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2022年9月 5日 (月)

プーさんからTop Gunまで

かすてら音楽夜話Vol.151

タイトル、なんのこっちゃなんですが。今回はKenny Loggins(ケニー・ロギンス、1948年生まれ)を取り上げます。

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画像はLoggins & Messina(ロギンス&メッシーナ)時代のもので、左の髭面がケニー・ロギンスです。右は相方、Jim Messina(ジム・メッシーナ)ですよん。

 

このたび、36年ぶりに続編の作られた映画「Top Gun Marveric」ですが、1986年公開の「Top Gun」の主題歌「Danger Zone」を歌っているのが、ケニー・ロギンスですね。曲もヒットし、ビルボード2位を獲得しております。

とはいえ、この曲はケニー・ロギンスの手によるものではなく、作曲はGiorgio Moroder(ジョルジオ・モロダー)、作詞がTom Whitlockという人です。特にジョルジオ・モロダーは映画音楽で頭角を現した人といえます。代表曲としては「Flashdance…What A Feeling」があり、こちらはビルボード1位を獲得しているし、1983年の年間チャートでは3位になっています。また、日本ではなぜか「スチュワーデス物語」で麻倉未稀によるカバーでオリコン1位という具合です。

ま、そんな具合でケニー・ロギンスといえばこの「Danger Zone」の印象が強いということになりますが、あくまでも彼はシンガーソングライターです。

さらに、ケニー・ロギンスを掘り進めてまいりましょうか。

彼の音楽キャリアはNitty Gritty Dirt Band(ニッティグリッティ・ダートバンド)へ4曲提供したところから始まります。その後、1971年に(日本の学年でいえば)同級生で友人のジム・メッシーナ(1947年生まれ)とロギンス&メッシーナを結成することになります。

ここで蘊蓄を傾けると、彼らのファーストアルバムは『Sittin' In』ということになってますが、アーティスト名の表記は「Kenny Loggins With Jim Messina」とあります。

これは、当初ケニー・ロギンスのソロアルバムをメッシーナがプロデュースするということで制作が始まりましたが、そのままメッシーナも加わってデュオで行こうとなったものなのですね。ちなみに、セカンドアルバムからはアルバム名も『Loggins & Messina』になり、アーティスト名も同じになりました。

さて、ワタクシは1973年に彼らのシングル「Thinking Of You」(邦題「愛する人」ビルボード18位)を購入していました。

 

ですがね、この曲はジム・メッシーナの曲でリードヴォーカルもメッシーナ。ま、当時は映像もありませんでしたのでそんなことはわかりません。ですが、デュオとして70年代から現在まで最も売れたDaryl Hall & John Oates(ホール&オーツ)よりもしっかり二人が共同作業をしているようにワタクシは感じますね。

このあたり、ジム・メッシーナが元Poco(ポコ)のメンバーだったこともありますかね。PocoのメンバーであったRandy Meisner(ランディ・マイズナー)もTimothy B. Schmit(ティモシー・B・シュミット)もEagles(イーグルス)に加わることになり、そうしたテイストを個人的にも好むことから、ロギンス&メッシーナも早くから好んでいたのだと思います。

さて、ロギンス&メッシーナとはその後縁が切れまして、再び出会うことになるのはある程度自分のお金を好きな音楽に費やすことができるようになってからでした。つまりは数10年後のことです。

すでに、彼らは解散していたのですけど。

 

曲は「House At Pooh Corner」(邦題「プー横丁の家」)でした。こちら、アルバム『Sittin' In』収録です。シングルカットはされておりませんが、かつてケニー・ロギンスがニッティグリッティ・ダートバンドに提供した曲のひとつです。

わたしゃ、外国童話などにはまるで縁のない幼少時代を送っていましたので、「プー横丁ってなんだ?」となったわけです。それが、「水曜どうでしょう」を見ていたらイングランドのハートフィールドに「くまのプーさん」(原題「Winnie-the-Pooh」原作者はA.A.ミルン)の世界を再現したところがあることがわかりました。しかも、「くまのプーさん」の続編は「プー横丁にたった家」(原題「The House At Pooh Corner」)というのですね。

というわけで、イギリス人の童話でありますが、アメリカでもほぼ誰でも知っている話を歌にしたわけで、ライヴでも観客が一緒に歌うし、おそらくはケニー・ロギンスやロギンス&メッシーナのファンでなくとも超絶有名な曲であるともいえますね。

ちなみに、映像は2005年頃のロギンス&メッシーナ再結成ライヴです。全盛期からほぼ30年後ですから、メッシーナの風貌はかなり変化してますし、ケニー・ロギンスも髭と髪の毛をだいぶ刈り込んでおります。

これまたシングルカットはされていないものの、『Sittin' In』収録の「Danny's Song」という曲はカナダ人シンガーのアン・マレーがカバーし、ビルボード7位を記録しました(カナダでは1位)。もちろん、ケニー・ロギンスの曲です。

その後、ロギンス&メッシーナは1976年に解散し、ケニー・ロギンスはソロとなります。地道にアルバムをリリースしていましたが、トップ10ヒットには恵まれず、中堅どころという立ち位置でした。

 

曲は1979年のDoobie Brothers(ドゥービー・ブラザース)の「What A Fool Believes」(1979年)でした。ビルボード1位を獲得し、第22回グラミー賞では最優秀レコード賞と最優秀楽曲賞のダブル受賞となった曲です。ドゥービー自身2度目のビルボード1位がとんでもないことをやらかしたのです。

この曲はケニー・ロギンスとMichael McDonald(マイケル・マクドナルド、ドゥービーのリードヴォーカル兼キーボーディスト)との共作です。ケニー・ロギンスも自身のセカンドアルバム『Nightwatch』に収録していますが、シングルカットはされていません。

映像は無観客ライヴみたいな感じですけど、オリジナル音源とはちょっと異なりますね。マイケル・マクドナルドのキーボード前で座ってギターを弾く男性はJeff Baxter(ジェフ・バクスター)といい、ドゥービーのオリジナルメンバーではありませんが、Steely Dan(スティーリーダン)時代にセッションメンバーだったマクドナルドをドゥービーに誘い込んだ張本人です。

この曲が収録されたアルバム『Minute By Minute』リリース後、自らが誘ったにもかかわらずマクドナルド中心の新しいドゥービーの音楽性に違和感を感じ脱退した人です。その後、セッションギタリストとして浜田省吾のアルバム『Homebound』でもギターを弾いております。そしてなんと現在は軍事アナリストということですから、もしかしたらアメリカでウクライナ問題について何かやっているかも。小泉悠氏のような人かな。

余談が長くなりました。ともかく、この1曲でケニー・ロギンスは知名度が上がったといえます。

 

1984年の映画「Footloose」の主題歌で同名タイトルの「Footloose」でした。ケニー・ロギンス自身初のビルボード1位(3週連続)獲得曲で年間チャートでも4位という最も売れた曲ですね。

こちら、「Danger Zone」と異なり、ケニー自身も曲作りに参加しています。共作者はDean Pitchford(ディーン・ピッチフォード)という人で、これまでのケニーの作風と違ってかなりポップに仕上がっているので、ピッチフォードさんのアイデアがかなり強めに出ていると思われますね。

ただし、ケニーの伸びのあるハイトーンを買われて起用されたことは間違いないです。これは、「Danger Zone」にもいえることです。

 

そして、1985年、USA For Africaの一員として「We Are The World」にも参加。いわば、アメリカの顔ともなったわけですね。中盤のBruce Springsteenのあとにケニー・ロギンスが登場します。

これだけのメンバーを集め、リードヴォーカルが回ってくるのですからこれはすごいと思いますね。コーラスだけの人もいますからね。

つうことで、今回はケニー・ロギンスでございました。

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