印象のほうがありますけどね。

浜田省吾の「Baseball Kid's Rock」でYouTubeに上がっていたと思いますが、浜田ひとりのアコギヴァージョンがあるんですね。あるいは彼のDVDだったかもしれません。
ギターも得意ではないと自ら認めるほどですが、初期はアコギ1本でどこにでも出かけていたし、自分の曲をぎたーひとつでロックにパフォーマンスできる実力はキャリアの初期から磨かれていたと思いますね。

椎名恵の「二人の夏」、初耳でした。
聴いてみましたが、コーラスアレンジも含めて原曲に近いものがありますね。
接点はないと思われますが、好きだったのかな。
wikiによれば、椎名さんのシングルのカップリングだったようですね。

素早く反応していただき、ありがとうございました。
過去の記事にもコメントいただけるとものすごく嬉しいです。
また、音楽話は5記事に1回のペースで上げていきます。
鈴木祥子もそのうちにやりますよ。過去にもあるけど。
よろしくお願いします。

投稿: ヒョウちゃん | 2022年1月23日 (日) 20時20分

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