色違いの出入国スタンプ
陸路・海路の国境越え<2>
<啓徳空港の出入国スタンプ>PowerShot
こちら、かつての香港の国際空港、啓徳空港(Kai Tak Airport)で押された出入国スタンプです。啓徳空港は香港の中国返還後、1998年に新空港であるチェクラプコク空港ができ、空港としての役目を終えました。
基本的に香港の出入国スタンプの形状はこの形でした。「でした」というのは、近年、出入国スタンプが廃止され、パスポート上には何も残りません。その代わり、イミグレーションでは入国時にパスポート番号と氏名が記入された紙片を渡されます。マカオも同様です。
自分の場合でいうと、2015年の12月に香港からマカオに行ったとき、スタンプは押されませんでした。実施されたのは2013年7月(マカオ)だそうです。
話が長くなりましたが、今回は出入国スタンプのあった時代のケースについて記事にいたします。
<ターボジェット>K-7/DA21mm
さて、香港・マカオ間の移動ですが、ヘリコプターが1ルート結ぶ以外はすべてフェリーの利用となります。
通常は香港の上環にある港澳嗎頭(マカオフェリーターミナル)とマカオの外港にある外港客運嗎頭(外港フェリーターミナル)を利用するのが普通でしょう。深夜特急の「私」(主人公)も、このルートを利用しています。深夜特急ではマカオに向かうとき、現在とほぼ同じ水中翼船を利用していますが、戻りは普通の船となっています。現在は普通の船は廃止され、噴射飛航(Turbo JET)という、ジェットフォイルが運行されるのみです。
<マカオ出入国スタンプ>PowerShot
在りし日のマカオ出入国スタンプです。入国スタンプ(上)はつぶれてしまって判読が難しいですが、外港フェリーターミナルでの入国となります。滞在可能日数は香港と違いたったの21日ですね(2000年当時)。現在は香港と同じく90日間となっています。
香港と違い、イミグレーションの場所が明記されています。この他、中国の珠海市との間に2か所行き来のできるイミグレーションがあります。また、内港から珠海市までの船がありましたが、現在は廃止されたようです。もっとも、外国人には解放されていないルートではないかと思いますが。
そして、なんと2018年には港珠澳大橋というものができ、珠海と香港のランタオ島およびマカオを結ぶ「世界最長の海上橋」ができてしまいました。バス移動も可能だとのことです。
<無料バス>PowerShot
さて、外港とマカオの中心部は離れていますので、一般的にはタクシーを使ったり、ホテルの送迎バスを使ったりしたものです。ですが、外国資本のカジノホテルがマカオに乱立すると、カジノホテルが無料バスを走らせるようになりました。一応、誰もが利用可能ですが、ちょっと離れたところまで行くバスはなかなか来ないんですよね。
マカオで宿泊するのならば、リスボア近辺にとどめておいたほうがいいでしょう。その便が最も多いです。
さて、香港への戻りです。2007年の春の滞在では、尖沙咀のYMCA(現在はYMCAではなく別名のホテルになりました)に宿泊予定だったので、上環のマカオフェリーターミナル(香港島)ではなく、九龍の中港客運嗎頭(チャイナフェリーターミナル)へ向かう船を利用しました。
<当時のファーストフェリー>MZ-3/FA35mm
こちらは水中翼船ではなく普通の船で時間はかなりかかります。まあ、上環から地下鉄やスターフェリーを使い九龍側に移動することを考えたら、同じくらいの時間でしょうか。
<船内>RICOH GR DIGITAL
こちらは、自由席。しかも、船内を動き回れるので、いかにも船旅という感じがします。
速度は遅いですが、Turbo JETのような揺れではなくゆったりとしたローリングとピッチングを繰り返します。
そして、尖沙咀のイミグレーションでスタンプを押されます。
<緑のスタンプ>PowerShot
それがこちら。画像が切れていますが、黒の楕円形がチェクラプコクでの出国スタンプです。中港城(尖沙咀)でのスタンプは緑ということになります。
<紺スタンプ>PowerShot
同じく上の紺の楕円形が上環のマカオフェリーターミナルでの出国スタンプです。なるほど、香港では出入国地点によってスタンプの色を変えていることがわかります。
でも、現在はスタンプ自体が廃止なので、そういった面の面白味は半減しました。
また、このルートは健在ですが、現在はファーストフェリーではなく、Turbo JETが運航しているとのこと。
そして、その後香港・マカオ間のフェリーのルートはもっと増えました。
まずはチェクラプコクからマカオに直接向かうフェリーができました。この場合、香港は入国扱いにならず、マカオでの入国となります。
また、マカオのタイパ島に臨時客運嗎頭(タイパ・テンポラリー・フェリーターミナル)ができ、上環、尖沙咀とチェクラプコクからそれぞれ便があります。これはコタイ地区に進出した外国資本のカジノホテルがあることからできたものですね。
さらに、新界の屯門と外港を結ぶ便もできたとのこと。こちらは、まず外国人は使わないと思いますが。
<マカオの夜>K-7/DA21mm
なお、今現在香港入国に関してはちょっと前までの日本の水際対策みたいな感じが取られています。PCRまたは抗原検査が必要。自主観察期間はあるものの隔離はなしです。
マカオは厳しいですよ。何しろ、台湾・香港・中国本土からの入国には規制がかかり、つまりは空路で来いと。入国(入境)時に検査あり。入国後5日間は毎日抗原検査を実施し、結果をアップロードせよとあります。
こりゃ、せっかくのカジノが閑古鳥ですな。
とはいえ、中国自体がゼロコロナ政策をやめたというか、放棄してますので、今後あっちゅう間に大陸の中国人が以前のように世界中に出ていくなんてこともなくはない…。
ま、個人的には香港とマカオには当分行かないと思いますが。
<2022/12/27追記>
その後、facebookで情報が寄せられました。香港のスタンプですが。
「黒」は空港(かつての啓徳空港と現在のチェクラプコク空港)。
「紺」は上環(マカオフェリーターミナルとヘリポート。ヘリポートもマカオフェリーターミナルの上階にあります)。
「緑」は尖沙咀(中港城および公海上をクルーズする巨大カジノ船)。
もうひとつ、「赤」があったそうです。九広鉄路の羅湖または落馬洲から深圳に抜ける場合。あるいは直接広州にアクセスする列車などでは車内かあるいは始発のホンハムでスタンプが押されたと思われます。
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コメント
私は相当のギャンブル好きなのですが、
人生そのものも賭けの連続だったので、
カジノに行きたいとは思いませんね。
マカオは今後も行かないと思います。
でも若いころに香港映画にはまったせいで、
カイタック空港には一度行っておきたかった
ところです。
投稿: ペンタのP | 2023年2月 2日 (木) 18時06分
ペンタのPさん
ギャンブル好きだったんですね。
マカオでは1晩に相当額を賭けるゲストは上客で、勝ち負け関係なく、カジノホテルがVIPルームを無料で提供するんだとか。
たぶんですけど、マニラに拘束されているあいつらくらいの資産では無理だと思いますが。
ま、ワタクシも中国に骨抜きにされた香港・マカオには興味がなくなりました。
とはいえ、運行状況が不明ですけど、マカオ航空がコロナ前には成田から飛んでたんですよね。
これに乗って、第三国に行くというのはちょっと興味あります。
啓徳空港跡はクルージング船のターミナルになったとのことです。
2回利用したことになりますが、デジタルではない時代なので、ここではお見せできません。
投稿: ヒョウちゃん | 2023年2月 2日 (木) 20時02分