イーグルスを支えた男たち
かすてら音楽夜話Vol.139
今日からは通常更新です。
ご存じEaglesのデビューシングル、「Take It Easy」です。
1972年デビューのイーグルス、このシングルはビルボード12位と新人バンドとしてはまずまずの出来ですかね。
映像にはLinda Ronstadt(リンダ・ロンシュタット)とJackson Browne(ジャクソン・ブラウン)が加わっております。
リンダがギターを弾いている映像というのもなかなか珍しいと思います。実はイーグルスはリンダのバックバンドとしてメンバーが集められたところから、発展的にできたバンドでもあります。映像では、オリジナルメンバーの他にDon Felder(ドン・フェルダー)が加わっていますので、1974年のアルバム『On The Border』以降のものと思われます。
さて、もうひとりギターとコーラスに参加しているジャクソン・ブラウンですが、この曲の作者のひとりです。リード・ヴォーカルのGrenn Frey(グレン・フライ)との共作ですね。
「Take It Easy」収録のデビューアルバム『Eagles』では「Nightingale」という曲を単独で提供し、2作目のコンセプトアルバム『Desperado』ではオープニングの「Doolin-Dalton」をDon Henley(ドン・ヘンリー)、グレン・フライ、J.D.Souther(J.D.サウザー)と共作してます。同じく3作目の『On The Border』でも「James Dean」を同じメンツで作りました。
イーグルスへの曲提供や共作はここまでですが、ジャクソン・ブラウンも「Take It Easy」はセルフカバーしています。
では、ジャクソン・ブラウン自身の活動です。彼はグレン・フライと同じく、1948年生まれで、ソロデビュー前にNicoという、Velvet Undergroundに参加していた女性シンガーに1967年に曲を提供しています。これはニコもジャクソン・ブラウンもドイツにルーツがあるということと関係しているのではないでしょうか。あくまでも推測ですが(ジャクソン・ブラウンはハイデルベルク生まれでその後家族でロスに移住)。
他にも彼の曲を取り上げたバンドやミュージシャンはいました。特にNitty Gritty Dart Bandにはわずかな参加期間でしたが、のちにニッティ・グリッティ・ダートバンドも彼の曲をカバーしています。
ソロデビューはイーグルスと同じく1972年で同じレーベルのアサイラムでした。
ジャクソン・ブラウンは爆発的なシングルヒットには恵まれませんでしたがアルバムは着々とヒットを積み重ねます。1976年の『The Pretender』が5位、1978年の『Running On Empty』が3位、そして1980年の『Hold Out』がついに1位となります。
同年のシングルカットで「Boulevard」(ビルボード19位)でした。
同じく『Hold Out』収録曲でタイトルナンバーの「Hold Out」です。こちらはシングルカットされていませんが、ワタクシがアルバムの中で最も好きな曲です。
さて、もうひとり、イーグルスを支えてきたのがこの、J.D.サウザーです。ジャクソン・ブラウンのところでもイーグルスとの共作に名前が出ました。
彼はジャクソン・ブラウンよりもイーグルスのヒットシングルに絡んだ人で、「Best Of My Love」、「New Kid In Town」、「Heartache Tonight」と3曲もナンバーワンヒットを送り出しています。いずれも、ドン・ヘンリー、グレン・フライとの共作で、「Heartache Tonight」にはBob Seager(ボブ・シーガー)という人も加わってますが。
彼はデトロイト出身ですが、ロスに移住し、グレン・フライとルームシェアをしていました。グレン・フライもデトロイト出身です。その階下に住んでいたのがジャクソン・ブラウンであったとのことです。
さて、彼もアサイラムから1972年にソロデビューしているのですが、長らく日本では知られず、1979年のこの曲で有名になりました。
ビルボード7位という曲で、いまだに日本ではテレ東などで曲が使われますね。映画音楽にも使用されているので、曲自体はジャクソン・ブラウンよりも知られているでしょう。
ですが、この曲はアサイラムからコロンビアに移籍した直後のものというのが皮肉ですね。
つうことで、2022年の音楽話はここからスタートです。
★リクエスト、ご意見、コメントお待ちしております。
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