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2022年12月 7日 (水)

マックの「完全」

かすてら音楽夜話Vol.155

またもや、タイトル意味不明です。

「マック?マクドじゃないんかい?」ここでいう、「マック」とは、Fleetwood Mac(フリートウッドマック)のことです。

そして…「完全」とは、この方。

Ms0023

Christine McVie(クリスティン・マクヴィー)のことです。11月30日に死去が報じられました。死因は発表されておりません。1943年生まれ。享年79歳。合掌。

彼女の出生名は"Christine Perfect"なんすね。

クリスティンはイギリスのブルースバンド、Chicken Shack(チキンシャック)にキーボード兼ヴォーカルとして参加します。そして、同じイギリスのブルースバンドであったPeter Green's Fleetwood Macのベーシスト、John McVie(ジョン・マクヴィー)と結婚し、フリートウッドマックに参加します。この時、ユーミンのように夫の姓を名乗ることになりました。

フリートウッドマックは何とも長い歴史があり、メンバーも変遷があるので詳しいことは省きます。

ですが、ワタクシが彼らを知るようになったのは、1979年のアルバム『Tusk』からとなります。

Ms0022

<全盛期のマック>

 

音声だけですいません。一応、2015年のリマスター盤です。

この、「Over and Over」は2枚組アルバム『Tusk』のオープニング曲ですが、シングルカットはされておりません。ですが、クリスティンの温かみのあるヴォーカルがバンドに安定感を与え、約70分という当時としてはずいぶんと長いアルバム(LPリリース時は2枚組)では、リスナーを落ち着かせるような歌声ですね。作者はもちろん、クリスティンです(これから紹介する曲はすべてクリスティンの曲です)。

さて、当時のマックのラインナップです。画像の中央がクリスティンですね。

Mic Fleetwood(ミック・フリートウッド):ドラムス、パーカッション、画像の左から2人目
John McVie(ジョン・マクヴィー):ベース、画像の一番右
Christine McVie(クリスティン・マクヴィー):キーボード、ヴォーカル、バックコーラス、画像中央
Lindsey Buckingham(リンジー・バッキンガム):ギター、キーボード、ヴォーカル、バックコーラス、画像の右から2人目
Stevie Nicks(スティーヴィー・ニックス):キーボード、ヴォーカル、バックコーラス、画像の一番左

これが全盛期のフリートウッドマックといわれ、クリスティンの他にリンジーとスティーヴィーもそれぞれ曲を書き、それぞれがリードヴォーカルを取り、時には3人のシンガーがコラボレーションをするという、多彩なポップバンドに変身していたのでした。

冒頭でマックをブルースバンドと書きましたが、当時のリーダー、Peter Green(ピーター・グリーン)がLSDの影響でグループを去り、クリスティンとほぼ同時期にバンドに加わったBob Welch(ボブ・ウェルチ、アメリカ人)が入ったことで、ブルース色が徐々に薄まり、なおかつ以前のメンバーがグループを去ることによって、ポップなバンドへと変わっていったのです。とはいえ、クリスティン自身もマックのファンであり加入した時代のクリスティンの曲なども、意外にブルージィだったりします。

そして、1974年にボブ・ウェルチが脱退し、バンドはアメリカ人のリンジーとスティーヴィーをスカウトすることになります。当時この二人はBuckingham Nicksというデュオを組んでいたのですが、バンドは白羽の矢を立てたのはリンジーだけだったといいます。しかし、リンジーがスティーヴィーも一緒にバンドに加わってはどうかという提案をし、それが受け入れられ、最強のフリートウッドマックが誕生したのでした。これを機に、マックはアメリカに拠点を移しました。

 

この曲は1977年のアルバム、『Rumours』収録の「Don't Stop」です。ビルボードHot100では3位を記録しました。クリスティンの曲ですが、リンジーとクリスティンがリードを交代しながら歌います。スティーヴィーはコーラスですね。

このように、全盛期のマックは演奏だけでなく歌にも広がりがあって、非常にポップなことがわかりますね。

ちなみに、この曲は1992年のアメリカ大統領選挙で、ビル・クリントン陣営がキャンペーンソングに選び、大統領就任式ではフリートウッドマックが全盛期のメンバーで演奏をし、再結成ライヴも行われました。そちらのほうが有名かもしれません。

そして、このアルバム『Rumours』は、なんとアルバムチャートであるビルボードHot200で31週に渡って1位を獲得するというお化けアルバムでした。当然ながら、年間アルバムも1位に輝き、1978年のグラミー賞の最優秀アルバム賞を獲得しています。また、スティーヴィーの曲「Dreams」がグループ唯一のHot100で1位を獲得しています。

とはいえ、ワタクシの個人的な好みは『Rumours』の前作『Fleetwood Mac』(邦題は『ファンタスティックマック』というしょうもないものでした)だったりします。

 

その『Fleetwood Mac』から、「Warm Ways」でした。リンジーの歌う「Blue Letter」との両A面でしたが、チャートインはしていません。

この曲も温かみのある、クリスティンの声が安らぎのようなものを与えてくれますね。アルトの声はアルファ波をもたらすともいわれています。

この、『Fleetwood Mac』から、リンジーとスティーヴィーが加わったわけですが、マックとして初めて商業的に成功したアルバムで、ビルボードHot200でチャートインから58週目に1位になりました。じっくりと売れたわけですね。『Rumours』には及びませんが、500万枚を売り上げました。

いわば、マックがアメリカに認められたアルバムとなります。

さて、クリスティンにはジョン・マクヴィーという夫がいて、リンジーとスティーヴィー(本名の一部がStephanie)も私生活ではパートナーであったわけですが、『Rumours』制作の頃は、すでに関係が悪化し亀裂が入っていたようです。

それでも、涼しい顔をして(メンバーチェンジもせず)『Tusk』、『Mirage』、『Tango In The Night』というアルバムを出し続けました。ある意味、ものすごいプロフェッショナルであると思います。

では、最後にこの曲を流しつつお別れしましょう。

 

アルバム『Tango In The Night』から、「Little Lies」でした。ビルボードHot100では4位でした。映像は最盛期のメンバーが登場するプロモーションビデオです。

さよなら、クリスティン。

ありがとう。ブラボーだったぜ!

2022FIFAワールドカップ決勝トーナメント1回戦、日本vsクロアチアは1-1のドローでしたが、PK戦の結果、ここで敗退となりました。

2010年の南アフリカ大会でもPKでベスト8に進めず、PKを外した駒野選手への批判があったりしましたが、今回そういうのはなしにしましょうや。夢は2026年に持ち越しだ。

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